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マギアスキル。
「金色の光。やはりキュアの加護であるのは間違いないですね……」
「しかし、大聖女様、あの数字はどういうことでしょう?」
「ですね。あり得ない、です。マギアスキルがゼロを示しているだなんて」
「マギアスキル、魔力特性値は通常の貴族で20~30、平民ではよくて5~10。この学院でもトップクラスで70オーバーの値です。魔道庁や聖女庁にいらっしゃる賢者様や聖女様であれば100を超えている方もいらっしゃるとお聞きします。しかし……」
「魔力特性値の高さは精霊ギアとの親和性をあらわします。高ければ高いほど、精霊のお力、権能を引き出す事ができますからね」
「ええ、いくら加護があっても、特性値が低ければ引き出せる権能は限られるのが一般的です。大聖女様、あちらの水晶は確か999までの特性値を測ることができるのでしたよね」
「そうですね……」
「では、あれは、やはり間違いないのでしょうか……?」
なんか、不穏な会話が聞こえてくる。
っていうか、こんなに悪かったの? あたしの特性値。
まあ、でも、そっか。
そうか~……。
目の前の水晶には一つの数字が浮かんでいた。
少しゆがんで見えてはいたけど、間違いなくこれがマギアスキル。魔力特性値の数字なのだろう。
数字は……、どうみても、「0」だった。
◇◇◇
「ではこれで加護の測定は終わりです。マナさん、あなたにはキュアの加護があることがわかりました。しかし、その反面、あなたのマギアスキルは『0』という値でした。マギアスキルはその数値が高ければ高いほど高度な魔法を行使できると言われています。ですから……」
「デルボア先生。それってあたしにはあんまり魔法が使えない、ってことでしょうか?」
「あなたが初歩の回復魔法が行使できることは確認されています。ですから、これからの頑張り次第ではないでしょうか?」
「マオ、マギアスキルは訓練次第で伸ばすこともできる。気にしないでもいいさ」
あんまりあたしが落ち込んでいる風だったからか、兄様までもそう慰めてくれた。
でも、ゼロ、かぁ……。
流石にそこまで悪いって考えてなかったから、落ち込むなぁ……。
「ねえ、マオさん? もしよかったら、高等部に通っている間、わたくしの研究室にいらっしゃらない?」
「え? 大聖女様!?」
「大聖女様!! それは!」
「良いではないですか、デルボア。今からの編入ではこの子、通常の課外活動サークルには入り辛いでしょう? 他の生徒たちにも遅れているのです。その分を補填してあげるだけですわ」
「しかし……」
「贔屓だって言われるのなら、言われても構いませんよ。わたくし、このマオさんにちょっと興味があるのです」
「大聖女さま!!?」
興味って、どういうこと!!?
あー、もう。
頭の中ぐちゃぐちゃだ。
「ごめんなさいね、マオさん。でもね、どうかしら? あなたにとっても決して悪い話じゃないと思うのよ。このままじゃ他の生徒さんについていくのも大変になってしまうかもしれないもの」
「ありがとうございます……、大聖女さま……。でも……」
「ふふ。わたくし、あなたとお友達になりたいの。だめ?」
かわいらしいお顔をコテンと傾け、コケティッシュな笑みをこちらに向ける大聖女さま。
ああ、もう、ずるい!
こんなお顔されたら、断れないよ。
「すみません、大聖女さま。お世話になります……」
あたしはそう言ってお辞儀する。
顔をあげたあたしが見たのは、「うれしいわ、マオさん」と言って、満面の笑みを浮かべていた大聖女さまだった。
「しかし、大聖女様、あの数字はどういうことでしょう?」
「ですね。あり得ない、です。マギアスキルがゼロを示しているだなんて」
「マギアスキル、魔力特性値は通常の貴族で20~30、平民ではよくて5~10。この学院でもトップクラスで70オーバーの値です。魔道庁や聖女庁にいらっしゃる賢者様や聖女様であれば100を超えている方もいらっしゃるとお聞きします。しかし……」
「魔力特性値の高さは精霊ギアとの親和性をあらわします。高ければ高いほど、精霊のお力、権能を引き出す事ができますからね」
「ええ、いくら加護があっても、特性値が低ければ引き出せる権能は限られるのが一般的です。大聖女様、あちらの水晶は確か999までの特性値を測ることができるのでしたよね」
「そうですね……」
「では、あれは、やはり間違いないのでしょうか……?」
なんか、不穏な会話が聞こえてくる。
っていうか、こんなに悪かったの? あたしの特性値。
まあ、でも、そっか。
そうか~……。
目の前の水晶には一つの数字が浮かんでいた。
少しゆがんで見えてはいたけど、間違いなくこれがマギアスキル。魔力特性値の数字なのだろう。
数字は……、どうみても、「0」だった。
◇◇◇
「ではこれで加護の測定は終わりです。マナさん、あなたにはキュアの加護があることがわかりました。しかし、その反面、あなたのマギアスキルは『0』という値でした。マギアスキルはその数値が高ければ高いほど高度な魔法を行使できると言われています。ですから……」
「デルボア先生。それってあたしにはあんまり魔法が使えない、ってことでしょうか?」
「あなたが初歩の回復魔法が行使できることは確認されています。ですから、これからの頑張り次第ではないでしょうか?」
「マオ、マギアスキルは訓練次第で伸ばすこともできる。気にしないでもいいさ」
あんまりあたしが落ち込んでいる風だったからか、兄様までもそう慰めてくれた。
でも、ゼロ、かぁ……。
流石にそこまで悪いって考えてなかったから、落ち込むなぁ……。
「ねえ、マオさん? もしよかったら、高等部に通っている間、わたくしの研究室にいらっしゃらない?」
「え? 大聖女様!?」
「大聖女様!! それは!」
「良いではないですか、デルボア。今からの編入ではこの子、通常の課外活動サークルには入り辛いでしょう? 他の生徒たちにも遅れているのです。その分を補填してあげるだけですわ」
「しかし……」
「贔屓だって言われるのなら、言われても構いませんよ。わたくし、このマオさんにちょっと興味があるのです」
「大聖女さま!!?」
興味って、どういうこと!!?
あー、もう。
頭の中ぐちゃぐちゃだ。
「ごめんなさいね、マオさん。でもね、どうかしら? あなたにとっても決して悪い話じゃないと思うのよ。このままじゃ他の生徒さんについていくのも大変になってしまうかもしれないもの」
「ありがとうございます……、大聖女さま……。でも……」
「ふふ。わたくし、あなたとお友達になりたいの。だめ?」
かわいらしいお顔をコテンと傾け、コケティッシュな笑みをこちらに向ける大聖女さま。
ああ、もう、ずるい!
こんなお顔されたら、断れないよ。
「すみません、大聖女さま。お世話になります……」
あたしはそう言ってお辞儀する。
顔をあげたあたしが見たのは、「うれしいわ、マオさん」と言って、満面の笑みを浮かべていた大聖女さまだった。
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