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殺してやる~カグラside~
しおりを挟むそれからあのモブに近付く機会を伺っていたが、第二皇子や悪役令嬢達と離れずなかなか一人にならなかった。でも一人きりで第二皇子の控え室に向かっている姿を見た瞬間、絶好のチャンスだと思ったんだ。
最初から退学させるんじゃない。これから少しずつ嫌がらせを酷く残酷にしていって、精神的にも身体的にも壊してから退学させてやろうという気持ちでの行動として、モブが大切に持っていたハンカチを踏み潰した。
それが......
「クレノに近付く害虫め。この場で駆除してやろう。」
こんな結果を生む事になるなんて、思ってもみなかった。
第二皇子が剣を振りかざしながら僕を見る目は、本当に害虫を見るような蔑んだ目で.....
本当に僕を駆除しようとしているのが分かった。
「ひっ....や、やめっ......」
殺される。
そう思い目を瞑った瞬間......
「ダメ!!」
また、あの不愉快な声が聞こえた。
「......クレノ.....」
第二皇子を抱き締める、忌々しい男。
「ダメです、殿下......」
「コイツはクレノの害にしかならない。ここで排除した方がいい。」
「彼を殺してしまったら、たとえ殿下でも何かしらの処罰をされてしまいます。
最悪退学にでもなったら.....そんなの俺が嫌です。」
「クレノ.....」
ムカつく......ムカつくムカつくムカつくムカつく!!!
主人公の僕は推しに剣を向けられ冷たい視線を送られているのに、どうしてなんの取り柄もないようなただのモブ風情が僕の推しに愛おしそうな瞳で見つめられているのか。
そう思うと腹が立って.....
(コイツがいなければ僕は.........殺してやる!)
このモブを殺したいほどに憎んだ。
僕は護身用にと皇太子に持たされていたナイフを内ポケットから取り出す。
「死ね!クレノ・シア!!」
そしてクレノ・シアに向かって刃を向けた。
だが、襲いかかった次の瞬間......
ザクッ_____
「......へ?」
なぜか自分の顔に、鋭い痛みが走った。
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