生粋の猫使いとやる気のない猫狩り

猫狩りに気をつけろ

またまた迷信でしょ

「そんなことより重大なことがある」

今までの話は重大じゃなかったんかい！


「猫狩りの存在だ」

「猫狩り？親父狩りみたいな？」

「親父狩りとはなんだ」

ええええ、ほらほらほら一昔前の治安が悪い時期に大流行したあの！！

『はて？』みたいなキョトン顔するのやめて！全然可愛くないから。

「いいよ、気にしないで話を続けて」

「優秀な猫使いには恐るるに足らん存在ではあるが、極めて厄介である。

相手は臆病で、尚且つ臆病が故に獰猛どうもうなのだ」

ネコガリか、ヤドカリの仲間かな。

「おい、聞いているのか！命の話をしているのだ」

「はい」

「猫狩りだ、猫狩り。使い魔である猫を葬り去ろうとする連中がいるのだ」

「リリィが殺されちゃうの」

「可哀想だろう。あんな真っ白なふわふわちゃんなのに、そんな物騒なこと」

今の父さんの話し口調の方がある意味物騒だとは言えない。


「冥魔法は死者の力が主体となって存在している。黄泉の国からの使者を察知する霊的な能力を有している猫は」

え、家の壁のよく分からないないところをじっと眺めてるのって本当にそうだったの！？

「怖い怖い。いきなり無理」

「人の話を遮るのはやめなさい」

「はい」

「そう、猫は、今のお前のように、無意味に怖がる人たちの手で大量に抹殺されたのだ」

その方が怖いけど！！！

「その数だけ、同胞どうほうも失った」

「同胞も失ったって？」

「使い魔が傷を負えば、召喚した側も痛みを感じるのだ。言わば、呪文を唱えたあの瞬間から、心と体は共有されているのだ」

それは先に説明しておくことなんじゃないの。

「つまり・・・僕たちみたいなのが、大勢死んだってこと？」

深く頷いた。

「そこは声出していこう！？」