俺はモブなので。

バニラアイス

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逃げるが勝ち

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「げ、出たわね。」

「仮にもこの国の第二皇子に向かって、なんだその不愉快なものを見たような顔は。

捕まりたいのか?」

「脅したって無駄ですわよ?

何を言われても、殿下への態度を改めるつもりはありませんから。」

「貴様....」

顔を合わせた途端、第二皇子とシャーロットの睨み合いが始まった。

(やばい....これ以上ヒートアップする前に止めないと.....)


「ふ、二人共落ち着いて....?」

「クレノ。殿下とデートってどういう事ですの?」

「え?えっと....」

「言葉の通りだが?」

「殿下には聞いていませんわ!私達よりこの男を取るの?!」

そう言って第二皇子を指差すシャーロットに、本当に不敬罪で捕まるんじゃないかとハラハラする。


「当たり前だ。友人より恋人を選ぶ事の何が悪い。」

「悪いですわ!

クレノ!殿下とのデートなんてドタキャンして、私達と一緒にピクニックへ「行くぞクレノ。」

シャーロットが怒りながら俺に話している途中で、第二皇子は逃げるように俺の手を引っ張り走り出した。


「わっ...!殿下!!?」

「バーベル公爵令嬢と話していても時間の無駄だ。

早くデートに行こう。」

「あっ!ちょっと待ちなさい!!」

後ろからシャーロットの叫ぶ声が聞こえたが第二皇子はそれを無視して走り、正門に止まっていた馬車へと俺を乗せた。

窓から外を覗くと、怒った顔で走っているシャーロットとそれを後ろから追いかけているアメリア皇女の姿が見えたが、第二皇子は気にせず従者に馬車を出すよう指示した。


「待ちなさいよ!!!」

叫んでいるシャーロットの声も虚しく、馬車は学園から離れていく。

そしてシャーロットの叫び声が聞こえなくなるほど遠くなったところで、

「はぁ....やっと落ち着ける。

まったく、バーベル公爵令嬢は怖いもの知らずだな。私以外の皇族ならば、不敬罪で本当に捕まっているところだぞ。」

第二皇子は疲れたように、ため息を付きながらぼやいた。

「....シャーロットの事、本当は結構気に入ってますよね?」

「.......ただ、私にあのような口を聞く人間が珍しいだけだ。」


そう言ってそっぽを向く第二皇子に、俺は優しく微笑みかけたのだった。

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