異世界トリップしたら女神(見習い)でしたが一般人として自由に生きていこうと思います

瑞多美音

文字の大きさ
105 / 120
第8章

105.女神見習い、冒険者ギルドから呼び出される(2)


 サブマスからポーションの代金を受け取りギルドを後にした。

 「あー、なんか疲れたー……」

 それにしても公認さんって呼ばれてるのも知らなかったし……目立ちたくないってのも、すでに手遅れらしいし。ドネルさんも公認さんって呼ばれてるのかなー?

 「ま、考えても仕方ないか……」

 女神見習いに関することだけバレなければいっか……あ、あとは瞬間移動もだね。

 さて、ドーラに鱗を持っていくかー……あれ、結構硬いし防具にしたらいいんじゃないかと思うんだよね……ま、私には防具があるんですけどねー。

 [防具や革製品、日用使いから一張羅までなんでも承ります! 従魔の装身具などもお気軽にどうぞ! ドーラの防具屋]

 「いらっしゃいませー。ってエナさんじゃないっすか?」
 「どーも……魔物の鱗いる?」
 「鱗……欲しいっす!でもお高いんでしょう?」
 「今回限りお安くしときますよー」

 ストレージから釣りで倒した?直径5センチほどの鱗を取り出すと……

 「こ、これって……めちゃくちゃ貴重な素材じゃないっすか!?」
 「え、そうなの?」

 ユリスさんも特に何も言ってなかったけど……

 「そうっすよ!この辺りじゃ滅多にないっす!エナさんどこで見つけたんすかっ」
 「えっと……秘密?」

 だって家のそばの湖でバンバン釣れちゃうなんて言えないでしょー……しかも食用目的だし。あれ、この鱗も貴重ならオークションに出せばよかったかな?いやいや、サブマスに言わなくてよかったー。出品させられるところだったわ……

 「ぜひ買いたいっす!っていうか目の前に出されたのに売らないとかなしっすよ!どれくらいの量がありますかっ?」
 「まー、どうせ使わないからいいけど……んーさっきの大きさが20枚?」

 ちょっと少なめに言ってみる……あんまり持ってるってわかったら大変そうだし。

 「ちょっとお金をかき集めてくるっす!待っててくださいね!絶対他の人に渡しちゃダメっすよ!」

 え、もうユリスさんにあげちゃったよ……ま、ユリスさんは例外でいいよね?美味しい食事代だもん。 

 「お待たせしましたっ!今手持ちはこれしかないっす……これじゃ半分にもならないんですけど……」

 ドーラが差し出したのは銀貨2枚だった。ドーラはそばでこの前素材を大量に買い込んでしまって売れるまでこれしかないっす!と素材を見せながら訴えている。

 ……え、これで半分ってことは本来は鱗1枚が小銀貨2枚もするってことなの?高すぎじゃない?湖で釣り放題だよ?

 「これってそんなに価値あるんだ。そーだなー……あっ、前に買った防具をこれで強化できたりする?」
 「それは可能っす!胸辺りにつけると結構いいと思うっす!」
 「じゃあ、リディの分と2人分つけてくれたら……あ、鱗が足りないかー」
 「多分、2人で10枚あれば十分足りるはずっす」
 「そっか……じゃあドーラには銀貨1枚で鱗10枚売ってあげるね。残りはとりあえず私の防具預けるから、できるだけ地味に強化して欲しい」

 リディがいらないって言えばその分もドーラにあげよう。

 「うわー!まじっすか!めちゃくちゃ気合い入れて作るっす……でも、この鱗自体派手なんで極力努力はしますが、ちょっと難しいかもしれないっす」
 「うん、わかってた……こんな派手な鱗地味にできるのかなーって思ってた。できる限りシンプルでお願い!変な模様とかいらないから!」
 「了解っす!」

 念を押しつつ鱗と防具を渡し、ドーラから銀貨1枚を受け取る。

 「じゃ、そのうち取りに来るから!」
 「いえ!お家までお届けしますから!」

 いや、ドーラ……完全キュリエル目当てだろ……

 「多分、来ても家には入れてもらえないよ?」
 「えっ……」
 「この前入れたのはキュリエルのリュックを作るためだからね?そうじゃなきゃキュリエルが追い出してるはず……」
 「まじっすか……」

 なんかものすごいへこんでるだけど……

 「じ、じゃあよろしくね?」
 「……はい、頑張ります」

 今度、キュリエルに聞いてあげよう……見返りを要求されそうで嫌なんだけど……その時はドーラを巻き込めばいいや。

 「ただいまー……あれ、リディ来てたんだね」
 「ん、ご飯作った」
 「今日はこっちで食べていきますか?」
 「そうですねー」

 少し早いけど夕飯にすることに……あれ、私お昼食べ忘れてるじゃん……はぁ。どおりでお腹が空いてるわけだ。

 「「「「いただきますっ」」」」

 美味しー……今日の疲れが吹き飛ぶようだ。今日もこっちのお風呂に入って帰ろう。みんなで食べるとあっという間にお皿が空になってしまった……

 「あー、美味しかった。ごちそうさまでした!」
 「ん」
 
 食後のお茶くらいは私が準備しましょう……ふっふっふっ、なぜかお茶は美味しくいれられるからね!もちろん全員分用意しましたとも……忘れると後々まで影響が出るからね。

 「あ、そうだ……さっきドーラのところに鱗持って行ったんだけどあれ、結構貴重なんだって!」
 「……へぇ」
 「やっぱりそうですよね?エナさんだからそうかなーとは思ってたんですけど……」

 ユリスさんは鱗の価値に薄々気づいていたけど言っても無駄だと思ってたらしい。どうやら魔道具などにも使えるらしい。

 「ドーラが防具強化できるって言うから預けてきたんだけど……」
 「確かにあの硬さなら防具に向いてますね」
 「でしょー?……派手になりそうなのが難点ですけど」
 「あー……確かに」
 「あ、ランプシェードとかにしたら綺麗かも……派手だけど」 
 「ん」
 「エナさん……そんなの高級すぎて庶民には手が出ませんよ」
 「そうかなー……でも釣ればほぼ無料で手に入る上、美味しいんだよ?」
 「ん、美味しい……」
 「僕もあれ好きー」
 「ほら、ね?」
 「は、はぁ……」

 どうもユリスさんはそれを作れる技術があるらしい。鱗が大量に余っているので依頼してみた……あくまでもドーラに渡したのは一体からとれた分だから。うん、ちょっと調子に乗って釣りすぎたとも言う。簡単に作れるようなら店舗においてみるのもアリかも……材料費としてユリスさんにお金を預けておく。

 あとはタイルがわりにどっかに貼るくらいしか思いつかないけど、派手すぎて目がチカチカしそうだ。
 あ、紐でつないでのれんやガーランドにしたら綺麗かも……鱗に穴あけられるかな?ユリスさんに穴だけ開けてもらおう。紐は雑貨屋さんで手に入るし今度作ってみよーっと。ほら、派手好きな神様なら喜んでくれるかもしれないし……

 宝飾品にするには技術がいりそうだし、変な人に依頼すればすぐに噂が広がるからなぁ……とりあえず保留だな。

 「キュリエル、そういえばドーラがこの家に入りたがってたよ」
 「ふーん……考えとく」

 うん、美味しい料理で陥落できそうな予感……

 ちなみにリディは私の防具の仕上がりを見てから考えるとのこと……うん、派手になることが目に見えてるからだね。
感想 3

あなたにおすすめの小説

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について

水定ゆう
ファンタジー
【火曜、木曜、土曜、に投稿中!】 千年前に起こった大戦を鎮めたのは、最強と恐れられ畏怖された「魔女」を冠する魔法使いだった。 月日は流れ千年後。「永久の魔女」の二つ名を持つ最強の魔法使いトキワ・ルカはふとしたことで眠ってしまいようやく目が覚める。 気がつくとそこは魔力の濃度が下がり魔法がおとぎ話と呼ばれるまでに落ちた世界だった。 代わりに魔術が存在している中、ルカは魔術師になるためアルカード魔術学校に転入する。 けれど最強の魔女は、有り余る力を隠しながらも周囲に存在をアピールしてしまい…… 最強の魔法使い「魔女」の名を冠するトキワ・ルカは、現代の魔術師たちを軽く凌駕し、さまざまな問題に現代の魔術師たちと巻き込まれていくのだった。 ※こちらの作品は小説家になろうやカクヨムでも投稿しています。

スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜

シャチ
ファンタジー
タリム復興期を読んでいただくと、なんでミリアのお母さんがぶっ飛んでいるのかがわかります。 アルミナ王国とディクトシス帝国の間では、たびたび戦争が起こる。 前回の戦争ではオリーブオイルの栽培地を欲した帝国がアルミナ王国へと戦争を仕掛けた。 一時はアルミナ王国の一部地域を掌握した帝国であったが、王国側のなりふり構わぬ反撃により戦線は膠着し、一部国境線未確定地域を残して停戦した。 そして20年あまりの時が過ぎた今、皇帝マーダ・マトモアの崩御による帝国の皇位継承権争いから、手柄を欲した時の第二皇子イビリ・ターオス・ディクトシスは軍勢を率いてアルミナ王国への宣戦布告を行った。 砂糖戦争と後に呼ばれるこの戦争において、両国に恐怖を植え付けた一人の令嬢がいる。 彼女の名はミリア・タリム 子爵令嬢である彼女に戦後ついた異名は「狙撃令嬢」 542人の帝国将兵を死傷させた狙撃の天才 そして戦中は、帝国からは死神と恐れられた存在。 このお話は、ミリア・タリムとそのお付きのメイド、ルーナの戦いの記録である。 他サイトに掲載したものと同じ内容となります。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

スラム街の幼女、魔導書を拾う。

海夏世もみじ
ファンタジー
 スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。  それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。  これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。