異世界で猫になった公爵令嬢は王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます。

友坂 悠

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溶け合う意識。

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 レティーナ様には許可を貰って、あたしはアリアと魔の森のケンタウリ遺跡に向かうことになった。

 アリアが見つけた書物によると、いにしえの大魔導師イクシア様は過去に異世界を旅した事があると言う。

 そして、数百年前。

 イクシア様は1000年に及ぶ人生を終わらせる為、ケンタウリ遺跡で眠りについたのだ、という伝承があった。

 まあね。これだけだと何にも意味が無いような気もするんだけど。

 それでも。その大魔導師イクシア様の眠る地に、何かヒントがあるんじゃ無いかって。そう思って。


 話を聞いてたフェリス様が、流石にあたしとアリアだけじゃ危ないからって白騎士団の騎士様を数人護衛につけてくれるって約束してくれた。

 まあね。流石にね。

 あたし一人でアリアを守り切れるかっていうとそんな自信もあるわけはないし。

 たぶんあたし一人ならなんとかなるんじゃないかって、そんな気はしてるけど、でもね。

 だから騎士様の護衛は喜んで受けることにした。

 今回はほんとアリアの安全が第一だから。

 彼女は……。能力的にどうなのか、まだいまいちよくわからない。

 知識はついたと思う。マナの量も多いかな?

 だけど。性格のせいなのか、うまくマギアを使いこなせずにいた。

 コントロールの問題かもしれないけど、安定して魔法を行使するのが難しい、そんな感じ。

 あたしみたいに周囲のギアを視る事もまだ出来てない。


 まあね。彼女にとってこの世界で聖女をする事は別に彼女の望みでもなんでもない。学んでてもモチベーションも上がらないだろうっていうのもわからなくはないんだよね。


 ただね。

 彼女の中にはとてつもない何か、チカラ、そういうのが眠ってる気がしてる。

 だからかな。魔の森行きも、なんとかなりそうな気がしたの。



 ☆☆☆


(茉莉花ちゃん、ほんともういい加減でてこないかなぁ……。寂しいよ……)

 魔の森への出発が明日の朝と迫って。

 結局もう一週間、茉莉花は沈んだままだ。このまま浮上してこなかったら、と、思うと怖い。

 ううん、悲しい。

(ごめんマリアンヌ。やっと心落ち着いたかも)

(もう、茉莉花ちゃんやっと出てきてくれた。寂しかったんだからね!)

(ごめんね。なんだかね、ずーっと心の奥に沈んで、そのまま悲しいって感情の海に溶けてしまったような気分だった。何も考えられず、ただただ感情の海で漂って……)

 はう。

(マリアンヌが呼んでくれたからそこから抜け出すことができたの。ありがとうね)

 良かった……。

(わたくしがマリカしてた間のことって、わかる?)

(うん。わかるよ。そこのところはちゃんと繋がってる。ごめんねほんと)

 そっか。良かった。でも……。

 感情の海に溶けて、かぁ。

 あたし達、いつかは溶け合って一つになっちゃうのかな。それってなんだかやっぱり寂しいな。

(うん。なんとなく寂しいね。あたし、マリアンヌ好きだよ。こうして話しができるの、ほんと嬉しいから)

(あたしも。ううん、わたくしも、茉莉花ちゃん大好きですよ。だから……)

 意識を共有して思考までも共有しているあたし達。溶け合って一つになるのもしょうがないのかもしれないの、だけれど……。

 神様、お願いだからもう少しこのままで居させてください。おねがいします……。
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