宇宙探偵UME

うりは

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宇宙探偵UME

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宇宙にだって名探偵は居る。俺だ。
こんもりと可愛らしいフォルムの自動車が、砂漠の砂を巻き上げて走る。
いにしえのフィアットなんとかだとかいうブランドを模したらしいこの自動車を運転するのは、俺の助手、鶯だ。
名探偵の俺、梅は、助手席が専用席だ。
助手は、ウグイスの名に似合わぬ筋肉質のでかい図体を器用に折りたたんで運転席に座り、大きな手のひらで柔らかくハンドルを支えている。
昨晩はあの手のひらが俺の腰を放さなかった。
なかなか良い自動車だ。

「おっと、スナディルドの足跡だ」

正しくは、通過跡。
目前には、車幅の三倍ほどの大きさの砂が隆起している。
あの巨大な生物が通った跡だ。
生殖期のやつらは、酷い粘性のある液体を分泌しながら移動する。
粘性の液体には様様な効果があり、だいたい面倒だ。
その粘液は通常時、砂漠を分かり易く盛り上げて固める。
それを確認した助手は、反動のない緩やかな動きで車を止めた。
生殖期ということは、この周囲にやつが居るかも知れないからだ。
運が悪いと、数匹と相まみえることになる。
凶暴というわけではないが、いかんせん、身体がでかく、逃げることに遅れもすれば潰される。
俺たちには、使える武器がない。
名探偵は非戦闘民族なのだから。

「経路を変えて良いですか。それから何処か寝泊まり出来る場所を探して、一日様子を伺いましょう。どうですか、名探偵」
「そうだな。一日もすれば、スナチンチンも何処かに行くだろ」

スナチンチン、と助手が復唱する。
有能な助手は、すぐに姿を隠せる岩場を見付けた。
そこに車を止めると、じっとりと濃い瞳でこちらを見る。

「名探偵さん、事件です」
「そうか。おい、お前たち」

俺は後部座席で静かに寝ていた二匹に声を掛ける。
こいつらは宇宙人だ。
詳しくは、宇宙人のペットだった宇宙人。
俺が拾った。

「は~い」
「なに~」
「晩飯を用意したい。狩りをしてくるか?」
「良いの!?」
「するするしてくる!」

二人は喜び勇んで車から飛び出る。
好戦的だからって捨てられたペットだが、俺のもとで、それは長所でしかない。
しかも、片方は火を生み出し、片方は水を生み出せる。
宇宙名探偵にはもってこいのペットだ。
たまに不都合はあるけれど、許容の範囲内と言えよう。

「で、助手くん。事件とはそれかな」
「すごく困っています」

しょんぼりと眉毛を垂らす助手は、宇宙一可愛らしい。
俺は助手の股間の膨らみを見ながら言う。
何処でどう発情したのか分からないが、こいつは俺のことが大好きなのだ。

「名探偵さんが、スナチンチンなんて可愛いことを言うから」
「そこか」
「尿道に砂が入ったみたいにむずむずします」
「そりゃあ吸い出してやらなきゃなあ」

俺はにやけた顔を隠しもせずに、助手席から運転席へと身体を傾ける。
こういうときのために、ハンドブレーキにはすぐカバーが付けられるようになっている。
服のうえからすんすんと鼻を押し付けるだけで、助手のちんちんは愛らしくびくびくっと反応した。
このまま焦らして遊んでやりたいところだが、助手はお願いするように俺のうなじを撫でる。

「直接しゃぶってください」
「んん?」
「服を汚したくないです」

そうなのだ。
この車に載せられる荷物には限りがあり、セックスのたびに着替えられるほど、服はない。
このまま焦らしてやった場合、洋服は使用できないものと化す。
こいつは下半身丸出しで寝て、下半身丸出しで運転することになるだろう。
それは俺の忍耐力がもたないだろうから、仕方なく、俺は助手のズボンを寛がせる。
精液は呑んでしまえば、掃除も要らない。

「いつ見てもでけぇなあ」
「そうですか。でもほら、大切なものは目に見えないって言いますし」
「大きさが全てでは無いってことか。名探偵としては、逃がせないなあ」

しこしこと竿を擦ってやれば、我慢するかのように腹がぴくぴくするのを横で感じる。
膚が熱い。
すぐに俺も同じくらいになる。
竿を擦っていた手を玉にもってゆき、自立するちんちんを先端から無遠慮にむしゃぶりつく。
ちゅうちゅうと柔らかく吸って、上目遣いで笑ってやると、がっつりと後頭部を鷲掴みにされた。
ぐっと股間が間近になり、陰毛が口に当たるタイミングでちんちんをごくりと呑み込んでやる。

「ん、っう、ぐ、ん゛ッ」
「ああっ! 梅さんっうめさんっ!」

助手は、喉の奥にごりごりとちんちんを擦り付けて、俺の名前を呼びながら射精した。
俺はごく、ごくっと喉を鳴らして吞み下す。
きっと目には見えない大切なものが入っている。



「今回はネコでしたっけ」
「ネコモドキだ」

名探偵は大事件の解決もするが、迷子のペットたちを捜索することもある。
どちらもひとの役に立つ、たいへん推理力の必要な仕事だ。
ネコモドキとは、一概に定義がない。
宇宙は広く、生物は様様で、判別する暇がないため、ネコっぽいものは全てネコモドキとされている。

「虎模様で、おでこだけがハートになっているんですよね」
「そう。名前は寿限無寿限無五劫の擦り切れ」
「長いんでしたっけ」
「ああ。海砂利水魚の水行末雲来末風来末」
「良いです。あとはググるんで」

ググるとは古の言葉で、そこまで興味がないことを意味する。
俺たちも、ただやみくもに車を走らせているわけではない。
俺の情報網で仕入れた目撃情報をもとに、やみくもに車を走らせている。
ちょっと休憩するか、と口を出すのは俺だ。
長時間の運転は疲れるだろうし、舗装の甘い道路は助手の運転であっても揺れる。
尻を酷使する俺にとっては、辛いものだ。
後部座席の二匹はほとんど寝ている。
寝るか、狩りをするか、食べるかなのだ。
性欲はあるのだろうか。
ちんちんは付いていた。

心もとない木陰で休息をとることにした。
俺は身体を伸ばしたくて、外に出る。
助手もついてくるが、二匹は車のなかで、夢のなかだ。
木陰は小さく、二人のおとこが入るには狭かった。
長時間の運転で、助手は疲れているだろうと思い、場所を譲ろうとすると、とすんっと木に背中が当たるほど追いつめられる。
これはヨガのポーズのひとつ、カベドーン。
なにやら隠微な雰囲気が漂い始め、嬉しくなる。
求められるのも、求めるのも、堪らなく名探偵的だ。

「此処ですんの?」
「駄目ですか?」
「立ちバックかな」

そう思い、俺はズボンとパンツを脱ぎ、飛んでいかないようなところに置いておく。
木に手を当てて、ぺたぺたと確かめる。
上着を脱がないのは、木肌で怪我をしたときに厄介だったからだ。
この木は蔓性のようで、木肌も棘がない。
良かった。

「立ちバックじゃあ、ありません」

助手は、言うとくるりと俺を正面に向かせた。
彼は既に全裸で、素晴らしい肉体美を太陽にさらしている。
俺越しに木をまさぐって、蔓を引っ張り出すと、俺の手首に巻き付けた。
万歳の状態になって彼の思惑を待つ。

「この種類の木は、形状維持効果が高いんです」

助手は俺よりも知能が低いくせに、性的な知識が豊富だ。
助手がぐっと蔓を引いて、木の枝に巻き付ける。
俺は万歳のまま、つま先が付くかどうかの格好になった。

「足が付かない」
「こうやって、抱えれば平気でしょう」

助手は俺の両足を腰に抱えた。
背中は木に支えられ、体重は助手が支えているから、先ほどよりはましだ。
けれど、このまま尻の割れ目に擦り付けられているものが、入れられるのだろうか。

「まじで?」
「もちろん」
「ちょっと、ま、~~~ーーーーーッ!?!」

ずぶずぶずぶっ、と勃起したちんちんが内臓を丸く拡げながら入ってくる。
太く重いそれを、何度も受け入れたことがある身だけれど、慣れはしない。
ぼた、ぼたと涙が溢れ、は、は、と息が苦しくなる。
助手は入れるとすぐに、大量の精液を撒きつけた。
ゆさゆさと、出した精液を塗りこむように揺らされる最ちゅうは、呼吸への配慮があるキスをくれる。
ぬちぬちと滑らかに動くようになって、漸く、俺は声が出るようになる。

「て、ぇあっ! て、いたぃ、っうん、ん」
「力を、抜いてください。身体は、支えていますから」
「んんあっ! やだ、ぜんぶっはいっちゃう」
「そうですね。ここだけでも、気持ち良いのに、もっと、きもちよくなっちゃいますね」

助手はごりごりと執拗に俺の良いところを抉る。
俺のちんちんからは、精液が断続的にとぷとぷと力なく零れている。
種付けの役割を放棄した、切ない射精だ。
足や腰をばたつかせて快感を逃がしたいのに、がっしりと支えられ、木と助手に挟まれて動けない。
助手の大きく立派なちんちんで奥を犯されるのは、確かに真っ白になるくらい気持ちが良い。
けれど、もっとゆっくりで良いではないか。
どうせあと五、六発撃つのだろうから、最後の一発とかで良いと思わないか。
やだやだと首を振るも、こういう時の助手は優しくない。
いき疲れて腕から力が抜けると、ずるっと身体が落ちる。
同時に助手のちんちんが、身体いっぱいを貫いた。

「ひ、ぅ、ぁあ、ああ゛あぁああああ゛あ゛ーーーーーーッ!!?!!!!」
「ああ、全部、入りました。梅さん、気持ち良いですね」
「ぁ、ぁ、ぅあ」
「なかに出した精液をかき回されるのが、お好きだっておっしゃったので」
「ぁ、あ?」
「昨日の晩ですよ。だから、今日はそれを結腸でやってみようかと」
「ん、ぅ、ぅん、や」

目からも口からもだらだらと液体を垂らしているだらしない俺の顔を了解と受け取ったのか、助手はぐぽぐぽと奥を犯し始める。

「あ゛あぁぁああッ! やら、っいいのやらぁあ!!!」
「ふふ、どっちですか? は、うっ、ほら、ッ出しますよっ!」

奥まで詰まったちんちんがびくびく、と震え、びゅうびゅうと精液を叩きつける。
助手がぐりぐりと腰を押し付けている間も、絶えずまき散らし、お腹が膨れる気さえする。
ちんちんの足りないところまで、助手の種が染み渡ってゆく。
俺はびくびくとつま先を震えさせて、長く絶頂する。
けれど、助手がやりたいのはここからだ。
みっちりと埋まっていたちんちんが引かれ、どちゅんっ! と再び穿たれる。

「ひ、ぃあ」
「なかに出したやつ、泡立つくらいかき混ぜますからね」
「ぁ、っ」
「ほら、すごいえっちな音がする」

ぐぽぐぽと乱暴に奥を殴られるのとともに、出された精液がごぽごぽと音を立てる。
精液をもっと奥へ送り込もうとするかのように搔きまわされる。
俺の脳天までちんちんが突き刺さって、きっとこの木も折れてしまう。
木の代わりに、助手のちんちんが此処一帯を見守ることになるのだろう。
身体が熱くて、そこかしこから液体が溢れているのに、助手は一滴も零さないという強い意志で、奥ばかりを攻め立てる。
全身が弛緩して揺さぶられるがまま、いき狂い、助手がもう一度射精するころには失神していた。

目が覚めると辺りは薄暗くなっていた。
俺は助手の腕に抱かれ、助手は木にもたれ掛かっている。
木は折れずに持ちこたえたようだ。
身体は綺麗に拭われ、尻のなかもあらかた掻き出してくれたらしい。
後部座席で眠っていた二匹は目をぱっちりと開き、自分たちで狩ってきたという大量の肉を焼いて食べている。
良い食べっぷりだ。
スナディルドの肉だそうだ。
良い歯ごたえだった。

「すみません。やり過ぎました」
「俺のことが好きなら、俺の内臓も労わってくれ」
「でも、気持ちよさそうでした」
「いや、うん、まあ、そう」

助手の腕のなかは心地よく、力の抜けた胸筋は宇宙のおっぱいと呼ぶに相応しい。
ぼんやりとする意識のなかで、ふと違和感を抱く。
この薄暗さはおかしい。
空を見上げると、居た。
ネコモドキだ。

「でっか」

そういえば、助手のちんちんをはじめて見たときも、そう言った気がする。
俺のことが好きなら縮めてくれと。
そのあと彼は十分に努力したのだった。

「でかいですね」
「ネコって食べられるの?」
「急所はどこだ!?」
「まだ食べる気なのか?」

空一面が一匹のネコに覆われていた。
半球状の空に、ネコがぐるりと丸まっているのだ。
虎模様が美しく、額だけ曲がってハートになっている。
寿限無略に違いなかった。
俺はふらりと立ち上がると、助手が支えてくれる。

「おーい、寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処藪柑子の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」
「なんだ、人間よ」
「うわ、しゃべった」

もぞりとネコが動くと、奇妙な心地だ。
空が歪んでいるのか、俺たちが歪んでいるのか分からなくなる。

「お前、ミクスネコスキーの飼いネコだろう? 帰ってやってくれないか」
「いやじゃ」
「どうして」
「窮屈でかなわん」
「なにがあったんだ」

すると、ネコはしゅるしゅると空から剥がれる。
正確には、身体を縮めたらしい。
俺と同じくらいの目線まで縮まると、止まった。
同じ背丈の四足歩行動物は、なかなか怖い。
助手の手を、ぎゅっと握ってしまう。

「このように、我は身体を変幻自在に変えられる」
「お、おう」
「ミクスネコスキーはそれを利用して、飼っているおとこどものアナルに挿入しよった」
「お、おう?」

ミクスネコスキーの好きなネコとは、おとこのことだったらしい。
窮屈な思いもするだろう。
尻の穴というのは、元来、排泄孔なのだから。

「いやじゃった。あんな、物のような扱い」
「それはいやだなあ」
「名前も呼んでくれなんだ」
「それは寂しい」
「でもお前は違う」

ネコモドキは瞳をらんらんと瞬かせた。
肉食獣の本性を隠さない息遣いで近寄ってくる。

「お前のアナルであれば、入っても良い」
「駄目です! 名探偵のアナルはあげません!」
「まて、俺のアナルは俺のものだ」
「ねえ、あなるってなに?」
「いつも助手さんがちんちんを入れたり挿したりしてるとこだよ」
「お前ら見てたのかよ」

名前を呼ばれたのがそんなに嬉しかったのか、ごろごろとネコっぽい音を出しながら、擦り寄ってくる。
ネコのように小さくはなく、俺くらいの背丈のままだ。
擦り寄ると同じくらい、おかしな圧力で助手が圧され、離れてゆく。
先ほどまで腰が砕けるほど犯されていた俺が、ひとりで立っていられるはずがなかった。
体重に負け、押し倒されて地面にぶつかるところを、ネコモドキが変形して受け止める。
これは抱き締められていると、言うのだろうか。
超密着型のネコバスだ。
ごりごりと腹に当てられる物体をみると、巨大なネコチンチンだった。
ネコバスなんて可愛いものじゃない。

「ひっ」

ネコモドキ全体が縮小し、変形して、アナルに入っていたと思っていた俺は、驚く。
聞けば、多くのパターンがあるらしい。
パールになったりプラグになったりバイブになったり触手になったり。
大変な仕事だ。

助手たちの声が聞こえないほどに包まれて、もふもふのうふうふになってしまう。
よくない。
問題を解決することこそ、名探偵の名探偵たる由縁。

「お前をペットにしようか」
「なんと!」
「だから、いまは大人しくしていろ」
「わかった」

しゅるしゅると、先ほどの四足歩行のネコの姿に戻る。
心配していたらしい助手と、食が進んでいる二匹を確認して、ほっとする。

「俺のペットになるのなら、新しく名前をつけてやろう」
「良いのか!」
「水行末のマと、藪柑子のラでマラだ」
「良い名だ!」



次の依頼の為に星間移動をした。
古の地球のように草木が生い茂るこの星で探すのは、オオサンショウウオモドキだ。
難事件は舞い込んで来ない。
名探偵なんて、それで良い。
存在するだけで、誰かが救われるのだから。

「名探偵」

助手席でうとうとしていた俺の股間には、マラが居る。
ちょうど良い大きさのネコの姿になって、ふわふわの体毛と、ぽかぽかの体温で、下半身を温めてくれているのだ。
ふみふみしないでほしい。
勃起するから。

「なんだ」
「おぬしと助手はどういう関係なんだ」
「名探偵と助手」
「そのわりには、ところも時間も気にせずズコバコと」

今日の助手は、あの二匹の風呂当番だ。
あの二匹は、風呂が下手なのだ。
下手というかなんというか、永遠に入っている。
ゆえに、世話役が必要なのだ。

「助手の彼奴はおぬしのことを好いておるだろう」
「そうだな」
「おぬしは違うのか」
「あいつは助手だ」

ほんとうにそうだろうか。
解決の必要がない問題については、労力の無駄と判断して、きちんと考えたことがなかった。
助手とのセックスは、ただオナニーするよりも気持ちが良い。
オナニーには心身ともに回復効果があるから、余裕があればするべきだ。
それなら助手に相手をしてもらうのが正しい。
助手は俺の気持ちを聞いてこないし、ほしいとも言ってこない。
それなのにずっと傍に居てくれている。
俺にとって、助手は本当にちんちんであるだけなのだろうか。

「考えていなかったな」
「可哀そうに」
「ちんちんは好きだ」
「可哀そうだ」
「そうだよな」

助手はあるとき、俺を探し出し、居着いた。
どこかで俺は、彼を助けていたらしいのだ。
それからというもの、片時も離れずに傍に居る。

あまりにも当たり前に側にある存在なんて、そうそう真面目に考えたりはしない。
空気についてもそうだし、パンツについてもそうだ。
けれど確かに、助手は俺を好いている。
俺が何も考えていないのは、名探偵以前に人間として間違っている気もする。
名探偵は論理的な思考が重要ではあるが、人情にも通じていなければやっていけないのだ。

「名前も呼んでやっていないだろう」
「だって助手だし」
「だってじゃない」
「ううん」
「好きなら好きと伝えてやれば良いだろうに」
「だって」

マラは再びだってじゃない、と俺のお腹をネコパンチする。
その先には結腸があるから、あまり虐めないでほしい。
俺は助手が好きだ。
言葉にしてしまえば、そうなる。
常に助手のにおいを纏っていたいし、墓まで一緒にしたいと思っている。
なんならずっと繋がっていたい。
助手と係る全てのものを破壊して、俺だけを見るようにしてやりたい。
そうしてやらなくても、そういう状態であることが平和だ。
そう、問題は俺の、この感情の重さなのだ。

「好きって言ったらだめになる」
「なんじゃそれは」
「俺が助手を監禁してハッピーになっている未来が見えるんだよ」
「カンキンハッピー」
「そう。完璧で完全な監禁だ。でもあいつが好きなのは、名探偵の俺だし、俺が好きなのも名探偵の俺だ」

恥ずかしいことだけれど、この重い感情を知られて嫌われるのが嫌で、好きと自認できない。
ゆえに、伝えられない。
このままのうのうとセックスしているほうが、きっと平穏だろうと思ってしまう。
助手は好意を求めてこないし、俺はたぶん、このままが良い。
マラが俺のちんちんを揉みほぐしながら、みゃあみゃあと唸る。

「名探偵とはなんだ?」
「え」
「名探偵と犯罪者は相反するものなのか?」

俺の頭が空っぽになる。
否、光だ。
解決。
セックスと同じくらい気持ちが良い行為。
だから俺は、名探偵をやめられないのだ。
論理性だなんていうのは、結局、俺が納得できるかどうかなのだ。
真実は名探偵がつくる。
真実をつくることとは、罪だ。
名探偵と犯罪者に違いはなく、俺は助手のことを愛している。
それなら、答えはとうに出ていたのでは。

「嫌われたら監禁しよう!」
「その粋じゃ!」



二匹の風呂の世話をするという体で、俺も湯船に浸かる。
銭湯は広く、客は俺たちだけだ。
二匹は自由気ままに浮かんだり、泳いだりしていた。
この二匹は運命の番と言っても過言ではない。
もともと、二人とも宇宙人のペットだった。
ある違法な素行が飼い主にバレ、飼い主が愛想を無くして捨てたペットを、名探偵がそれぞれ拾ったのだ。
その素行とは、殺人だ。
ひとでもないものも含まれるけれど、おおよそ殺人だった。
一方は殺した相手の棒を集め、一方は同じく穴を集めた。
俺の口からは、到底言えないような部位だ。
死んでへなへなになったそれが好きだったらしく、それらで自分を慰めていたのだ。

特殊性癖を除けば、彼らは有能だ。
火を扱えることも、水を扱えることも、生活には大いに役立つ。
しかし、そういうペットは流通しているから、飼い主たちは簡単に捨ててしまったのだ。
生活費に困窮していた名探偵は、それぞれを各所で拾って自分のものにした。
ある種の変態を引き付ける才能をもった名探偵に、彼らは惹かれた。
そうして、変態と変態が運命の邂逅を遂げたのだ。
いまでは、相手の棒と、相手の穴が一番だと言っていちゃついている。
寝るか、狩りをするか、食べるか隠れてセックスする毎日だ。

「じょしゅさん~!」
「なんです」
「めいたんていさんと、つきあってないって本当ですか」
「そうですけど」
「えっ、そうなの?」

一方が擦り寄ってきて、俺に聞く。
一方は驚いた様子だ。
湯船のなかで二人に挟まれて、身動きが取れなくなる。

「なんで?」
「なんでって」
「好きってつたえてないの?」
「伝えていますけど」
「好きになってってもとめてないの?」

もとめる、と聞いて、ぽかんとしてしまう。
俺は名探偵のことが好きだ。
名探偵からはどう思われようが好きだということに、誇りをもっていた。
違う。
嫌われるのが怖くて、求めていなかったのだ。
愛することが幸せであるなら、これを共有することだってそうかも知れないのに。
名探偵だって、愛することが幸せであるかも知れないではないか。
名探偵に馬鹿だと言われるだけはある。
俺は馬鹿だ。

「マラチャンに双頭ディルドになってもらって、5Pができるんじゃないかっておもって。誘おうとおもったんですけど~」
「良いな。話してみましょう」



ペットになったマラは便利で、後部座席の二人の毛布になっている。
俺たちのベッドになることも出来るし、椅子になることも出来る。
気を抜くとちんちんが生えるので、そこは注意が必要だ。

「ペットにしちゃって良かったんですか」
「良いんだよ。本人が望んでいるんだから。ミクスネコスキーには、見付からなかったと報告して、捜索費用だけもらおう」
「車も狭くなりますし」
「ますし?」
「ううん」
「なんだよ」
「セックスし辛いです」

助手は顔を真っ赤にして言う。
助手は、俺のことが大好きなのだ。
隙さえあればくっつきたがるし、穴さえ解れたら突っ込みたがる。
自分の精液が、常に俺から滴っていれば良いと囁いたことすらある。
そして、そんな助手のことが、俺は大好きなのだ。
俺はちらりと後部座席を確認する。
二匹は人型をとって、一匹はもふもふの毛布になって、すやすやと眠っている。

「いま、みんな寝てるけど」
「車から降りてください」

俺は意気揚々と車から飛び降りた。
運転席と助手席の扉が離れているのが間違っているとでも言うかのように、引き寄せられ、口を吸われる。
ボンネットに背中を打ち付け、体重をかけて、分厚い舌で口のなかを弄られた。
内臓を吸い出し食らおうとするかのようにしゃぶりつかれて、嘔吐きそうにすらなるのに、愛おしさが増すからおかしなものだ。
たっぷりの唾液をすべて受け入れながら、お互いの服を脱がせ、車の屋根の上へ放った。
ぐっと足を開き膝を抱えあげられる。
昔は苦しかった開脚も、いまは容易い。
名探偵には、頭の柔らかさも、股関節の柔軟性も必須であるから。

「ん、ぅっ」

助手はぐちゅぐちゅと自分の先走りを擦り付けて、挿入してくる。
数時間前にも使ったそこは、悦んで大きな熱を受け入れる。
みちみちと拓かれていくなかは、これからの強烈な快感を思ってはやくはやくと蠕動する。
はやくなかに、もっと奥にと吸いついてしまう。
きゅんきゅんしていても物理的には進まない。
俺は努めて息を吐き力を抜いて、助手を迎え入れる。
助手はぐぅ、と喉を鳴らして俺の太腿を鷲掴みにすると、ボンネットに乗り上がるように体重をかけてきた。
ごりゅごりゅと凶悪なちんちんがめり込み、前立腺をずん、とど突いた。

「んぅ! あッう!」
「っは、ぁ! ああ、ッ」

体重を押し付けて、硬いそれで何度も何度も貫かれる。
先走りで動きが滑らかになると、早さも深さも遠慮がなくなる。
ボンネットの上では、何処にも縋りつけるところがない。
圧し掛かってくる助手の肩を掴んで、懸命に快感に耐えた。
ごりごりと良いところを繰り返し殴られると、勝手に腰が引くつく。
助手はそれさえも許さず、足を車へ押し付け、ちんちんを植え付ける。

「ああ! 出します、だしますよっ」
「う、んっ、! ッあ、ふ、ぅ!! ぁ、あ、ぁああぁああああ~~~~ーーーーーッ!??!!!!」

びゅるるる、と長く種付けされる。
射精が終わっても行為が終わるはずがなく、助手はすぐに動きを再開した。
出した精液を攪拌し、塗りこみ、浸透させるかのように、ぬちぬちと緩慢に動く。
その動きの所為で、俺は断続的に何度もイく。

「ぃ、はっあ! あぁ、あっうあ」
「すきです、すきっ、あいしてる、ああ、っ」
「お、おれも、っんうッすき」
「っ!? え?」
「すき、っだって、すき、おまえがっう、うぐいす、ッま、ぁ、あっ」
「っう」

腹のなかでぐうっと大きく成ったちんちんから、びゅるびゅると大量の精液が溢れる。
二射目のこいつはもっと遅いはずなのに、びゅるびゅると止まる気配もなく腰をびくつかせて射精している。
好きって伝えただけだというのに。
名前を呼んだだけなのに、なんて、可愛い。

鶯はぼたぼたと涙を零し、涎を垂らす。
感動するのか欲情するのか、どちらかにすれば良いのに、その不細工な顔も、垂れた液体も、全て可愛くて、吞み込んでしまいたくなる。
俺は鶯の肩を引き寄せ、背中に手を回す。
ぐっとこちらに近付かせて、触れるだけのキスをした。
驚く鶯からぼたりと大粒の涙が落ち、俺の頬を垂れた。

「おくまで、これるか」

鶯は返事の代わりに俺の腹をぐぽん、と貫いた。
ぐちゅぐちゅとなかの精液をかき混ぜて、揺さぶる。

「ひ、ぅ、ッぁ、あ゛あッッ」
「あ、ああ、あいしていますあいしていますうめさん、うめ、ああ、はあ」

このまま肉体が全て入ってしまいそうなほど奥をごちゅごちゅ虐めながら、当の本人はぼろ泣きしている。
頭を撫でて慰めてやりたいが、俺は快感で身動きがとれない。
せめてと思って、鶯の唇に視線をやった。
鶯はすぐさま察して、キスをくれる。
愛しているの言葉がぐちゃぐちゃになって、唇が崩れ、くちの中で放たれる。
俺はそれを全て呑み込んで、キスは失策だったと反省した。
頭がぼんやりとして、ちかちかと星が瞬き、失神の予兆を感じたのだ。
名探偵に過ちは許されないというのに、悪くない気分だった。



目が覚めると見慣れた天井だった。
いつもの助手席。
隣には鶯。
服は着ている。
おおかた、近くの川でいろいろ洗い流してくれたのだろう。

「あ、めざめ~!」
「すごかった! くるまがたんがたんでたのしかった!」
「ぼよんぼよんだったね!」
「またやって!」
「次は我が車をやりたい」

ぐったりと座席にしなだれかかりながら、小突いてやる。
次も期待されているぞと。
俺は名探偵であるから、なんだってわかるのだ。
顔を赤らめて恥じる鶯のちんちんが、再びちからを取り戻していることだって。
それが心底嬉しいって主張する、己のちんちんだって、わかる。
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第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

敵国の将軍×見捨てられた王子

モカ
BL
敵国の将軍×見捨てられた王子

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

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