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世界が重なりあった事故。
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「事故ですね」
え?
「呪いではありません。どうやら事故が起きたようです」
「どういう事ですの?」
「あまたの次元、あまたの空間がこの世には重なるように存在しています。今私たちがいるこの世界からほんの少し座標がずれたところにも、別の世界があるのですよ」
大聖女様のお部屋でお茶を飲みながら。
あたしはお母様に抱かれたままソファーの上だ。
って、ソファーに腰掛けてるのはお母様。あたしはそのお膝の上、かな。
ってこの大聖女様、ご高齢だって話だったのにずいぶん若く見えるよ。
お母様より若く見える?
どう言う事? 別人なの?
専門的な話に嫌気がさしたのか、お母様。
「異世界がどうこうって話ですわね? そういう学術的なお話は要らないですから、結論からお願い致しますわ」
と、そう話を促した。
「実は先日、千年に一度の会がありました。三千世界が一つに重なり合う、グランドオーバーラップシェアリング。ふつうにこの世界に生きている人間には感知し得ない現象ですが、まれにその干渉を受けてしまう者も存在するのです」
「それがマリアンヌだと言うのですか!?」
「そうですね。マリアンヌ様は聖女の素質がおありになりました。彼女のその聖女の力が、別世界の半身を呼び寄せて融合してしまったのでしょう」
「猫が、半身だと言うのですか!?」
「それだけではありません、けどね」
大聖女様。手にしたカップを口につけ、喉を潤すと。
「おそらくですが、マリアンヌ様の魂《レイス》が同期した存在が会で重なった別世界にあったのだと思われますわ。そのせいでレイヤー合成してしまったマリアンヌ様は現在猫の姿になってしまったと思われます」
「それは……、治るのでしょうか……?」
「重なったレイヤーを解除すればなんとか……。ただし、素のマリアンヌ様に完全に戻るかは、今の状態では測りかねますけれど……」
「ああ。それでも少しでも戻る可能性があるのであれば……。お願いよレティーナ。貴女のチカラでマリアンヌをどうか……」
「わかりました……」
レティーナと呼ばれた彼女。大聖女様? の彼女はそう囁くように声を出すと、そっと立ち上がってあたしの頭に手を伸ばした。
え?
「呪いではありません。どうやら事故が起きたようです」
「どういう事ですの?」
「あまたの次元、あまたの空間がこの世には重なるように存在しています。今私たちがいるこの世界からほんの少し座標がずれたところにも、別の世界があるのですよ」
大聖女様のお部屋でお茶を飲みながら。
あたしはお母様に抱かれたままソファーの上だ。
って、ソファーに腰掛けてるのはお母様。あたしはそのお膝の上、かな。
ってこの大聖女様、ご高齢だって話だったのにずいぶん若く見えるよ。
お母様より若く見える?
どう言う事? 別人なの?
専門的な話に嫌気がさしたのか、お母様。
「異世界がどうこうって話ですわね? そういう学術的なお話は要らないですから、結論からお願い致しますわ」
と、そう話を促した。
「実は先日、千年に一度の会がありました。三千世界が一つに重なり合う、グランドオーバーラップシェアリング。ふつうにこの世界に生きている人間には感知し得ない現象ですが、まれにその干渉を受けてしまう者も存在するのです」
「それがマリアンヌだと言うのですか!?」
「そうですね。マリアンヌ様は聖女の素質がおありになりました。彼女のその聖女の力が、別世界の半身を呼び寄せて融合してしまったのでしょう」
「猫が、半身だと言うのですか!?」
「それだけではありません、けどね」
大聖女様。手にしたカップを口につけ、喉を潤すと。
「おそらくですが、マリアンヌ様の魂《レイス》が同期した存在が会で重なった別世界にあったのだと思われますわ。そのせいでレイヤー合成してしまったマリアンヌ様は現在猫の姿になってしまったと思われます」
「それは……、治るのでしょうか……?」
「重なったレイヤーを解除すればなんとか……。ただし、素のマリアンヌ様に完全に戻るかは、今の状態では測りかねますけれど……」
「ああ。それでも少しでも戻る可能性があるのであれば……。お願いよレティーナ。貴女のチカラでマリアンヌをどうか……」
「わかりました……」
レティーナと呼ばれた彼女。大聖女様? の彼女はそう囁くように声を出すと、そっと立ち上がってあたしの頭に手を伸ばした。
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