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第42話オリヴィアとの出会い
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執務室を出た後、俺はベクターさんの後についていきリビングに向かった。
リビングにはソフィアと一人の女性がいた。
「あ、アル! お父様との話し合いは終わった?」
この子、俺にした事を何も気にしていないらしい。てか先に俺に声をかけたら……。
「…………」
ほら! 君のお父さんが俺の方に無言で向いているんだが。
「あ、まあ一区切りついたよ。それよりソフィアはずっとここにいたのか?」
「うん! お腹空いてたからずっと待ってたんだ~」
「そっか、それは悪かったよ」
「さ、アルバート君。早く座って食事にしよう」
ベクターさんはそう言って俺に席をすすめる。
娘の前では普通なのにな。
俺は勧められた席に着く。
「あなたがアルバート君?」
ソフィアに似た雰囲気をもった女性が話しかけてきた。
「あ、はい。ハワード侯爵家の四男アルバートです。本日はお邪魔させてもらっています。あの、あなたは?」
「ん? 私? 私はソフィアのお姉ちゃんよ。オリヴィア=フォン=レーベンブルク。オリヴィアって呼んでね。これからよろしく!」
「あの、これからとは?」
「あ、知らないのも無理ないか。私、王立フォルトナンセ学園の現生徒会長なの」
「えっ? 生徒会長!? オリヴィアさん凄いですね」
はい~生徒会長来ましたっ! 学園が始まる前に会えるとは思わなかった。
「そ、そんな事ないよ。ただ座学で学年首席取って、実技でも首席取って選挙に立候補したら信任100%だっただけだよ」
いや、お姉さんサラッと凄いこと言ったよ?
ちなみに付け加えておくと、その美貌も生徒会長になった一因だと思われる。
「お、お姉ちゃん。それは凄いことなんだよ?」
「まあ、そんなことはいいじゃない! 早く食べましょ。ね、お父様?」
「そうだな、それでは頂こう」
恐らくだがオリヴィアさんは天然キャラだ。
俺たちはその後、ご飯を食べながら話に花を咲かせた。
話していて分かったことだがソフィアとオリヴィアさんのお母さんは公爵領にいるらしい。王都に用があったため仕方なくベクターさんは妻に公務を任せたそうだ。
しばらくすると領地に帰るらしい。
話していると時間はあっという間に過ぎた。
「今日はありがとうございました。それでは僕はこれで」
「また来るといい。ソフィアにも同年代の友人は必要だ」
なぜか分からないが俺はベクターさんに認められたらしい。
「アルバートくん、また入学式で~」
「ええ、また」
この人を見ると癒され、空気が和む。
「じゃあね、アル! 入学式楽しみだね!」
「ああ、そうだな。どんな人たちがいるのか楽しみだ」
俺がそういうと、ベクターさんが近づいてきて耳打ちした。
「俺の魔眼で見たがお前の力の底は見えなかった。一体何者だ?」
瞬間、俺は驚いたが表情に出すことはなかった。
魔眼持ちか。師匠が言ってたが、魔眼持ちは少ない。
「見ての通り、ただの10歳の少年です」
「……まあいい。だがうちの娘に危害を加えるようなことがあれば、分かっているな?」
「そんなことしませんよ」
なんでそんなことしないといけないんだよ。まあ親であるあなたの気持ちも分かるがそこは信じて欲しい。
俺のその言葉を聞けて納得したのか耳元から離れた。
「何話してたの?」
「男の秘密だ」
笑いながらベクターさんはそう言った。
なんか、もっと、別の言い方ってなかったのかな?
「えーなになに、アル何話してたの?」
「……男の秘密、だ」
結局使ってしまった。
追及されるのもアレだし、早めに帰ろ。
「それでは僕はこれで。屋敷で家族が待っておりますので」
そう言って俺は長い長い一日を終えようやく帰宅した。
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リビングにはソフィアと一人の女性がいた。
「あ、アル! お父様との話し合いは終わった?」
この子、俺にした事を何も気にしていないらしい。てか先に俺に声をかけたら……。
「…………」
ほら! 君のお父さんが俺の方に無言で向いているんだが。
「あ、まあ一区切りついたよ。それよりソフィアはずっとここにいたのか?」
「うん! お腹空いてたからずっと待ってたんだ~」
「そっか、それは悪かったよ」
「さ、アルバート君。早く座って食事にしよう」
ベクターさんはそう言って俺に席をすすめる。
娘の前では普通なのにな。
俺は勧められた席に着く。
「あなたがアルバート君?」
ソフィアに似た雰囲気をもった女性が話しかけてきた。
「あ、はい。ハワード侯爵家の四男アルバートです。本日はお邪魔させてもらっています。あの、あなたは?」
「ん? 私? 私はソフィアのお姉ちゃんよ。オリヴィア=フォン=レーベンブルク。オリヴィアって呼んでね。これからよろしく!」
「あの、これからとは?」
「あ、知らないのも無理ないか。私、王立フォルトナンセ学園の現生徒会長なの」
「えっ? 生徒会長!? オリヴィアさん凄いですね」
はい~生徒会長来ましたっ! 学園が始まる前に会えるとは思わなかった。
「そ、そんな事ないよ。ただ座学で学年首席取って、実技でも首席取って選挙に立候補したら信任100%だっただけだよ」
いや、お姉さんサラッと凄いこと言ったよ?
ちなみに付け加えておくと、その美貌も生徒会長になった一因だと思われる。
「お、お姉ちゃん。それは凄いことなんだよ?」
「まあ、そんなことはいいじゃない! 早く食べましょ。ね、お父様?」
「そうだな、それでは頂こう」
恐らくだがオリヴィアさんは天然キャラだ。
俺たちはその後、ご飯を食べながら話に花を咲かせた。
話していて分かったことだがソフィアとオリヴィアさんのお母さんは公爵領にいるらしい。王都に用があったため仕方なくベクターさんは妻に公務を任せたそうだ。
しばらくすると領地に帰るらしい。
話していると時間はあっという間に過ぎた。
「今日はありがとうございました。それでは僕はこれで」
「また来るといい。ソフィアにも同年代の友人は必要だ」
なぜか分からないが俺はベクターさんに認められたらしい。
「アルバートくん、また入学式で~」
「ええ、また」
この人を見ると癒され、空気が和む。
「じゃあね、アル! 入学式楽しみだね!」
「ああ、そうだな。どんな人たちがいるのか楽しみだ」
俺がそういうと、ベクターさんが近づいてきて耳打ちした。
「俺の魔眼で見たがお前の力の底は見えなかった。一体何者だ?」
瞬間、俺は驚いたが表情に出すことはなかった。
魔眼持ちか。師匠が言ってたが、魔眼持ちは少ない。
「見ての通り、ただの10歳の少年です」
「……まあいい。だがうちの娘に危害を加えるようなことがあれば、分かっているな?」
「そんなことしませんよ」
なんでそんなことしないといけないんだよ。まあ親であるあなたの気持ちも分かるがそこは信じて欲しい。
俺のその言葉を聞けて納得したのか耳元から離れた。
「何話してたの?」
「男の秘密だ」
笑いながらベクターさんはそう言った。
なんか、もっと、別の言い方ってなかったのかな?
「えーなになに、アル何話してたの?」
「……男の秘密、だ」
結局使ってしまった。
追及されるのもアレだし、早めに帰ろ。
「それでは僕はこれで。屋敷で家族が待っておりますので」
そう言って俺は長い長い一日を終えようやく帰宅した。
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