58 / 71
サクラコの学校③
しおりを挟む
万策尽きた。もう終わりだぁぁぁぁぁぁ!
どうやら入学時に学校側に掛かれていた書類に記載されていたサクラコ両親の電話番号はもう変更されているらしい。もうどうすりゃええねん。
「鷺ノ宮先生も流石にサクラコの親と連絡取れないのはマズいですよね?」
「……えぇ、そうですね。もし急に体調不良になったりしたら――あれ、喜多さんってサクラコくんの保護者なんですよね?」
「……一応はそうですね」
「一応?」
……どうしよう、鷺ノ宮先生には事情を説明したほうがいいだろうか?
「……先生、あくまでこれは俺とサクラコの個人間で双方同意した上で行っている事なんですけどね」
「はい? 急になんですか」
「俺とサクラコには、血の繋がりとかは一切ありません。俺が保護者と言っているのは、サクラコの事情を聞いて、俺に助けを求めてきたから。大人として……友人として見過ごすわけにはいかないので一時的に保護しています」
「……おぉん?」
先生、混乱していらっしゃる……まぁ、そりゃあそうだよなぁ……こんな話を突然されたら混乱するのも当然だよな。
「えぇと……喜多さんは、保護者と言っているけど親戚とかそういうわけではなく、あくまでもサクラコくん本人に助けを求められたから保護をしている、と?」
「そうです。それに関してはサクラコに聞いてもらっても構いませんよ」
「そうですか……後でサクラコくんには確認するとして……はい、分かりました。とりあえず難しい事は置いておいて、今のサクラコくんの保護者は喜多さんという事ですね」
「え、えぇ、そうですね……えっ、今の説明で納得したんですか?」
先生は、今の短めの説明で納得したのか?もしそうなら、物分かりが良いにも程があるぞ?
「あぁ、納得と言いますか……サクラコくんは、あれでとても賢い子です。自分で考えて、一人ではどうにもならない状況だと判断して喜多さんに助けを求めたんでしょうね」
「おぉ……」
どうやら、俺は先生への評価を間違えていたみたいだな。厨二病の痛い人だと思っていたけど、その実はしっかりと自分の生徒を信じてる、立派な先生じゃないか。
「……では、そろそろ教室に戻りましょうか。サクラコくんが待っているでしょうし」
「えぇ、そうですね、戻りましょうか」
俺と先生は一度話を終え、サクラコの元に戻る事とした。
教室に戻ると――サクラコは机につっぷして寝ていた。
「おぉいサクコラぉーっ! 寝てるじゃねぇかぁーっ!」
「あははー、やっぱりつまらなくて寝ちゃいましたか」
俺はサクラコに近づき、揺すって起こそうとしてみる。
「サクラコ起きろー、授業中だぞ」
「……なにさー、面白い夢見てたのにぃ」
「自習で眠くなるのは分かるが、しっかり勉強しなさいな……」
サクラコはまだ眠いのか目を擦りながら伸びをしている。
授業中に眠くなるのはめっちゃ分かるけど……俺と先生が教室を出る前はめっちゃ集中して漢字ドリルやってるように見えたんだけどなぁ。
「すまないねサクラコくん。やはり自習では眠くなってしまったかい?」
「うん、だってもう知ってる範囲だったからー」
「知ってる範囲って……もうずっと先の範囲やってるんだけどなぁ。頭が良すぎる生徒も困ったものだね」
「え、ずっと先……?サクラコって今、確か二年生でしたよね」
「えぇ、簡単すぎるとすぐ飽きちゃうので、今はもうどの科目も四年生とか五年生の内容をやってますね。……この内容でももう飽きちゃってますけどね」
……マジか。頭良いとは思っていたが、もうそんな先の内容をやっていたのか。あれ、でも夏休みの宿題はもっと簡単だったような……?
「あの、確か夏休み中の宿題はもっと簡単なものだったと思うんですけど」
「うん? ……あぁ!あれは一応学校として夏休み中の宿題は決まっているので、その内容のものを宿題としていたんですよ。だからあれは二年生相当の宿題なので今のサクラコくんにはとても簡単なものになってますね」
成程、授業としてはずっと先の内容をやってるけど、夏季休暇や冬期休暇といった長めの時に出る宿題の内容はその学年に沿った内容になる、って事か。
日本は飛び級なんて無いからな。こうなるのも仕方がないだろう。
「……サクラコ、お前やっぱり頭良かったのな」
「どうだー、凄いだろー!」
「あぁ、凄いな。俺はバカだから勉強は苦手だったからなぁ。サクラコは将来有望だな」
キーンコーンカーンコーン。
……うわぁ、懐かしっ。
サクラコを褒めていると、懐かしいチャイムの音が鳴った。一時間目が始まる前にもサクラコに説教されながら聞いてはいたものの、何度聞いても懐かしさがこみ上げてくる。
チャイムが鳴ったということは、どうやら一時間目はもう終わりらしい。
「あらら、もう一時間目終わっちゃいましたね。授業らしい授業は出来なかったけど……まぁ、いっか。それじゃあサクラコくん、号令」
「はぁーい。起立、気をつけー、礼。ありがとうございましたー」
「はい、ありがとうございました。次の時間は体育だから校庭に集合ね」
「はぁーいっ!」
次は体育か……サクラコがどんな授業を受けているのか気になるし、もう少しだけ見学させてもらおうかな。
「先生、もう少し見学させてもらってもいいですか?」
「構いませんよ。好きなだけみていって下さいね」
「ありがとうございます。ってなわけでサクラコ、もう少し……おい、俺がいるのに着替えだすなよ」
先生に見学の許可を得たのでもう少し授業を見る事をサクラコに伝えようと振り向くと、体操着に着替えるためかサクラコは服を脱ぎだしていた。
「えー、早く着替えないと休み時間終わっちゃうよ!」
「……せめて、俺が教室出るまで待ってくれよ」
「じゃあ早く出ていってよー!」
「はいはい、今出ますよ」
先生はクスクスと静かに笑っている。いや……うん。一般常識を学校でも教えてくれよ。男がいる部屋で突然着替えだすのはダメでしょうに。
俺はそのまま教室を出て、廊下で暇を潰す。
さて、小学校の体育は何をやるのかな。俺は小学生だった頃の記憶を思い出しながら、サクラコが着替え終わるまで待つのだった。
●あとがき
サクラコちゃん頭良いなっ! 小学二年生にしてもう既に四年生の内容を授業でやっていて、しかもその内容すらも分かっているが故に飽きる……そりゃ、学校つまらなくなりますわな。
サクラコ「先生は面白いんだけどねー」
まぁ本来学校は勉強する場であると共に友人や先生で社交性を学ぶ場だからねぇ。生徒がサクラコちゃんしかいないんじゃそりゃ面白さの大半が無くなってるようなものだからね。
サクラコ「なんで生徒がわたししかいないんだよもぉーっ!」
まぁそう言いたくなるのは分かるけども……しゃーないでしょ、そういう設定なんだから。そも、現代日本に生徒が一人しかいない学校が本当にあるのかなんて知らんけど、この物語はフィクションだから大丈夫だな!
サクラコ「フィクションとか言っちゃダメーっ! メタい、メタいよ作者ぁぁぁっ!」
こらこら、メタいとかそんな言葉どこで覚えてきたの。
どうやら入学時に学校側に掛かれていた書類に記載されていたサクラコ両親の電話番号はもう変更されているらしい。もうどうすりゃええねん。
「鷺ノ宮先生も流石にサクラコの親と連絡取れないのはマズいですよね?」
「……えぇ、そうですね。もし急に体調不良になったりしたら――あれ、喜多さんってサクラコくんの保護者なんですよね?」
「……一応はそうですね」
「一応?」
……どうしよう、鷺ノ宮先生には事情を説明したほうがいいだろうか?
「……先生、あくまでこれは俺とサクラコの個人間で双方同意した上で行っている事なんですけどね」
「はい? 急になんですか」
「俺とサクラコには、血の繋がりとかは一切ありません。俺が保護者と言っているのは、サクラコの事情を聞いて、俺に助けを求めてきたから。大人として……友人として見過ごすわけにはいかないので一時的に保護しています」
「……おぉん?」
先生、混乱していらっしゃる……まぁ、そりゃあそうだよなぁ……こんな話を突然されたら混乱するのも当然だよな。
「えぇと……喜多さんは、保護者と言っているけど親戚とかそういうわけではなく、あくまでもサクラコくん本人に助けを求められたから保護をしている、と?」
「そうです。それに関してはサクラコに聞いてもらっても構いませんよ」
「そうですか……後でサクラコくんには確認するとして……はい、分かりました。とりあえず難しい事は置いておいて、今のサクラコくんの保護者は喜多さんという事ですね」
「え、えぇ、そうですね……えっ、今の説明で納得したんですか?」
先生は、今の短めの説明で納得したのか?もしそうなら、物分かりが良いにも程があるぞ?
「あぁ、納得と言いますか……サクラコくんは、あれでとても賢い子です。自分で考えて、一人ではどうにもならない状況だと判断して喜多さんに助けを求めたんでしょうね」
「おぉ……」
どうやら、俺は先生への評価を間違えていたみたいだな。厨二病の痛い人だと思っていたけど、その実はしっかりと自分の生徒を信じてる、立派な先生じゃないか。
「……では、そろそろ教室に戻りましょうか。サクラコくんが待っているでしょうし」
「えぇ、そうですね、戻りましょうか」
俺と先生は一度話を終え、サクラコの元に戻る事とした。
教室に戻ると――サクラコは机につっぷして寝ていた。
「おぉいサクコラぉーっ! 寝てるじゃねぇかぁーっ!」
「あははー、やっぱりつまらなくて寝ちゃいましたか」
俺はサクラコに近づき、揺すって起こそうとしてみる。
「サクラコ起きろー、授業中だぞ」
「……なにさー、面白い夢見てたのにぃ」
「自習で眠くなるのは分かるが、しっかり勉強しなさいな……」
サクラコはまだ眠いのか目を擦りながら伸びをしている。
授業中に眠くなるのはめっちゃ分かるけど……俺と先生が教室を出る前はめっちゃ集中して漢字ドリルやってるように見えたんだけどなぁ。
「すまないねサクラコくん。やはり自習では眠くなってしまったかい?」
「うん、だってもう知ってる範囲だったからー」
「知ってる範囲って……もうずっと先の範囲やってるんだけどなぁ。頭が良すぎる生徒も困ったものだね」
「え、ずっと先……?サクラコって今、確か二年生でしたよね」
「えぇ、簡単すぎるとすぐ飽きちゃうので、今はもうどの科目も四年生とか五年生の内容をやってますね。……この内容でももう飽きちゃってますけどね」
……マジか。頭良いとは思っていたが、もうそんな先の内容をやっていたのか。あれ、でも夏休みの宿題はもっと簡単だったような……?
「あの、確か夏休み中の宿題はもっと簡単なものだったと思うんですけど」
「うん? ……あぁ!あれは一応学校として夏休み中の宿題は決まっているので、その内容のものを宿題としていたんですよ。だからあれは二年生相当の宿題なので今のサクラコくんにはとても簡単なものになってますね」
成程、授業としてはずっと先の内容をやってるけど、夏季休暇や冬期休暇といった長めの時に出る宿題の内容はその学年に沿った内容になる、って事か。
日本は飛び級なんて無いからな。こうなるのも仕方がないだろう。
「……サクラコ、お前やっぱり頭良かったのな」
「どうだー、凄いだろー!」
「あぁ、凄いな。俺はバカだから勉強は苦手だったからなぁ。サクラコは将来有望だな」
キーンコーンカーンコーン。
……うわぁ、懐かしっ。
サクラコを褒めていると、懐かしいチャイムの音が鳴った。一時間目が始まる前にもサクラコに説教されながら聞いてはいたものの、何度聞いても懐かしさがこみ上げてくる。
チャイムが鳴ったということは、どうやら一時間目はもう終わりらしい。
「あらら、もう一時間目終わっちゃいましたね。授業らしい授業は出来なかったけど……まぁ、いっか。それじゃあサクラコくん、号令」
「はぁーい。起立、気をつけー、礼。ありがとうございましたー」
「はい、ありがとうございました。次の時間は体育だから校庭に集合ね」
「はぁーいっ!」
次は体育か……サクラコがどんな授業を受けているのか気になるし、もう少しだけ見学させてもらおうかな。
「先生、もう少し見学させてもらってもいいですか?」
「構いませんよ。好きなだけみていって下さいね」
「ありがとうございます。ってなわけでサクラコ、もう少し……おい、俺がいるのに着替えだすなよ」
先生に見学の許可を得たのでもう少し授業を見る事をサクラコに伝えようと振り向くと、体操着に着替えるためかサクラコは服を脱ぎだしていた。
「えー、早く着替えないと休み時間終わっちゃうよ!」
「……せめて、俺が教室出るまで待ってくれよ」
「じゃあ早く出ていってよー!」
「はいはい、今出ますよ」
先生はクスクスと静かに笑っている。いや……うん。一般常識を学校でも教えてくれよ。男がいる部屋で突然着替えだすのはダメでしょうに。
俺はそのまま教室を出て、廊下で暇を潰す。
さて、小学校の体育は何をやるのかな。俺は小学生だった頃の記憶を思い出しながら、サクラコが着替え終わるまで待つのだった。
●あとがき
サクラコちゃん頭良いなっ! 小学二年生にしてもう既に四年生の内容を授業でやっていて、しかもその内容すらも分かっているが故に飽きる……そりゃ、学校つまらなくなりますわな。
サクラコ「先生は面白いんだけどねー」
まぁ本来学校は勉強する場であると共に友人や先生で社交性を学ぶ場だからねぇ。生徒がサクラコちゃんしかいないんじゃそりゃ面白さの大半が無くなってるようなものだからね。
サクラコ「なんで生徒がわたししかいないんだよもぉーっ!」
まぁそう言いたくなるのは分かるけども……しゃーないでしょ、そういう設定なんだから。そも、現代日本に生徒が一人しかいない学校が本当にあるのかなんて知らんけど、この物語はフィクションだから大丈夫だな!
サクラコ「フィクションとか言っちゃダメーっ! メタい、メタいよ作者ぁぁぁっ!」
こらこら、メタいとかそんな言葉どこで覚えてきたの。
0
あなたにおすすめの小説
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
居酒屋で記憶をなくしてから、大学の美少女からやたらと飲みに誘われるようになった件について
古野ジョン
青春
記憶をなくすほど飲み過ぎた翌日、俺は二日酔いで慌てて駅を駆けていた。
すると、たまたまコンコースでぶつかった相手が――大学でも有名な美少女!?
「また飲みに誘ってくれれば」って……何の話だ?
俺、君と話したことも無いんだけど……?
カクヨム・小説家になろう・ハーメルンにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる