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闖入者。
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キイ
薔薇園の扉が開いた音がした。
ガサ、ガサ、と、何人かの足音がする。
「はう。誰か来たみたいだね。どうしようか」
「戻りますか? アンジェリカ様」
「そうだね。でも隠し通路使ってる暇は……、なさそう、かな?」
ザッと足音が止まる。どうやらやってきた人がこの広間に辿り着いたみたい。あたしの側からすると斜め後ろ。うーん、どうしよう。振り向いて挨拶した方がいいのかな。
って逡巡して。
「アンジェリカ、か? 久しいな。お前は普段どこに居るのかさっぱり私にはわからないが」
「あらあらお兄様。お会いするのはほんとお久しぶりですわね。新年の謹賀の祝賀会以来かしら。お元気そうで何よりですわ」
はう? もしかしてもしかしたら……。
「まあいい。今日は薔薇園の様子を見にきただけだ。ここは母の形見。私にとっても大事な場所なのだからな」
「そうお思いになるのなら、もう少してづからお世話をしてあげても良いでしょうに」
「私が虫や小動物が苦手なのは知っているだろう? お前はすぐそう嫌味を言う。そういうところはほんとあの女そっくりだな」
「それはそれは。申し訳ありません。それではわたくしはこれで失礼いたしますね」
アンジェリカは立ち上がり、あたしの手を取った。
「行きましょう」
そう小声で言うのに頷いて。
あたしはなるべくマクシミリアンの方を見ないように立ち上がり、アンジェリカの影に隠れるように立ち去ろうとした、ん、だけど。
「待て! アンジェリカ、その連れの女性はまさか!」
と、呼び止められ振り返るとアンジェリカ。
「わたくしのお友達ですけど、何か?」
「マリアンヌ? そうだ、マリアンヌじゃないか! 私だよ、マクシミリアンだ! 貴女に会いたかった!」
あちゃあ。バレちゃった。
「お久しぶりでございますマクシミリアン王子。マリアンヌ・ヴァリエラントでございます。ご挨拶もせずに申し訳ありません」
もう、しょうがないので。
あたしはそう、一応の淑女の礼をとって挨拶する。
本音ではこのままさっさと立ち去りたいのだけれど。
「ああ、やっぱりマリアンヌ。病気も治ったのだね。元気そうで何よりだ。ずっと心配していたんだよ」
「それは、もったいないお言葉、ありがとう存じます」
そうお辞儀をする。あまり顔をあわせたくない、よ。
「ねえ、どうしてそんなに他人行儀なんだい? 私達は婚約者じゃないか」
え? だって……。
あたしがびっくりして言葉を無くして立ち尽くしていると、アンジェリカが助け舟を出してくれた。
「あら、お兄様。お兄様とマリアンヌ嬢との婚約は正式に破棄されたと伺っておりますよ?」
「あんなのは父上が勝手に決めた事。私の気持ちは変わっていないよ。マリアンヌ」
はう。
「そう、言われましても……」
この世界の貴族階級の婚約っていうのは家と家との間で結ばれるもの。それを通り越して個人的にどうこうって。
「ああ、心配なら父上に直訴しよう。マリアンヌの病気は治ったのだから。誰も反対などしないさ」
それも、困る……。
「すみませんマクシミリアン様。わたくし、もう別に好きな殿方がおりますので、貴方様からの婚約話はお受けすることができません」
あたしがそうはっきりと断ると、マクシミリアンの顔色が変わった。
語気を荒げ、
「なん、だと? いったいどこの誰だそれは! 許さん! マリアンヌ! 君は私のものだ!」
と、いきなり激怒するマクシミリアン。
ああ、だめだ。
こういうところなんだよねマクシミリアンの嫌なところ。
我を無くし地団駄を踏んで怒り狂う王子。
周囲の従者がなだめているうちに、アンジェリカが「行くよ」って言って手を引いてくれた。
薔薇園の扉が開いた音がした。
ガサ、ガサ、と、何人かの足音がする。
「はう。誰か来たみたいだね。どうしようか」
「戻りますか? アンジェリカ様」
「そうだね。でも隠し通路使ってる暇は……、なさそう、かな?」
ザッと足音が止まる。どうやらやってきた人がこの広間に辿り着いたみたい。あたしの側からすると斜め後ろ。うーん、どうしよう。振り向いて挨拶した方がいいのかな。
って逡巡して。
「アンジェリカ、か? 久しいな。お前は普段どこに居るのかさっぱり私にはわからないが」
「あらあらお兄様。お会いするのはほんとお久しぶりですわね。新年の謹賀の祝賀会以来かしら。お元気そうで何よりですわ」
はう? もしかしてもしかしたら……。
「まあいい。今日は薔薇園の様子を見にきただけだ。ここは母の形見。私にとっても大事な場所なのだからな」
「そうお思いになるのなら、もう少してづからお世話をしてあげても良いでしょうに」
「私が虫や小動物が苦手なのは知っているだろう? お前はすぐそう嫌味を言う。そういうところはほんとあの女そっくりだな」
「それはそれは。申し訳ありません。それではわたくしはこれで失礼いたしますね」
アンジェリカは立ち上がり、あたしの手を取った。
「行きましょう」
そう小声で言うのに頷いて。
あたしはなるべくマクシミリアンの方を見ないように立ち上がり、アンジェリカの影に隠れるように立ち去ろうとした、ん、だけど。
「待て! アンジェリカ、その連れの女性はまさか!」
と、呼び止められ振り返るとアンジェリカ。
「わたくしのお友達ですけど、何か?」
「マリアンヌ? そうだ、マリアンヌじゃないか! 私だよ、マクシミリアンだ! 貴女に会いたかった!」
あちゃあ。バレちゃった。
「お久しぶりでございますマクシミリアン王子。マリアンヌ・ヴァリエラントでございます。ご挨拶もせずに申し訳ありません」
もう、しょうがないので。
あたしはそう、一応の淑女の礼をとって挨拶する。
本音ではこのままさっさと立ち去りたいのだけれど。
「ああ、やっぱりマリアンヌ。病気も治ったのだね。元気そうで何よりだ。ずっと心配していたんだよ」
「それは、もったいないお言葉、ありがとう存じます」
そうお辞儀をする。あまり顔をあわせたくない、よ。
「ねえ、どうしてそんなに他人行儀なんだい? 私達は婚約者じゃないか」
え? だって……。
あたしがびっくりして言葉を無くして立ち尽くしていると、アンジェリカが助け舟を出してくれた。
「あら、お兄様。お兄様とマリアンヌ嬢との婚約は正式に破棄されたと伺っておりますよ?」
「あんなのは父上が勝手に決めた事。私の気持ちは変わっていないよ。マリアンヌ」
はう。
「そう、言われましても……」
この世界の貴族階級の婚約っていうのは家と家との間で結ばれるもの。それを通り越して個人的にどうこうって。
「ああ、心配なら父上に直訴しよう。マリアンヌの病気は治ったのだから。誰も反対などしないさ」
それも、困る……。
「すみませんマクシミリアン様。わたくし、もう別に好きな殿方がおりますので、貴方様からの婚約話はお受けすることができません」
あたしがそうはっきりと断ると、マクシミリアンの顔色が変わった。
語気を荒げ、
「なん、だと? いったいどこの誰だそれは! 許さん! マリアンヌ! 君は私のものだ!」
と、いきなり激怒するマクシミリアン。
ああ、だめだ。
こういうところなんだよねマクシミリアンの嫌なところ。
我を無くし地団駄を踏んで怒り狂う王子。
周囲の従者がなだめているうちに、アンジェリカが「行くよ」って言って手を引いてくれた。
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2021/11/27HOTランキング3位、28日HOTランキング2位に入りました! 読んで下さった皆様、ありがとうございます!
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