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目撃と誓い~カグラside~
しおりを挟むいつもは僕の誘いを受け入れてくれたデリク・グレイに誘いを断られた直後だったという事もあって、元々溜まっていた苛立ちが爆発し、衝動的に押してしまったのもある。
でも今は、その衝動的な行為を抑えれば良かったと心から後悔した。
だって....
「カグラ・ミルズ。もう二度と私達に近付くな。」
愛しい第二皇子に、そう言われてしまったのだから。
「こんなの......こんなのありえない!」
今言われた言葉が現実なのだと受け入れられない僕は、その場に立ち尽くしたまま動く事ができない。
それくらい僕にとって、第二皇子に拒否された事がショックだった。
そして放心状態のまま数日が経った僕は、二週間の謹慎を学園側から言い渡された。
皇太子や手玉に取っていた奴らが僕を庇ってくれたおかげでなんとか退学はせずに済んだが、もうあのモブにも第二皇子にも近付く事が難しくなった。
「レイ様......」
今日も皇太子がいない間に、こっそりと遠くにいる第二皇子を見つめる。
(.....周りに誰もいなくなったら、今日こそレイ様に声を掛けよう。
レイ様に許しを乞いて、僕がレイ様の運命の人だと分からせてあげなきゃ。そしたら今度こそレイ様と.....)
そう考えながらレイ様を見つめていると、人気のない場所で第二皇子が立ち止まった。
(.....ここなら誰もいないし、声を掛けられる。)
そう思って、一歩を踏み出した時だった。
「お待たせしてしまって申し訳ありません!」
不快な声が聞こえた。
声の主は、やはりあのいけ好かないモブだ。
「いや、私も今来た所だ。」
それは、第二皇子からは今まで聞いた事もないほど優しい声だった。
二人は中睦まじそうにしている。
そして......
「......んっ」
第二皇子がモブにキスをした。
「っ....人が来るかもしれませんし.....外では.....」
「誰もいないから大丈夫だ。ほら、もっと口を開いて.....」
「ん、....ぁ....ん゙んっ....、は....待って....んっ....」
「可愛い....」
それを見た瞬間、僕の中で何かが壊れる音がした。
キスを続けながら抱き合っている二人に背を向け、僕はその場から立ち去る。
必ずクレノ・シアを排除して、僕のレイ様を取り戻そうと誓いながら。
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