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七章 決戦
43話 死線を超えた先に12
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「………は?」
国で救助活動をしているとミリーナの気配が世界から消えた。どういうことかと思い急いで判別で確認したが国王諸共反応がなかった。
「…………雫は?」
ミリーナの反応がなくなったことにも驚きだが今の今まで雫のことを全く考えていなかった。雫はミリーナたちと一緒にいたはずだし兄弟たちも一緒だったはず……あれ、なんで俺は家族のことを忘れていたんだ?。
「何かがズレてる?」
兄弟たちのことを判別で探したが見つからなかった。もちろん雫たちも。そしてジーク達もだ。
「アイツらは先に帰らせたはず……なんだ?どうなってる?」
頭がクラクラしていたが、救助活動を連れてきた奴らに任せてミリーナの最後の反応があった場所に向かった。
「おっ、来た来た」
ミリーナの最後の反応があった場所である平原の大岩の上で男が手に丸いものを持って座っていた。その丸いものにはどちらも見覚えがある。
「遅かったねアスト君」
「お前…誰だ」
何故か目の前の男から何も感じられなかった。敵意も害意も生きているのかもわからないようなそんな奴が目の前にいた。
「誰だ…か。まあそろそろだよね。じゃあ、うん。まずはオハナシシヨウ」
最後の言葉がカタコトになった瞬間に空間が変わった。真っ黒で何もない恐怖感を煽るそんな空間だ。
察知出来なかったということは魔法でもスキルでもない。ましてや俺を傷つけるためのものなのかもわからない。
「サテト、コレカラノハナシナンダケド、キミハヤリスギタ」
「やり過ぎた?たしかにそうかもしれないがお前なんかに咎められるようなことはしていない」
カタコトで少し聞き取りづらいが大まかに言っていることはわかった。
「ウーン。マズネ、キミダケテンイニシッパイシタノガスベテノハジマリナンダヨ」
その瞬間俺の目の前に映像が浮かび上がった。それは俺が初めてガイア様とお話をした時のものだ。
「ガイアハタシカニソンザイスル。デモキミガオモウヨウナカミジャナカッタ」
「…は?」
次に流れた映像はガイア様が俺の心臓を笑いながら握り潰し殺している映像だった。
流石に訳がわからない。
「キミハコノトキニシンデイルンダヨ」
「ま、てよ?おいおい。そんなのはおかしいぞ!なら今の俺はなんだってんだよ!?」
「マダワカラナイカイ?」
「はぁ?」
分からないかい?などと聞かれてもわかるはずがない。俺は今生きてるんだ。こいつが言ったように死んだんなら今の俺の存在がありえない。
「ワカッテルジャナイカ」
「は?」
「アリエナイコトヲカノウニシタンダヨ」
「何をどうやって」
「スキルダヨ」
訳がわからない。そんなことが可能なスキルなんてこの時の俺にはないはずだ。
「キミガシラナイダケデジツハアルンダヨ」
「なんだよそのスキルって」
「『ガイネンソウサ』ダヨ」
概念操作が?でも今まで問題になるような感じは全くなかった。
「キミガモトモトモッテイタコユウスキル。スベテノガイネンヲジザイニアヤツルコトガデキル」
「……それで、これとそれとでなんの関係が?」
「キミハガイアニコロサレルシュンカンコウイッタンダ。「死にたくない、強くなりたい」ッテネ」
目の前の映像にも男が言った言葉がそのまま流れた。
「ソレニヨッテヨノナカノガイネンガカワッタ。キミヲシナセナイタメ、ツヨクスルタメニセカイガカイヘンサレタンダ。アノトキニクタイハシンデイタ。デモガイネンソウサノエイキョウデタマシイがソノガイネンヲジッコウしようしていたんだ」
「………なるほど、要約すると。俺の肉体は死んだが魂だけが残り俺を強くするために改変された世界で残り続けた。そこでガイア様が俺の魂を見つけて周りにバレないように都合のいい玩具にしたってわけか」
「サスガダ」
そうなると…今の俺は夢を見ているのと同じ状況なんだろうか?
「ソレハチガウ。ダカラワタシガキタノダ」
「違う…っていうのは?」
「キミガカイヘンサレタセカイデガイネンソウサヲナンカイモツカッタカラダ。ソノセイデコノセカイガタエラレナクナッテイル」
「そこまで影響があるのか?」
「アトスウカイツカエバ、コノセカイハキエルダロウ」
「それなら、俺はどうすればいい?」
世界が消えるって時にどうしたらいいかなんて正直言って分からん。だからわかるやつに聞くしかない。
「センタクシハ3ツ。1ツメハ、キミガコノママシネバスベテオワリ。2ツメハ、ワタシガキミモロトモセカイヲコワシテアタラシクツクルコト。ソシテ3つメ、サイゴニイチドダケガイネンソウサヲツカイサイショニモドス」
「つまり、結局のところ俺が死ねば全部解決するってことか。よし、じゃあ最後に概念操作使って全部終わりにするよ」
「………ワカッタ」
俺は目の前の男から目を離し目を瞑った。色々なことを経験して最愛の人とも暮らせて充実した幸せな日々だった。
結局の所、俺が原因で壊れそうになってるんだから俺が責任を持たなくちゃな。
「『概念操作:俺という存在を消して全てを無かったことに』」
発動した瞬間俺の体が光の粒子になって消えていった。不思議と痛みとかは感じない。
「サイゴニ、プレゼントヲワタソウ」
「消えるやつに言うことかそれ?まあ貰えるものは貰っとくよ。じゃあな」
そう返すと、目の前にいた人影は有る少女の姿に変わった。
(これは彼女の意思だ。聞き届けてやってくれ)
頭にその声が届くと。いつも聞いていた彼女の声が聞こえた。
「アスト。今までありがとう!またね」
「おう。俺もありがとうなミリーナ!」
最後に言葉を交わして俺は消えた。
国で救助活動をしているとミリーナの気配が世界から消えた。どういうことかと思い急いで判別で確認したが国王諸共反応がなかった。
「…………雫は?」
ミリーナの反応がなくなったことにも驚きだが今の今まで雫のことを全く考えていなかった。雫はミリーナたちと一緒にいたはずだし兄弟たちも一緒だったはず……あれ、なんで俺は家族のことを忘れていたんだ?。
「何かがズレてる?」
兄弟たちのことを判別で探したが見つからなかった。もちろん雫たちも。そしてジーク達もだ。
「アイツらは先に帰らせたはず……なんだ?どうなってる?」
頭がクラクラしていたが、救助活動を連れてきた奴らに任せてミリーナの最後の反応があった場所に向かった。
「おっ、来た来た」
ミリーナの最後の反応があった場所である平原の大岩の上で男が手に丸いものを持って座っていた。その丸いものにはどちらも見覚えがある。
「遅かったねアスト君」
「お前…誰だ」
何故か目の前の男から何も感じられなかった。敵意も害意も生きているのかもわからないようなそんな奴が目の前にいた。
「誰だ…か。まあそろそろだよね。じゃあ、うん。まずはオハナシシヨウ」
最後の言葉がカタコトになった瞬間に空間が変わった。真っ黒で何もない恐怖感を煽るそんな空間だ。
察知出来なかったということは魔法でもスキルでもない。ましてや俺を傷つけるためのものなのかもわからない。
「サテト、コレカラノハナシナンダケド、キミハヤリスギタ」
「やり過ぎた?たしかにそうかもしれないがお前なんかに咎められるようなことはしていない」
カタコトで少し聞き取りづらいが大まかに言っていることはわかった。
「ウーン。マズネ、キミダケテンイニシッパイシタノガスベテノハジマリナンダヨ」
その瞬間俺の目の前に映像が浮かび上がった。それは俺が初めてガイア様とお話をした時のものだ。
「ガイアハタシカニソンザイスル。デモキミガオモウヨウナカミジャナカッタ」
「…は?」
次に流れた映像はガイア様が俺の心臓を笑いながら握り潰し殺している映像だった。
流石に訳がわからない。
「キミハコノトキニシンデイルンダヨ」
「ま、てよ?おいおい。そんなのはおかしいぞ!なら今の俺はなんだってんだよ!?」
「マダワカラナイカイ?」
「はぁ?」
分からないかい?などと聞かれてもわかるはずがない。俺は今生きてるんだ。こいつが言ったように死んだんなら今の俺の存在がありえない。
「ワカッテルジャナイカ」
「は?」
「アリエナイコトヲカノウニシタンダヨ」
「何をどうやって」
「スキルダヨ」
訳がわからない。そんなことが可能なスキルなんてこの時の俺にはないはずだ。
「キミガシラナイダケデジツハアルンダヨ」
「なんだよそのスキルって」
「『ガイネンソウサ』ダヨ」
概念操作が?でも今まで問題になるような感じは全くなかった。
「キミガモトモトモッテイタコユウスキル。スベテノガイネンヲジザイニアヤツルコトガデキル」
「……それで、これとそれとでなんの関係が?」
「キミハガイアニコロサレルシュンカンコウイッタンダ。「死にたくない、強くなりたい」ッテネ」
目の前の映像にも男が言った言葉がそのまま流れた。
「ソレニヨッテヨノナカノガイネンガカワッタ。キミヲシナセナイタメ、ツヨクスルタメニセカイガカイヘンサレタンダ。アノトキニクタイハシンデイタ。デモガイネンソウサノエイキョウデタマシイがソノガイネンヲジッコウしようしていたんだ」
「………なるほど、要約すると。俺の肉体は死んだが魂だけが残り俺を強くするために改変された世界で残り続けた。そこでガイア様が俺の魂を見つけて周りにバレないように都合のいい玩具にしたってわけか」
「サスガダ」
そうなると…今の俺は夢を見ているのと同じ状況なんだろうか?
「ソレハチガウ。ダカラワタシガキタノダ」
「違う…っていうのは?」
「キミガカイヘンサレタセカイデガイネンソウサヲナンカイモツカッタカラダ。ソノセイデコノセカイガタエラレナクナッテイル」
「そこまで影響があるのか?」
「アトスウカイツカエバ、コノセカイハキエルダロウ」
「それなら、俺はどうすればいい?」
世界が消えるって時にどうしたらいいかなんて正直言って分からん。だからわかるやつに聞くしかない。
「センタクシハ3ツ。1ツメハ、キミガコノママシネバスベテオワリ。2ツメハ、ワタシガキミモロトモセカイヲコワシテアタラシクツクルコト。ソシテ3つメ、サイゴニイチドダケガイネンソウサヲツカイサイショニモドス」
「つまり、結局のところ俺が死ねば全部解決するってことか。よし、じゃあ最後に概念操作使って全部終わりにするよ」
「………ワカッタ」
俺は目の前の男から目を離し目を瞑った。色々なことを経験して最愛の人とも暮らせて充実した幸せな日々だった。
結局の所、俺が原因で壊れそうになってるんだから俺が責任を持たなくちゃな。
「『概念操作:俺という存在を消して全てを無かったことに』」
発動した瞬間俺の体が光の粒子になって消えていった。不思議と痛みとかは感じない。
「サイゴニ、プレゼントヲワタソウ」
「消えるやつに言うことかそれ?まあ貰えるものは貰っとくよ。じゃあな」
そう返すと、目の前にいた人影は有る少女の姿に変わった。
(これは彼女の意思だ。聞き届けてやってくれ)
頭にその声が届くと。いつも聞いていた彼女の声が聞こえた。
「アスト。今までありがとう!またね」
「おう。俺もありがとうなミリーナ!」
最後に言葉を交わして俺は消えた。
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