《くるみちゃんに貢ぎたい!同志求む!》~配信の理由?もちもちのくるみちゃんの可愛い瞬間を全て記録できるようにですがなにか?~

瑞多美音

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1  はじまり

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 20☓☓年ーー
 世界中のほとんどの人々が同時刻に『キーンッ』という高い音の直後、空気が揺れる感覚を覚えた。
 その音は耳鳴りよりもずっと鋭く思わず耳をふさいでしまうほどで、空気が揺れたときには体の奥底からぞわっとしたものを感じたと後に多くのものが語った。
 しかし、まるで時が止まっていたかのように高い音が原因でおきた事故は皆無だったという。

 人々は驚き混乱したが特に体調に変化はなく……「さっきのアレ、なんだったんだろうね」「宇宙人襲来かと思ったぜ」「あれは某国の新兵器だろ?」という笑い話で済むはずだった。
 ところが、それとほぼ同時に世界の各地に突如ポッカリと口をあけた洞窟が出現、発見され……笑い話があながち間違いではないとさらに混乱を深めたことは言うまでもない――
 それは後にダンジョンと呼ばれるようになった。

 ちなみに世界中のほとんどと記したのは3歳未満の子供は何の反応も示さなかったからだ……どうやら音も聞こえずぞわっともしなかったそう。原因は未だ不明である。

 
 そして……洞窟内部には魔物が存在し、不思議な力が使えるということも発覚し科学では到底説明しきれないことで溢れていた……洞窟なのに中が明るい。洞窟を進むと草原だったなんて可愛いものだ。
 謎の遺跡や空に浮かぶ島が目撃されるなどまるでゲームや小説の世界のような風景が広がっているのも珍しくない。

 日本では人々にもわかりやすいようにゲームや小説に多く登場するダンジョンやスキルとそのままに名付けられたのは有名な話だが、正式名称を付けても浸透しないならいっそ……という裏話が後に公開された。

 日本人には馴染みやすくイメージも浸透していたためその名はすぐに受け入れられたが、その当時国によって呼び方は多様だった。

 当初こそ人々はダンジョンの出現に混乱や恐怖を感じ、様々な議論が起きた。
 日本は慎重な姿勢を示し、周囲を封鎖し警察や自衛隊による調査を進めるなか、某国では軍を率いてダンジョンに潜り大きな被害を出しつつも銃火器が役に立たないと判明したり、ある政府が入り口を完全に封じ立ち入りを禁じたら魔物が溢れ出して大混乱をまねいたものだが、この仕組みが理解されるにつれて、その忌避感は薄れていき……とうとう一般人に解放されるまでに至ったのだ。

 それまでもダンジョンへ不法侵入しそのまま行方不明になるもの、成果を持ち帰り有名になるものなどダンジョン関連の話題には事欠かなかった……
 たくさんの怪我人や死者を出しているにも関わらず、対岸の火事とばかりに自分はそうならないと信じる民間からの一般開放を望む突き上げは激しかった。

 その後、警察や自衛隊だけではダンジョン探索と不法侵入を防いだり、デモの鎮圧などの両立が難しいと判断され、いくつかの危険なダンジョン以外の解放が早々に決まった。
 それに伴い法改正も進み、ダンジョン法や探索者適正試験が誕生していくこととなった。

 その間にもダンジョンについての情報が多岐にわたり、日夜発表されていった。
 例えば……ダンジョンにはじめて入った時にスキルを得られること。
 ダンジョンには貴重な資源が豊富ですぐに転用できるものもあるということなど。

 海外の資源に頼っていた部分も自国内で解決出来ると国内は沸いた。
 資源以外のアイテムは傷や病気を治すポーション、切れ味抜群の剣、鑑定機能をもつ魔道具など様々だ。 
 それらは魔物を倒すと煙となって消滅し、ドロップアイテムと呼ばれるものが残り手にすることもあれば宝箱といかにもファンタジーなものの中に入っていることもあるそうだ。希少なものはかなり低い発見率だったが……

 その際、重要事項として発表されたこともある。
 ダンジョン内の魔物を定期的に間引けばダンジョン外には出ないこと。入り口を完全に封じてしまうと魔物の氾濫が急激に早まること。
 放置すれば危険なため発生したダンジョンを隠匿した場合は刑罰があることなどだ。
 このあたりは命の危険に関することだ。周知が徹底された。

 ダンジョンが出現した場合、国が周囲の土地を含めかなりの高値で買い取ってくれるため反発は少ないらしい……もちろんゼロではない。


 そうしてダンジョンや探索者にランクを設定することで無茶な突入を防ぎ、貴重な資源をより効率よくダンジョンから持ち帰ってもらおうと舵を切ったのだ。
 日本では初心者向けダンジョンから上級者向けの危険なダンジョンまで100以上のダンジョンが発見されている。
 ひとつの県に最低でも3つ以上、多いところでは5つ以上誕生した。

 国もまたそうした探索者を積極的に支援している。
 初回に限り装備品の購入に補助金が支給されるのもその一環である。
 未だ使い道のわからないアイテムも引き取りではなく買い取りしてくれることからも国の本気度が見える。
 もちろん希少アイテムは高値で取引されるようになり、ダンジョンに潜り、モンスターを狩り、アイテムを収集する探索者を目指す者は徐々に数を増やしている。
 ちなみに危険と判断されたダンジョンは警察や自衛隊、高ランク探索者などの限られた許可を得たものが間引きにあたっている。


 そして、ダンジョン外でもスキルの使用が可能なことが一般に認知され、探索者賛成派と反対派が揉めたことは有名な話である。

 反対派からすれば、そこらじゅうに凶器を持った人がうろうろしているようなものだからだ。
 様々な議論がされたが……非常時以外はダンジョン外での武器の取り扱いについての法律が整備されたり、スキルを持った者が法律を犯した場合、通常の3倍から5倍厳しい罰が下るようになった。その際スキルを使用したかどうかで罰の重さは上下する。
 しかし……スキル自体をダンジョン外で使用不可にしなかったのはそれ以上に有用なものが多かったからだ。
 それに加え、すでに動き出した探索者制度を止めるのは難しかったということらしい。下手をしたら武器(スキル)をもった人々の暴動が起こりかねないという裏事情があったとかなかったとか……

 治安は悪化の一途を辿るかと思えば……そうでもなかったのだ。
 もちろんスキルを使って犯罪を犯す者は増えたが、それ以上にスキルを使って犯罪を犯した者を取り押さえぼこぼこにする事案が多かった。
 正当防衛ならばスキルを使用し反撃しても罪に問われないということも大きかったそうだ。
 一方的にやられていた者がスキルという護身術を得たことで以前よりも安全に暮らせるようになったり、暗黙のルールが出来上がり、力を持った人が助けることが増えていった。
 そして、スキルを使って犯罪を犯す連中を捕縛するチームも結成された。
 専門機関ではなく、警察や自衛隊に所属しているが……なかにはかなり強力なスキルのためスカウトされたひともいるらしい。
 日本では一般開放から数年も経つと不思議なことにダンジョンが発生する以前より街は殺伐としているがそこそこ安全という妙なバランスが成り立っていた……崩壊しかけている国や徹底的に管理されている国もあるようだが。

 もちろんはずれスキルと呼ばれるものを得る人もいたが……それは何をはずれとするかによるだろう。
 それにスキルは探索者するうちに使えるようになることもあれば、稀に『スキルオーブ』や『スキルの書』なる巻物がドロップしたり宝箱にはいっていることもある。
 はずれスキルと呼ばれても諦めずに探索者を続け、探索者としての当たりスキルを得て、成功者となった例も少なくない。



 つい数年前には探索者を育成するための学校まで設立された。
 入学できるのは15歳からで未成年は保護者の許可があれば在学中から探索者になることができ様々な授業やサポートを受けることが出来る。
 いちばんのメリットは通常は18歳にならなければもらえない『ダンジョン入場許可』がもらえることだ。もちろん学校を途中でやめた場合、18歳になっていなければ許可も取り消される仕組みである。

 ダンジョン素材を用いた武器や防具、新たな探索デバイスやドローンなど次々と開発され配信者も登場していき、探索者は憧れの存在になっていった。

 世界中にダンジョンが登場してからまだ歴史は浅いものの、人々はダンジョンがある世界にあっという間に順応していったのだ……

 人々がダンジョンに夢や希望、野望を持ち挑むダンジョン時代が到来したーー
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