レンタル法要応援人 〜死後のお裁きも四十九日〜

朔々

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命懸けの自宅警備

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「あまり浮世うきよを離れた自覚は無かったんですけど、さすがに秦広王にお会いした時は違いました」

 こちら側の世界には、十人の主要な裁判官がいる。その中でも四十九日までに会うのが七人。さらに最初に対峙たいじすることになるのが秦広王である。

「三途の川のどこを渡るか気になって仕方なくなってきてたので、裁判官についてもツアーの案内の方に聞いてたんです。意外にも教えてくれて……。秦広王の名は肩書きであって、実際は八代目不動明王だって。名前は聞いたことがあるなって思いはするんですけど、具体的には強面こわもてのイメージしかなくて」

 当の私もお見かけしたことはない。しかも八代目とは初耳だ。古典芸能のように世襲制なのか?

「強面だけど過去の記録を書きとめる閻魔帳を作成する係だから、間近で色々質問されるって、怖くて失禁しちゃったおじいちゃんがいるから、あなたも楽しみにしてねって」

 楽しみ? さっきから話に出てくるその案内役も個性が強そうである。

「実際にお会いした感想を聞かせてもらえますか」

 ササヤマさんは良い返事が聞けるだろうと予測できているのか、最後まで言い終わらないうちに問いかけた。

「それがもう! 美形で驚きました。どんなお堅そうなおじさんが出てくるのかと思っていたら、見た目は……もしかして私より若いのかな? ある意味怖くて聞けませんでしたけど」

「そうでしょう。不動くんは僕の親友なんです。八代目になる前から知り合ってて仲良くしてもらってるので、彼の容姿が褒められる度に、僕自身が認められてるみたいな気分になるんです」

 何その話! とっても詳しく聞きたい!!
 冬月さんの口からも、今にも質問が飛びてできそうである。だが、忘れてはいけない。時間が無いのだ。

「いや、ハウスダンスとかテコンドーをしていてほしい脚の長さでしたね。顔も美しすぎて怖く見えるのかな。若者が少ない田舎に住むお年寄りだったら、確かにおっかないジャンルの人かなとは思いました」

 あれ? 止めないのを良いことにイケメン裁判官の魅力語りになってしまっている。
 真横にいる彼も深く頷きながら、至極満足げである。

「冬月さんの話ももっと聞きたいな……なんて」

 強引に会話を本筋に戻したつもりだけど、勝手なことをしたって推しに嫌われないか不安である。そんな不純なことを考えながら仕事をしてはいけないかもしれないけれど、今後のモチベーションに関わってくるのだ。
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