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連行
しおりを挟む「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ~~!!」
カグラの叫びと共に、第二皇子の剣から血が滴り落ちる。
「いだ....いぃ....!いだいよぉ......!」
カグラは痛い痛いと泣き叫びながら顔を覆い地面にのたうち回っているが、そんなカグラを気にする様子もなく第二皇子は俺に視線を向ける。
「クレノ、大丈夫か?怪我はしていないか?」
「は....はい、殿下が守ってくださったので大丈夫です....」
まさかナイフで襲いってくるとは思っておらず、突然の事にまったく動けなかった。
第二皇子がこの場にいなかったら、俺は確実に刺されていただろう。
「うぐ....ぁ....、僕の....僕の顔がぁっ.....!」
「大丈夫ですか!?」
騒ぎを聞きつけた警備員が、血を流すカグラを見て駆け寄ってきた。
「第二皇子殿下、これは一体....」
「......はぁ、すまないがその者を医務室へ。」
流石にこのままにしてはおけないと思ったのか、第二皇子は警備員にカグラを医務室へ運ぶように命令する。
「そして治療が終わり次第、牢に入れておけ。」
「はい?!で、ですが、彼は皇太子殿下の恋人なのでは....」
「知ったことか。そのナイフで私を刺した男だぞ。
証拠はそこに転がっている。」
その言葉でカグラが落としたナイフを見ると、刃に血がついている。
そして第二皇子の腹部が赤く染っているの事に気が付いた。
「大丈夫ですか!?」
「掠っただけだから大丈夫だ。」
「でもっ......」
「こんなもの舐めとけば治る程度の傷だ。
それよりお前、早くその証拠品を持ってこの男を連れて行け。」
「わ、分かりました。おい、立て。行くぞ。」
「う.....ぐ......」
痛みに苦しんでいるカグラは警備員に無理矢理立たされ、連行されていった。
「殿下、殿下も医務室へ....」
「大丈夫だ。表彰式が終わったら、クレノが手当してくれ。」
「......分かりました。
終わったらすぐに俺の所に来てくださいね?救急箱を用意して待っていますから。」
「分かった。それよりカグラの事だが、もう兄上の恋人だろうが容赦はしないつもりだ。
二度とクレノの前に現れないよう、今回を機に徹底的に潰してやる。」
そう冷めた表情の第二皇子が宣言した通り数日後、カグラは学園を退学になった。
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