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1話 お礼のドーナツは恋の味がした
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筧静弥は不機嫌だった。
それというのも今日、彼が専務を努めている総合商社の会長――静弥の祖父である――から、いきなり見合い話を勧められたのである。
相手は会長のゴルフ仲間でもある大手銀行頭取の娘だとかで、どうやら断るのは難しいようだ。
というより、会長自身がこの縁談に乗り気である。
静弥自身は、当然ながら断った。
今時そんな政略結婚のような縁談なんて流行らない。流行っていてたまるものか。
別段決まった恋人などはいない。今まで後腐れのない相手ばかりを選んでつきあってきたが、今はちょうど関係が切れて数ヶ月が経ち、女とはご無沙汰である。
それはいいとして、あの派手好きの祖父が決めた結婚相手など、きっと銀座のネオンのようにきらびやかで華やかな女性に違いない。
静弥はどちらかというと、控えめで大人しいタイプの女性に引かれるたちである。
アメリカ留学中に、派手な女性はさんざん見慣れてきたせいかもしれないし、幼少期の体験が関係しているのかもしれない。
味噌汁を作るのが上手な、家庭的で物静かな女性が好きなのだ。いわゆる大和撫子という感じの。
時代錯誤な趣味かもしれないが、そこは譲れない。
しかし「お断りします」との静弥の言葉を、大正生まれで頑固な祖父が聞くはずもなかった。
「これはもう決定したことじゃ」
などと重々しい口調で告げ、なおも抵抗しようとする静弥を会長室から追い出したのだった。
もう少しで「このクソ爺」と言ってしまうところであったが、それはすんでのところで思いとどまった。そんな下品な言葉を吐いてしまえば、幼少期を育ててくれた子守の八千代おばあちゃんが天国で泣いてしまう。
その後、専務室でパソコンに向かったが、集中できるはずもない。
エンターキーを叩く音だけがやたらと甲高く鳴り響き、そのたびに秘書を怯えさせたのだった。
そんな、会社からの帰り道であった。
「あの……っ、離して下さい……!」
怯えたような声がどこからか聞こえてきて、静弥は何気なくそちらのほうに目を向ける。
すると、だぼだぼのズボンからキャラクタートランクスをちらりと覗かせた若者が、うら若い女性に絡んでいるところだった。
若者は女性の腕を掴みながら、「いいじゃんいいじゃん」と繰り返していた。
「お姉さん、オレとあそびにいこうよ~! カラオケでいいっしょ。オレ、よく面白いねって言われるんだけど、お姉さんも一緒にいたら、きっとオレの良さに気付いてくれると思うなぁ」
「困ります、離して……!」
女性は明らかに助けを求める様子で周囲に視線を送るが、誰もが厄介ごとには巻き込まれたくないとばかりに、そそくさとその場を後にする。
「ねえ、ほら~。こっちおいでよ。何もしないからさ」
若者のヘラヘラとした笑みは、先ほどからの静弥の苛立ちを煽った。
何が「何もしないからさ」だ。大人の言う「また今度ね」くらい信用できない言葉ではないか。
つかつかと二人のほうへ歩み寄った静弥は、若者の腕を捻るように掴み上げ、女性から引きはがした。
「いって……何すんだよおっさん!!」
若者が静弥に噛みつくように叫んだ。
若者から見ればおっさんなのかもしれないが、静弥はまだ三十五歳である。世間一般的に見ておっさんではない。だが今はそんなことはでどうでもいい。
眼鏡の向こう側にあるヘーゼルブラウンの瞳に凍てつく色を宿しながら、静弥は若者を見下ろした。
何せ187㎝も身長があるのである。そこらの男は皆小さく見えてしまう。
「この女性が嫌がっているのが分からないのか」
「は? 意味分かんないんですけど。アンタ、この子のカレシかなんか?」
「私が誰であろうと君には関係ないだろう。それとも、今すぐ警察を呼ぶか?」
凄みを利かせて言えば、「警察」という単語に若者はぴくりと反応した。
明らかに慌てたようになると、静弥の手をふりほどき、その場から走って逃げ去る。
「ばーか! そんなブスになんか別に興味ねーよ!」
そんな、ベタな捨て台詞まで吐いて。
残った静弥は、やれやれとため息をついて女性へと向き直った。
「大丈夫か?」
「は、はい……。助けて頂いて、ありがとうございました」
それまで俯いていた女性が、顔を上げる。
よく見れば、まだ二十歳にもなっていないだろう若さだった。制服は着ていないが、高校生と言ってもおかしくない顔立ちである。
今時珍しく髪を染めておらず、真っ黒な髪を肩の下辺りで切りそろえている。
こぎれいなワンピースに身を包み、自らを守るように、白いバッグを抱きかかえていた。
「もう心配ないだろう。気をつけて」
その場を立ち去ろうとした静弥に、女性が背後から声を投げかけた。
「あの! よろしければお礼をさせてください」
静弥は少し驚いて、足を止める。
強引な若者を追いやっただけでそんなことを言われるとは、夢にも思っていなかったのだ。
「気にしないでいい。私が勝手にしたことだ」
「でも……」
女性のほうはまだ何か言いたそうだったが、静弥がもう一度「気にしなくていい」と言うと、もう何も言わなかった。
そうして、歩き始めてしばらく経った時だった。
背後から荒い呼吸と共に、誰かが駆けてくる音が聞こえてきたのは。
明らかに自分に近づいてくるその足音に思わず振り向けば、そこには先ほどの女性が息を切らして立っていた。
少し警戒しつつ、静弥は「何か?」と冷静に問いかけた。
自惚れるつもりはないが、日米のハーフである母に似たこの顔を気に入って寄ってくる女性は多い。かつても、見知らぬ女性からストーカーまがいのことをされ、だいぶ迷惑したことがあったからだ。
何の用だろうと身構えていると、女性は躊躇いがちに口を開いた。
「あ、あの、あの……」
そう繰り返した後、なんと言って良いか分からないとでも言うように口を噤み、手に持っていたビニールの袋を手渡してくる。
中には紙袋が入っており、何かの柄が描かれていた。
静弥がそれを受け取ると、女性はほっとしたように口元を綻ばせた。
「これ、お礼です! それじゃ、失礼します!」
ぺこりと頭を下げて去って行く後ろ姿を、静弥は呆然と見送った。
これを渡すためだけに、わざわざ追いかけてきてくれたのだろうか。何て律儀な女性なのだろう。
ほんわか、と胸の中が温かくなり、静弥は首を傾げながら胸に手をやる。
これは一体なんなのだろう。熱でもあるのだろうか。
家に帰り着いて紙袋を取り出してみると、そこには可愛らしいドーナツの絵柄が描かれていた。『ハニービー・ドーナツ』というそれは、最近になってアメリカから進出してきたチェーン店だ。
それだけではない。
マジックペンで、可愛らしい文字が書いてあったのだ。
「今日は、ありがとうございました」
最後にはスマイルマークまで描かれている。
袋の中には、ホイップクリーム入りのうさちゃんドーナツと、チョコレート味のくまちゃんドーナツが入っている。
何て可愛らしいチョイスなのだろう。
うさちゃんのほうを一口食べてみると、フリーズドライされた苺とホイップクリームが混ざり合い、程よい甘さが口いっぱいに広がる。
と同時に、これを渡してくれた時の彼女の笑顔がほわわん、と胸の中で蘇り、何とも甘酸っぱい心地になった。
ほわわん、ほわわん、ほわわわわん……。
静弥は自宅のカーペットの上で芋虫のように丸まりながら悶え苦しんだ。いつも冷徹な専務と彼のことを噂している部下たちには、到底見せられない無様な姿であった。
それというのも今日、彼が専務を努めている総合商社の会長――静弥の祖父である――から、いきなり見合い話を勧められたのである。
相手は会長のゴルフ仲間でもある大手銀行頭取の娘だとかで、どうやら断るのは難しいようだ。
というより、会長自身がこの縁談に乗り気である。
静弥自身は、当然ながら断った。
今時そんな政略結婚のような縁談なんて流行らない。流行っていてたまるものか。
別段決まった恋人などはいない。今まで後腐れのない相手ばかりを選んでつきあってきたが、今はちょうど関係が切れて数ヶ月が経ち、女とはご無沙汰である。
それはいいとして、あの派手好きの祖父が決めた結婚相手など、きっと銀座のネオンのようにきらびやかで華やかな女性に違いない。
静弥はどちらかというと、控えめで大人しいタイプの女性に引かれるたちである。
アメリカ留学中に、派手な女性はさんざん見慣れてきたせいかもしれないし、幼少期の体験が関係しているのかもしれない。
味噌汁を作るのが上手な、家庭的で物静かな女性が好きなのだ。いわゆる大和撫子という感じの。
時代錯誤な趣味かもしれないが、そこは譲れない。
しかし「お断りします」との静弥の言葉を、大正生まれで頑固な祖父が聞くはずもなかった。
「これはもう決定したことじゃ」
などと重々しい口調で告げ、なおも抵抗しようとする静弥を会長室から追い出したのだった。
もう少しで「このクソ爺」と言ってしまうところであったが、それはすんでのところで思いとどまった。そんな下品な言葉を吐いてしまえば、幼少期を育ててくれた子守の八千代おばあちゃんが天国で泣いてしまう。
その後、専務室でパソコンに向かったが、集中できるはずもない。
エンターキーを叩く音だけがやたらと甲高く鳴り響き、そのたびに秘書を怯えさせたのだった。
そんな、会社からの帰り道であった。
「あの……っ、離して下さい……!」
怯えたような声がどこからか聞こえてきて、静弥は何気なくそちらのほうに目を向ける。
すると、だぼだぼのズボンからキャラクタートランクスをちらりと覗かせた若者が、うら若い女性に絡んでいるところだった。
若者は女性の腕を掴みながら、「いいじゃんいいじゃん」と繰り返していた。
「お姉さん、オレとあそびにいこうよ~! カラオケでいいっしょ。オレ、よく面白いねって言われるんだけど、お姉さんも一緒にいたら、きっとオレの良さに気付いてくれると思うなぁ」
「困ります、離して……!」
女性は明らかに助けを求める様子で周囲に視線を送るが、誰もが厄介ごとには巻き込まれたくないとばかりに、そそくさとその場を後にする。
「ねえ、ほら~。こっちおいでよ。何もしないからさ」
若者のヘラヘラとした笑みは、先ほどからの静弥の苛立ちを煽った。
何が「何もしないからさ」だ。大人の言う「また今度ね」くらい信用できない言葉ではないか。
つかつかと二人のほうへ歩み寄った静弥は、若者の腕を捻るように掴み上げ、女性から引きはがした。
「いって……何すんだよおっさん!!」
若者が静弥に噛みつくように叫んだ。
若者から見ればおっさんなのかもしれないが、静弥はまだ三十五歳である。世間一般的に見ておっさんではない。だが今はそんなことはでどうでもいい。
眼鏡の向こう側にあるヘーゼルブラウンの瞳に凍てつく色を宿しながら、静弥は若者を見下ろした。
何せ187㎝も身長があるのである。そこらの男は皆小さく見えてしまう。
「この女性が嫌がっているのが分からないのか」
「は? 意味分かんないんですけど。アンタ、この子のカレシかなんか?」
「私が誰であろうと君には関係ないだろう。それとも、今すぐ警察を呼ぶか?」
凄みを利かせて言えば、「警察」という単語に若者はぴくりと反応した。
明らかに慌てたようになると、静弥の手をふりほどき、その場から走って逃げ去る。
「ばーか! そんなブスになんか別に興味ねーよ!」
そんな、ベタな捨て台詞まで吐いて。
残った静弥は、やれやれとため息をついて女性へと向き直った。
「大丈夫か?」
「は、はい……。助けて頂いて、ありがとうございました」
それまで俯いていた女性が、顔を上げる。
よく見れば、まだ二十歳にもなっていないだろう若さだった。制服は着ていないが、高校生と言ってもおかしくない顔立ちである。
今時珍しく髪を染めておらず、真っ黒な髪を肩の下辺りで切りそろえている。
こぎれいなワンピースに身を包み、自らを守るように、白いバッグを抱きかかえていた。
「もう心配ないだろう。気をつけて」
その場を立ち去ろうとした静弥に、女性が背後から声を投げかけた。
「あの! よろしければお礼をさせてください」
静弥は少し驚いて、足を止める。
強引な若者を追いやっただけでそんなことを言われるとは、夢にも思っていなかったのだ。
「気にしないでいい。私が勝手にしたことだ」
「でも……」
女性のほうはまだ何か言いたそうだったが、静弥がもう一度「気にしなくていい」と言うと、もう何も言わなかった。
そうして、歩き始めてしばらく経った時だった。
背後から荒い呼吸と共に、誰かが駆けてくる音が聞こえてきたのは。
明らかに自分に近づいてくるその足音に思わず振り向けば、そこには先ほどの女性が息を切らして立っていた。
少し警戒しつつ、静弥は「何か?」と冷静に問いかけた。
自惚れるつもりはないが、日米のハーフである母に似たこの顔を気に入って寄ってくる女性は多い。かつても、見知らぬ女性からストーカーまがいのことをされ、だいぶ迷惑したことがあったからだ。
何の用だろうと身構えていると、女性は躊躇いがちに口を開いた。
「あ、あの、あの……」
そう繰り返した後、なんと言って良いか分からないとでも言うように口を噤み、手に持っていたビニールの袋を手渡してくる。
中には紙袋が入っており、何かの柄が描かれていた。
静弥がそれを受け取ると、女性はほっとしたように口元を綻ばせた。
「これ、お礼です! それじゃ、失礼します!」
ぺこりと頭を下げて去って行く後ろ姿を、静弥は呆然と見送った。
これを渡すためだけに、わざわざ追いかけてきてくれたのだろうか。何て律儀な女性なのだろう。
ほんわか、と胸の中が温かくなり、静弥は首を傾げながら胸に手をやる。
これは一体なんなのだろう。熱でもあるのだろうか。
家に帰り着いて紙袋を取り出してみると、そこには可愛らしいドーナツの絵柄が描かれていた。『ハニービー・ドーナツ』というそれは、最近になってアメリカから進出してきたチェーン店だ。
それだけではない。
マジックペンで、可愛らしい文字が書いてあったのだ。
「今日は、ありがとうございました」
最後にはスマイルマークまで描かれている。
袋の中には、ホイップクリーム入りのうさちゃんドーナツと、チョコレート味のくまちゃんドーナツが入っている。
何て可愛らしいチョイスなのだろう。
うさちゃんのほうを一口食べてみると、フリーズドライされた苺とホイップクリームが混ざり合い、程よい甘さが口いっぱいに広がる。
と同時に、これを渡してくれた時の彼女の笑顔がほわわん、と胸の中で蘇り、何とも甘酸っぱい心地になった。
ほわわん、ほわわん、ほわわわわん……。
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