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第2章
20.女神見習い、コツコツ採取に励む(2)
顔なじみになってきた門番の強面お兄さんに挨拶して、草原へーー
ちなみに強面お兄さんや他の門番さんはいつも同じ門にいるわけでなくローテーションしているらしい。
いつも同じ仕事だと緊張感がなくなるし、色々な情報が偏らず共有できるように門番や巡回などいろいろな場所で見かけることが出来る。
ただ、強面お兄さんはインパクトあるし顔が覚えやすいから余計に目立ってるけど。
いくら草原だとはいえ魔物に注意しつつ、コツコツ採取をしてひと通り依頼の採取が終わったらファルシュ草を探す。
「おっ、あの草そうじゃないかな? いやー、ついに私も心眼使わずに見つけられたかっ」
でも一応心眼で確認しておこう。意気揚々と心眼を使うと……
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〈ファル草〉
ポーションの材料になる草 打撲や骨折など回復の効果が期待できる。
繁殖力が強く、ファルシュ草と間違われやすい。
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「ん? ファル草……違ったのかぁ」
なんか心眼レベルが上がったからか説明が増えてる。
まあ、ポーションの材料になるならいくつか採取しておこう。
さらに場所を変え、ファルシュ草を探す……この薬草、全く生えてないわけじゃないんだけどなぁ。コツコツ探せばあるのに、なんでみんな見つけらないんだろ?
「あ、今度こそはっけーん!」
きちんと心眼で確認。よしよし。
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〈ファルシュ草〉
ポーションの材料になる草 魔力全回復の効果が期待できる。
繁殖力が弱く、ファル草と間違われやすい。
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今回見つけたファルシュ草は今まで見つけたどれよりも元気そうだ。
ギルドからも、もし今度見つけた時に根ごと持ち帰れそうならお願いしますと言われていたので、数株あるうちのいちばん元気そうなものを選ぶ。
根を傷つけないよう慎重に掘り返して、布を魔法の《水》で濡らし、根をそっと包みストレージへ。
まあ、これが正しい方法かわからないけど今できる最善を尽くしたよ、うん。
ストレージも布で包んだことを入れ物と判断してくれたのでせっかくの工夫が無駄にならなくてよかった。
時間経過しないから多分大丈夫だけど、今日は早めに切り上げてギルドへ持って行こうーー
早速、ギルドでファルシュ草を買い取りカウンターに持っていく。
「あ、カーラさん。午後はこちらだったんですね。買い取りお願いします……あの、前にお願いされていた草を1株持ってきました」
一応、根っこごとは目立つだろうからわざとファルシュ草の名前を伏せて伝える。
カーラさんなら多分わかってくれると思うけど……
「えっ、本当ですかっ!? 少々、お待ちくださいっ」
カーラさんはパタパタと奥の倉庫に小走りで入っていき、買い取り部門主任のマルガスさんと戻ってきた。
「エナさんっ、奥へどうぞ」
「……はい」
奥の部屋とか初めて入るんですけど……ドキドキ。
廊下にはいくつか扉が並んでおり突き当たりには2階へ続く階段があるみたい。
そのうちのひとつの部屋に案内され勧められた椅子に座ると正面にはマルガスさんとカーラさんが並んで座った。
マルガスさんはくすんだ金髪に青い瞳をしたダンディなおじさんだ。
深く刻まれた眉間のしわさえなければ、かなり印象が変わってモテると思う。本人は愛妻家らしいので煩わしいのが寄ってこなくてちょうどいいらしいけど……
元々は冒険者をしていて、受付のスキンヘッドが特徴のリグルドさんとパーティを組んでいたらしい。やはり上位ランカーで冒険者を引退してからギルドに入ったんだとか。
「エナさん、こちらへ来ていただいたのはあそこで根ごと出されてしまうと騒ぎになると判断したからです」
「そうですか……でも、今までは特に問題ありませんでしたよね?」
「それはだな……今まではパッと見ただけならファル草に見えるから問題なかったんだが、根は似ても似つかないから知識のある奴なら簡単に分かってしまう。ましてやFランク冒険者が持ってるとなると目をつけられかねない。余計な注目を集めない方がいいかと思ってな」
「はい、そうですね。目をつけられるのは避けたいです」
カバンから出しているように見せながらストレージから布に包んだファルシュ草を取り出す。
「あの、これが今日採取してきたファルシュ草の根っこごと1株です」
「うむ、失礼する。少し時間がかかるので茶でも飲んで待っててくれ」
マルガスさんはそっと布の包みを取り鑑定している。鑑定スキルを持っているためこういう時はマルガスさんが調べるらしい……
ちなみに、通常自分のステータスを知るにはギルドや教会に設置してある魔道具で名前、種族、加護は無料で知ることが出来る。
その他の細かいスキルなどを知るためには高価な魔道具を買うか、鑑定スキルを持つ通称:鑑定屋にお金を払い鑑定してもらうという。
でも、魔道具でも全てを表示するものじゃなくて……例えば、体力だけとか魔力だけを測ることのできる魔道具が比較的安価であるという。
鑑定屋で分かる範囲は鑑定屋のスキルレベルにより左右され、詳細にわかるほど料金も高くなる。ギルドにはかなり高価な鑑定できる魔道具がありマルガスさんがいない時などはそれを利用するらしい……
一瞬、自分を勝手に鑑定されたらどうしようって不安になったけど、ほとんどの鑑定屋は他人の許可なしに鑑定できないと聞いてホッとした……だって私のステータス、女神見習いってなってるんだもん。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
カーラさんがお茶を出してくれたのでのんびり待つことにしよう。うまー。
「あ、そうだ。カーラさんに以前言われた、ファルシュ草を採取した場所のことですけど……」
「詳しい採取場所を教えていただけるんですかっ?」
「む、それは私も知りたいぞ」
あら、マルガスさんの邪魔しちゃったかな?
「あー、といっても大したことはわかってなくてですね……今のところ群生地というものはなくて生えていても同じ場所には数株程度ですね」
「ふむ、そうか」
「場所についてはバラバラで今のところ採取した後、同じ場所には生えていないのであまり役に立てないかと……」
一応、数株あったら取り尽くさないように半分程度残してるけど……
あー、マルガスさん考え込んでしまった。きっとすでにわかっていることばかりなんだろうな。
「ふむ、そうか……情報料としては銀貨2枚でどうだろうか」
「ええっ、そんなにもらっていいんですか?」
「エナさんの情報は今までわかっていなかったことばかりです」
「がめつい奴ならもっと要求してくるぞ」
「そうですよ! もっとふっかけてもいいんですからねっ」
「いえ……それで十分です」
なんか大したことしてないのに、ふっかけるのも……ねぇ。十分得できるし、いいや。
それにあんまりふっかけてギルドで気まずくなりたくないし、マルガスさん怒ったら怖そうだし……
決して後半が本音とは言わないーー
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