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秋になって。

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 でもこの歳でこのマナの量って事は……。

 やっぱりレイアは才能があるなぁ。

 ——ねえ。レイアって聖女になりたい?

「んー。良くわかんないけど誰かを治してあげれるのはうれしいかなぁ」

 ——あたしが教えてあげようか?

「あは。嬉しい。やっぱりミーシャは聖女だったんだー」

 ——そうだよ? でも、その事はレイアとあたし、二人だけの秘密だよ? 守れる?

「えー? どうして?」

 ——たぶんみんなに知れたらあたしここに居られなくなる。実験材料にされて殺されちゃうかも……。

「いや! それは絶対に嫌!! ミーシャのこと、内緒にする! ミーシャはわたしが守るよ!」

 ——ありがとう。じゃぁ。これからもずっと一緒だね。

「うん! これからもずーっと一緒だよ!」



 にっこり笑ってそういうレイアのあどけない瞳が、すっごくかわいくて。

 なんだかね。

 あたしは子供が居なかったけど、もしいたらこんな感じでかわいかったのかなぁ? そうも思う。



 レイアの寝室にあたしのベッドがしつらえられ、出入り口に猫が通れる扉もつけられた。

 リビングの猫部屋はなんと猫専用のお部屋だったみたいなんだけど、お屋敷中一応出入りは自由になっていて。

 おかあさんおとうさんとあたし。

 ほかの兄弟は貰われて行って、
 ここのうちの猫はそれだけになった。

 まったりと過ごしているうちに暑い夏が過ぎ、秋になった頃。

 あたしもちょこっと大きくなった。かな。



 流石におとうさんやおかあさんとおはなしする事はできなかったけど、どんな気持ちなのかはわかる。

 クロコかあさんはあたしのことほんと可愛がってくれた。

 もうおちちをむさぼる時期はとっくに過ぎたのに、たまにごろんと横になったおかあさんの胸に縋り付いておちちを飲む。

 ぺろぺろと顔耳あたまをなめてくれるとすごく安心して。

 あたしはいっぱいいっぱい寝て過ごしたのだった。


 レイアにも家庭教師がついてお勉強する様になったから、その時間はあたし一人。

 お庭に出て遊んだり、日向ぼっこしたり。

 黄色い草叢に伸びるイネ科の草があたしを隠す。




 ある時。お外でいつものように遊んだ後。

 お外も過ごしやすくなったなぁと思いつつ、そのまま草叢で眠ってしまった。



 ああ、夕方のご飯の前にはお屋敷に戻らないと……。

 そう意識の底で思いつつ……。
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