異世界トリップしたら女神(見習い)でしたが一般人として自由に生きていこうと思います

瑞多美音

文字の大きさ
101 / 120
第7章

101.冒険者の弟、少女と出会う 〜side ジャック〜

 「おはよう」
 「「「おはよう、ジャック」」」
 「今日さー、冒険者ギルド行ってくるから」
 「「「えっ」」」

 何だよみんなして驚いちゃって……

 「もう元気だし、そろそろ復帰しようかと思って」
 「いや、元気なら俺の屋台手伝ってくれてもいいんだぞ?」
 「そうだね、わたしもまだ少し心配だよ」
 「とーさん、かーさん……」
 「別に今日からすぐ復帰しようとは思ってないよ?教会とギルドに挨拶だけでもしとこうかなって……結構迷惑かけたんでしょ」
 「「「たしかに……」」」

 みんな考え込んじゃったよ……そういえば元気になったとはいえ1人ではまだ出歩いてないな……

 「じゃあ、俺が一緒に行くよ」
 「えー……」
 「それはいいな」
 「そうね」
 「はぁ……わかったよ」

 朝ごはんを食べて出かける準備……

 「行くか」
 「うん。じゃ、行ってきまーす」
 「「行ってらっしゃい」」

 まずは教会に行って司祭様たちにお礼を言い、女神様の像の前で祈っておこう。女神様にもたくさん助けていただいたってとーさんやかーさんも言ってたし……
 メルディーナ様、この前はありがとうございました。すっかり元気になりました。降臨された時にまたお礼を言いにきます。
 なぜか、気にしなくていーわよーって聞こえた気がして周囲を見回したけど……誰もいない。兄ちゃんは司祭様と話し込んでいるし気のせいかな。

 「お、終わったか?」
 「うん」
 「では、失礼します」
 「お気をつけて……」


 冒険者ギルドに行くといろいろな知り合いが声をかけてくれる。見習いだけど、仲間扱いをしてくれて優しい人たちだ。どうやら心配かけてしまったみたい。ギルドの職員さんたちにもお礼を言っておく。みんな笑顔で元気になったことを喜んでくれて嬉しかった。
 中には鑑定屋さんが復帰祝いだといってステータスを見てくれた。うん、ありがたい。しばらく囲まれていたら、カーラ姉さんが奥から出てきた。誰か探しているみたいでキョロキョロしてる。うん、おじさん達そんなデレっとした顔して……ルカ兄ちゃんが怒るぞ?

 「あっ、ちょうどよかった!エナが来てるから会ってくかと思って待ってもらってるんだけど……どうする?」
 「おー、そうだな。元気になったところ見せてやれよ」
 「うん」
 「あ、一緒にリディと従魔もいるから……気をつけてね」  
 「りょーかい」

 どうやらカーラ姉さんは俺たちを探してたみたい。
 今度エナさんと一緒にいたあの子に話しかけてみよう。
 そう思っていたけど、こんなに早く機会が来るとは思ってなかった……あー、ちょっと緊張してきたっ。
 エナさん……命の恩人だもんな。ちゃんとお礼言わないと。

 カーラ姉さんについて部屋に入るとそこには遠目からしか見たことのない女の子がいた。従魔ってのはその白い鳥のことかな?

 「エナ、リディおまたせー。受付に行ったらみんなに捕まってたんだよ」
 「みんな心配してくれてたからな。仕方ないさ」

 そうだ、まずはちゃんとお礼。

 「エナさん、この間はありがとうございました」
 「いーえ、元気になったみたいで安心したよ」

 エナさんは相変わらず綺麗な人だ……街を歩くだけで噂になってるんだけど、本人は知ってるのかな?最近は公認さんて密かに呼ばれてるらしい。

 そして、エナさんのそばにはフードをかぶった女の子がいる。 
 話しかけるのにかなり勇気が必要だけど、あの経験で死んでしまったら元も子もないって気づいたんだ。だから……

 「あの、俺ジャックって言うんだ。よろしくな」 

 話しかけられたことにびっくりしたみたいでエナさんの後ろに隠れてしまったけどエナさんに促されて

 「……私はリディア、こっちはブラン……よろしく?」
 「おぉ、リディに初めての同世代の人間のお友達がっ」

 ……エナさん喋ったら中身のギャップがすごいんだね。びっくりした。それにさ、ブラン?って紹介された鳥めっちゃ睨んできて怖いんだけど。
 でも少しずつ仲良くなれたらいいな……

 「リディアは今日は何してたんだ?」
 「ん……見習い解除?」
 「えっ、リディア13歳なの!?……俺と同じくらいかと思ってた……すごいなー!俺も早く見習い卒業したいな」
 「ん、ジャックいくつ?」
 「俺?まだ11歳なんだー……あと2年もあるんだぜ……それに今はみんなが心配してひとりで出歩かせてくれないしなぁ」
 「ん、エナに聞いた……もう元気?」
 「うん。エナさんと兄ちゃんたちのおかげで元気になったんだ」

 俺がたくさん話しても嫌な顔せず聞いてくれて嬉しくなってついつい話しすぎた。

 「そういえばさっき、鑑定屋さんが復帰祝いだといってステータスみてくれてさ……確実じゃないらしいんだけど、多分状態異常耐性がついてるんだって!冒険者としてはいいことだよな?」

 毒とか麻痺とか……この間みたいなことの耐性だもんな?確実じゃないってのは鑑定屋さんのレベルが高くないかららしい。今日はいないマルガスさんなら確実にわかるみたい……マルガスさんに頼めるほどお金はないんだけどね。
 嬉しくて早速自慢しちまった……そう伝えたらリディアがほんの少しびっくりした後、雰囲気が柔らかくなった気がする。
 でも、同時に従魔のブランの殺気が増した気もする……大丈夫だよな?俺、従魔に殺されたりしないよな?

 「ん、すごいね」
 「ありがとう……」

 リディアと話しているとあっという間に時間が過ぎていた。3人に生暖かい目で見られていたのに気付き、居心地が悪くなった。

 「じゃあ、またな!」
 「ん、またね」

 帰り道何度も後ろを振り返ったのは仕方ないと思う……兄ちゃんがあの従魔暗殺者アサシンなんだぜとか言うから……
 俺だって暗殺者アサシンが何かは知ってる。見習いにとって貴重な収入源がキラーバードの羽だからな!でも、しばらく背後には気をつけることにする。
感想 3

あなたにおすすめの小説

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について

水定ゆう
ファンタジー
【火曜、木曜、土曜、に投稿中!】 千年前に起こった大戦を鎮めたのは、最強と恐れられ畏怖された「魔女」を冠する魔法使いだった。 月日は流れ千年後。「永久の魔女」の二つ名を持つ最強の魔法使いトキワ・ルカはふとしたことで眠ってしまいようやく目が覚める。 気がつくとそこは魔力の濃度が下がり魔法がおとぎ話と呼ばれるまでに落ちた世界だった。 代わりに魔術が存在している中、ルカは魔術師になるためアルカード魔術学校に転入する。 けれど最強の魔女は、有り余る力を隠しながらも周囲に存在をアピールしてしまい…… 最強の魔法使い「魔女」の名を冠するトキワ・ルカは、現代の魔術師たちを軽く凌駕し、さまざまな問題に現代の魔術師たちと巻き込まれていくのだった。 ※こちらの作品は小説家になろうやカクヨムでも投稿しています。

スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜

シャチ
ファンタジー
タリム復興期を読んでいただくと、なんでミリアのお母さんがぶっ飛んでいるのかがわかります。 アルミナ王国とディクトシス帝国の間では、たびたび戦争が起こる。 前回の戦争ではオリーブオイルの栽培地を欲した帝国がアルミナ王国へと戦争を仕掛けた。 一時はアルミナ王国の一部地域を掌握した帝国であったが、王国側のなりふり構わぬ反撃により戦線は膠着し、一部国境線未確定地域を残して停戦した。 そして20年あまりの時が過ぎた今、皇帝マーダ・マトモアの崩御による帝国の皇位継承権争いから、手柄を欲した時の第二皇子イビリ・ターオス・ディクトシスは軍勢を率いてアルミナ王国への宣戦布告を行った。 砂糖戦争と後に呼ばれるこの戦争において、両国に恐怖を植え付けた一人の令嬢がいる。 彼女の名はミリア・タリム 子爵令嬢である彼女に戦後ついた異名は「狙撃令嬢」 542人の帝国将兵を死傷させた狙撃の天才 そして戦中は、帝国からは死神と恐れられた存在。 このお話は、ミリア・タリムとそのお付きのメイド、ルーナの戦いの記録である。 他サイトに掲載したものと同じ内容となります。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

スラム街の幼女、魔導書を拾う。

海夏世もみじ
ファンタジー
 スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。  それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。  これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。