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第1章
6.女神見習い、女神代行に励む(2)
しおりを挟む夕食までは好きに過ごしていいようなので、昨日から気になっていた感謝ポイントやその他もろもろを調べてみよう。おー。
『感謝ポイント 検索』
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【感謝ポイント】
人々の感謝がポイントとして貯まりそれを金貨や物に交換できます。
ポイントの加算はひとり1日につき1度まで、心から感謝された場合のみ1ポイントが加算されます。
感謝ポイント〈323ポイント〉累計〈323ポイント〉
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「へぇ……こんな便利機能付いてるんだ。きっとこれも女神様仕様なんだろうなぁ」
感謝ポイント……たしか昨日のステータスでは106ポイントだったよね。
今日1日で217ポイントも貯まったことになるけど、今日217人も加護や回復魔法かけてないと思うんだけどなぁ?
うーん……
「あっ、家族も含むのかな」
本人以外の家族や付き添いのお礼でも感謝ポイントが貯まるみたい……それなら計算が合いそう。
「まあ、いいや。ポイント交換か……なんかちょっとワクワクしてきた!」
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[ポイント交換一覧]
・銀貨1枚 100ポイント
・金貨1枚 1000ポイント
・女神の服 一式(ワンピース、髪飾り、サンダル、外套、下着) 100ポイント
・市民の服 一式(シャツ、ひざ丈スカート、靴、外套、下着) 30ポイント
・冒険者の服 一式(シャツ、ベスト、パンツ、ブーツ、外套、下着) 50ポイント
・下着セット 2日分 15ポイント
・ハイポーション 初級 5ポイント
・マナポーション 初級 5ポイント
・ハイポーション材料 初級 10セット(体力草、ファル草、ラミールの花、きれいな水) 30ポイント
・マナポーション材料 初級 10セット(魔力草、レグラの花、デュラムの木の実、きれいな水) 30ポイント
・調合セット(鍋/大小、匙、器/大小、瓶20、小袋20、ナイフ、レシピ) 50ポイント
・簡易トイレ 700ポイント
・簡易シャワー 1000ポイント
・携行食 3日分 30ポイント
・カバン (大)30ポイント (中)20ポイント (小)10ポイント
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「か、かか、簡易トイレがあるっ! これほしい、これほしいっ、これほしいっっ!」
はっ、思わず大声で叫んでしまった。近くに人がいなくてよかった。
ここまで興奮してしまったのはなぜか?
それは現在進行形でトイレ事情に問題を抱えているためである。
あれは異世界初日のことだったーー
部屋に案内された直後、大まかな位置を知っていたトイレをこっそり目指した。
だれかに聞いても良かったんだけど、なんとなく神様ってトイレ行かないイメージだったもので。
そこで……え、女神様ってトイレ行くの? っていう反応も怖かった。
トイレに近づくにつれ嫌な予感はしたものの、生理現象なので我慢に限度がある。意を決して扉を開けた。
そこには穴があった……
実際には簡易的に囲われたトイレ内部は地面に深い穴が掘られ、その上に板が渡されており、その下に大きな桶が置いてあるという仕様だった。
れっきとしたトイレ……とはいえ、つい昨日まで現代社会で生活していた身にはつらい。
やはり臭いし慣れなくてすべって落ちそうになるし……なるべくトイレに行きたくないので我慢に我慢を重ねて出来うる限り回数を減らしているのが現状。
このトイレに慣れるのが先か、膀胱に異常をきたすのが先か……
あ、でももし膀胱に異常をきたしても自分自身に回復魔法かければ問題ないのかな、ははっ……はぁ。
司祭さんのマシンガントーク、内容濃すぎて半分以上聞き逃してるけど……
トイレは教会を案内された時に、女神様が降臨しなかった数百年のうちにこうなりました。みたいな感じで軽く説明されただけな気がする。
説明されただけで実際に案内されなかったのもありトイレへはこっそり行ってるというわけ。
な・の・で、早急に感謝ポイントを交換して簡易トイレを手に入れたいっ!
日本のトイレに比べたらイマイチだとしても今のトイレ事情を考えたら全然おっけー!
しかしっ、交換に感謝ポイントが700ポイント必要ということはかなりの人の感謝が必要になる……今のままでは交換できないじゃないか……ぐすん。
ちなみにお風呂は水の魔法が使える者は魔法をそれ以外は井戸から桶に水を汲み入れ、この世界ではポピュラーな洗浄効果のある豆〈シュービッツ〉を使い南の地域の特産品であるちょっとかためのスポンジのようなもので擦り汚れを落とす。
このシュービッツとスポンジを使うと泡が立ち汚れが割と簡単に落とせるんだよ。
これのおかげで清潔さを保てるのはすごくありがたいけれど……このシュービッツ若干クサいのよ……青臭さがちょっと。それに洗ったあと髪の毛がキシキシするんだよね。
でもっ、トイレに比べたら天と地ほどの差がある。文句は言えない。
お湯にするのは大変なので冷たくても我慢我慢。今が真冬じゃなくてよかった。
さらに特産品のスポンジは海の魔物から作られているみたい。
このシュービッツは泡をそのまま流しても問題なく農家では使った水を肥料代わりにしているとか。これも全部司祭さんのマシンガントークに詰め込まれていたんだけど、それなら昨日のうちに教えてほしかったよ。昨日は試行錯誤して結構苦労したんだから……
閑話休題。
感謝ポイントで他にも気になるものや交換したいものものがあるけど、第1目標は簡易トイレに決定しました!
そのためには女神のお仕事頑張らなくちゃ。どうせ司祭さんに押し切られるだろうし……動機が不純ですが何か?
「さて、あと気になってたのは……特殊スキルか」
特殊スキルの女神シリーズ。これ、詳しく知りたい。
何となく使ってたけど、いまいちわからないのもあるし、しっかり確認しておこう。
『特殊スキル 検索』
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【女神の祝福】
女神の祝福、加護を授けることができる。
人以外にも装備、ポーションなどにも効果を発揮する。
人の場合、加護を授かると1度のみ、通常大怪我のところがかすり傷程度で済む。大きな怪我や病気などをしなければ1年ほど加護のもとにありその後、徐々に効果が薄れていく。
装備やポーションなどは期間は様々だが最低1年は効果が持続する。女神の思い入れによって左右される。
【女神の浄化】
瘴気にさらされた人や物を浄化し正常に戻すことができる。
魔素だまりなどにも効果を発揮する。ただし、魔獣化した動物などに効果はない。
呪われた人や物、一部の状態異常にも有効だがレベルにより左右される。
【女神の調合】
ポーションなど調合を使用した場合、通常より良質で効果が高くなり、出来上がるポーションが多くなる。
ただしレベルにより効果や量は変化する。
女神の特殊ポーションを作成できる。
浄化や加護を併用するとさらに良質なポーションを作成できる。
【女神の心眼】
発動すると対象の情報を読み取ることができる。
アイテムの場合、名前と効果、用法などがわかる。
生き物の場合、名前やレベル、スキルなどがわかる。
人の場合、職業、賞罰などある程度の肩書きもわかる。
ただし使用レベルによりその情報量に変化が見られる。
【女神の聖域】
結界を張ったり聖域に指定した範囲に魔物や害意を持った者は入れない。
レベル2よりストレージを使用可能。念じることで出し入れ可能。中に入れたものに時間経過はない。
レベルアップボーナスあり。
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レベルアップボーナスありとなっていたので調べようとしたら、その情報はレベルが不足しています。だって。
「こっちのレベルアップってどうするのかな……」
ふーん、特殊スキル全体のレベルが上がるとロックがはずされるんだ。
「ひと通り確認もできたし、ごはん食べたらさっさと寝ちゃおう」
……起きてたら司祭さんがマシンガントークしに来そうだしね。
いつのまにか時間があるときは魔法の練習をするのが日課になった。
最初は加護や回復魔法が少しでもレベルアップして教会で役立てばいいなと考えていたけど、加護や回復魔法には対象物が必要なので、自分に使用するにも限界がありなかなか思うように練習できず……次第にほかの魔法の練習にシフトチェンジした。
例えば、部屋にいるときはランプを使わずに光魔法を使用したり、水も自分で出してみたり……レベル2から使えるというストレージ目指して女神の聖域も使ってる。
少しでも使いこなせるようになればいいな。
◇ ◇ ◇
数日が過ぎ、ようやく人の勢いが収まり女神としてふるまうことに慣れてきた。
ハイ、次の方ー。
「ありがとうございます」
ハイ、次の方ー。
「ありがとうございました!」
求められるまま回復魔法と加護、時々浄化を使用していく。
降臨当初は加護を求めるものが多かったけどそれもだいぶ落ち着き、今では回復魔法を使うことの方が多い。
回復魔法は教会でも使い手が少なく、ポーションがあるとはいえ、回復魔法の順番を待つ人もかなり多くいた。
それに加え5や0のつく日は警備隊の休日らしく人数が増えた。
警備隊の人は訓練などでどこしら怪我をしている人が多く、加護と回復魔法の両方かけていく。
でもこれでもまだ街の半数ぐらいしか加護をもらいにきていないらしい……日々の生活に追われて中々教会まで来れない人も多いみたい。
お年寄りなどは毎日のように教会を訪れ、世間話をしつつ、回復魔法をかけてもらう姿をちらほら見かけた。
回復魔法は傷や病気にのみ効くと思っていたが関節痛などにも効果があるらしい……へー。
日々、女神として過ごすうちにある思いを抱えるようになった。それは……
「女神様、ありがとうございます」
お礼を言われる度に私が本物の女神様だったなら、回復魔法のレベルがもっと上だったら……痛みの緩和ではなく痛みの原因を取り除いてあげられるかもしれないのに……そう思ってしまう。
その思いは日に日に強くなっていく。
そう……でもそれは女神として接するうちに勘違いしてしまっていただけだった。
だって自分は女神ではなく見習いなのだから…… 自分はいつの間にか驕ってしまっていたということに気づくのはそう遠くない日だとも知らずに……
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