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空が狭い
しおりを挟む「都会の空は狭い」
誰が言い出したか、今の日本という国には、当たり前のようにこんな言葉がある。
昨晩変な考え事をしていて、寝るのが遅くなってしまったせいなのか、今日も今日とてこんな言葉が頭の真ん中に座っている。
まぁそもそも、こんなくそ暑い中を歩きながら出勤している時点で僕の頭はおかしくなってしまっているのかもしれないが。
家から持ってきた、使い回しのペットボトルに入ったもう常温ですらないぐらいの温度の水を少し口に含みながら、空を見上げた。
別に、僕の地元と同じ空だ。
強いて言えば、今日は少し変な形の雲が多いかもしれない。
でも別に、空は狭くない。
もちろん僕が気にする必要なんてないことではあるが、いつも通り空はこの星一周ぐるっと無限に広がっているはずだ。
空が狭いと言い出した人は、このビルに囲まれた場所から見上げた同じような空を見て、「あぁ、なんか故郷よりも空が狭いなぁ」とか思ったのだろうか。
それともビルのジャングルで育った人が本物の自然の中から空を見て、「空ってこんなに大きいんだ」と呟き、それを聞いた友人が「じゃあ都会の空は狭いってこと?」なんて、ちょっと馬鹿にしながら言ったのが始まりなのか。
なんてどうでもいいことを考えていると、歩いて15分ほどの僕のバイト先にはあっという間についてしまう。
まさに、「妄想の時間は早い」と言ったところだろうか。
現実の何気ない時間は全く進まないのに、適当な妄想をしていると、光の速さで時間は進んでいってしまう気がする。
というか、昨日から全く例えが上手くいっていない気がする。
いや、きっと気ではない。
ふと、自分を客観視して見下した。
「おざっすぅー」
原型がギリ残るぐらいの挨拶をして職場の更衣室に向かった。
ちなみに、僕のバイト先はもうほとんど客も来ないレンタルDVD屋だ。
何のためにサブスクで映画やアニメが見れる時代に存在しているかわからないが、きっとまだ誰かの役には立っているのだろう。
僕の少し捻くれた性格は、「こんな場所でバイトをしているせいでもあるのかな?」なんて考えながら制服の紐を結んだ。
「今日もよろしく。頑張ろうね。」店長さんがいつものテンプレの挨拶。
「別に頑張ることなんてないだろ。」小声でツッコむ。
客は来て10人だ。
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