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ぼくの知らないそのあとのこと

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 健太が家の中に入るのを、隣の家の屋根から猫が2匹見守っていた。
 吉太郎と寅次。

「で、久々に人間と話してどうだったかにゃ?」
「にゃんだよ寅次」

「おせっかいやいて、本当はお前も人間に戻ってあの子と友達になりたいんじゃにゃいか?
 俺に付き合って猫でいるのも……飽きたんじゃにゃいかい?」
「うるさいにゃ。おれはこの姿に満足してるにゃ。
 それよりそろそろ久保田のおばちゃんがキャットフードを出す時間にゃ」
「……よし行くにゃ」

 そうして、しっぽの先が二股に分かれている2匹は連れ立って歩き始めたのだった。
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