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魔。

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 結局あたしもちゃんとノワールについて行けることになった。
 うん。
 離れるのは嫌。

 レイアのおうちは今のあたしのおうちでもあるのでそこを出ちゃうって事までは考えてないけど、ちょっと行ってくるってことはちゃんとレイアにも話しておかなきゃかな。

 心配はかけたくない。

 彼女はこの二回目の転生で得たあたしの家族。

 大事にしたい人なのだから。



 もう朝日が昇ってる。
 2日連続の朝帰りになっちゃったけど、ちゃんと寝れたお陰か今日はお日様黄色くないよ。よかった。

 お屋敷に入ってポテポテ歩いてたらかあさんとすれ違って。

 鼻を合わせて身体を擦り付けて挨拶した。

 ごめんねかあさん。あたし、しばらく帰れないよ。

 ねこの世界ではもう子離れ親離れの時期ではあるし、かあさんにも寂しいって感覚はないのかな。

 あたしの方がいっぱいいっぱい頭をくっつけて。なごりを惜しんでた。

 レイアののお部屋の猫扉を潜って。

 ベッドにぽんと飛び乗った。

「うーん。ミーシャ、おはよう。もう、あさ?」

 そう可愛らしく笑うレイア。

 あたしもにゃーって鳴き声をひとつあげて、レイアのほっぺにほおずりする。

 頭をぶつけるように擦り付け。

 そして、首元で丸くなった。

「なになに? 今朝はずいぶんと甘えん坊さんだねミーシャ」

 にゃぁ。

 甘えたくなる時だってあるの。

 あたしまだ生まれて半年なんだもん。


 魔界に行くという事がそう簡単ではない事は、前回の戦いの時にわかってる。

 魔王だけじゃない。

 あそこに居る、魔、は、あたし達を恨んでる。

 そんな場所にノワールだけで行かすわけにはいかないの。

 だから。



 ごめんねレイア。

 あたししばらく帰れないよ。

 ごめんね。



 そうにゃぁと鳴きながら。あたしはしばらく彼女の首元に頭を擦り付けていた。
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