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決意を決めたぼく

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「にゃー!にゃにゃ!」

 待って!あの子と友達になるよ!

 走る背中にそうさけんだ。
 吉太郎の足が止まる。

 ぼくは言った。
 今日は猫になって、いろんな人の違う顔を見た。
 佐藤さんも、学校とは違う顔があった。
 友達になって、もっと知りたいと思った。

「……ホントかにゃ。うそじゃないにゃ」
 ぼくはコクコクうなずく。

 吉太郎、うれしそう。
「ありがとにゃ。宿題はかえすにゃ」

 そのとたん、なぐられたみたいに目の前がチカチカした。
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