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来たる四人、迎える二人、加えて一人
第4話 魔女の黒猫 クローイ・サリヴァン
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【黒猫】
僕は首元の赤いスカーフを左右に揺らしながら、サン・ピエトロ広場を歩いていた。以前は迷信のせいでイタリアでひどい扱いを受けていた黒猫も、最近は意識改革されてきているようなので、いっそバチカン市国まで入ってしまおうではないか、と勇み足で来てみたのだ。
あとはまあ、正直な話、迷信じゃなくてその昔僕が暴れていたせいで不吉な存在と認知させてしまった部分があるので、そのお詫びに観光地にお金を落としてあげようという魂胆だ。イタリア人はぜひ僕に感謝してほしいね。
しかしやはり黒猫の姿の方はいい。人混みをするすると通り抜けられるし、この姿ならいつもの少女の姿でいるよりも幻力の消費もない。気を抜くと人々に撫でられまくるのが欠点だけれど、そのくらいは我慢しよう。
「クローイ?」
後ろから僕を呼ぶ声がする。振り返ってみると見知った顔があったので、見知らぬふりをする。
「猫違いです」
「やっぱりクローイですね! なんて偶然! 会いたかったです!」
どうせ探知法理を使用したくせに。僕はネコなりのしかめっ面で挨拶する。
「やあご主人。僕はそんなに会いたくなかったよ」
ご主人はしゃがみこんで灰色の髪をかき上げながら話す。
「そんなしかめっ面をして。可愛い顔が台無しですよ」
「ご主人がはしゃいでいるときはロクなことがないんだよ」
街行く人々は僕たちに見向きもしない。喧騒も遠のいている。ご主人が『防覚膜』を展開しているのだ。動作なしでこの簡易結界を作れるのは見事と言わざるを得ない。
ご主人は俯いてハアと一息ついてから顔を上げる。うるんだ瞳を見せながら眉根を寄せていた。辺りに甘い香りが立ち込める。
「クローイ、実は折入って頼みがあるのです」
「言っておくけど僕に『見惚れよ』は効かないよ」
ご主人は真顔に戻り、甘い香りは風に吹き飛ばされて霧散した。
「一応性別上はメスだし、そもそも今時そんな古臭い手にかかるほど僕は馬鹿じゃない」
「……そうですね、フフッ、こんな手にかかる幻魔なんて、普通いませんよね」
法理が勘破されたのに、ご主人はニヤケを隠しきれないようだ。そんなに愉快なことがあったのだろうか。
ご主人が僕を目の高さまで抱き上げる。
「とにかく一度『覚えて』もらえますか? 話はそれからしましょう」
僕はご主人の目を見る。罠ではなさそうだ。
「いいよ。とりあえず『覚える』だけなら」
僕は目を瞑った。呼吸を浅くする。一度五感を遠のかせてから、耳の瞼をこじ開けて、瞳の膜を震わせた。黄色の瞳に月の万華鏡が宿る。
自分の感覚が宙に浮いた瞬間、黒い穴に落ちていく。孤独なジェットコースターの後は極彩色のメリーゴーランドだ。ご主人の思考にダイブできた。
ご主人の頭の中は久しぶりに覗いたが、相変わらず色彩が豊かで、それでいて輪郭がぼやけている。すべての事象を愛でるように撫でながら、その個々の差異にさほど興味がない。感情が明滅を繰り返しているのも、心が動いているというよりは、心を動かしているというように見える。
ご主人の感情を堪能している間にも高速で思考が流れていく。予言を止めろとな。いい加減鏡会は情報社会を下に見ていたことを認めて、予言やら噂やらへの対処を明確に打ち出すべきだ。このままでは管理局に後れを取り続けることになる。
続いて幼児が描いたような絵が目の前に現われた。予言とされたヴェルナーの絵だ。
空に浮かんだ日本式の城を背景に、笑う赤目の少年。山は燃え、街は破壊され、城の奥には怪獣のような化け物が暴れている。倒れた家屋の看板に「二〇××年五月十……」と書かれた看板が見える。要はこれがこの絵にか描れている悲劇が起こる日付ではないか、ということだ。今年の五月十何日かに日本の城のある街でこれが起こると。もう来週じゃないか。
油絵で描かれた絵の中を歩いてみる。多少熱気は伝わってくる……が、どうにも嘘くさい。ペラッペラで迫りくるものがない。モナリザは後ろ髪までさらさらと風になびいていたし、ゲルニカは入ったことを後悔するぐらいには悲鳴と焼ける音に満ち溢れていたのに。
訝しんでいると絵から強制的に排出され、今度は地球儀の上に落とされた。この場所に行け、ということらしい。かつて妖狸がはびこっていた四国の城下街、今はその穏やかな瀬戸内の気候と同じく平穏な時間が流れる地方有数の中核都市。
この土地にいる重要そうな人物の映像が思考に流れる。薄紫髪の気だるげな雰囲気の男・「影縫特別顧問」有馬辺無名、焦茶髪の巡礼服の少女・「守護者」綴喜、七三分けの眼鏡の中年男・「大和四神刀」山岡桃九郎、銀髪の目つきの悪いチンピラ・「野良犬」ルガール、どでかい妖狸――。
待て、ルガール? 見知った顔に思考が一瞬止まってしまう。ルガールも今回の仕事に参加しているのか?
景色がにじんでいく。だんだんと引き戻される感覚が襲ってくる。情報を覚えたので現実に戻れ、と鐘が打ち鳴らされて頭が揺れ動かされる。何度経験してもこの覚醒前の居心地には慣れない。子どもが肩にぶら下げた、虫かごの中のクワガタはこんな気分なのだろう。
『サトリ』を終える間際、流れる記憶のなかに黒で塗り潰された部分があった。『閲覧拒絶』の法理だ。あれを剥がせるのは並大抵の法理師じゃ無理だし、そもそも見られたくない記憶を探るのは、人としての品性を疑われる恥ずべき行為だ。
まあ僕は並大抵じゃないし、人じゃなくて黒猫だからさ。
サトリから解除される前にどうにか法理を解こうと頭をフル回転させた。
しかし、あと一歩で解けるという場面で、警告音とともに黄色と黒の帯が張り巡らされた。即座に、衝撃光が目をくらませる。
トラップッ――!
逆行法理が僕の意識を貫く刹那、間一髪で目を覚ました。
息を整えながら、状況を確かめる。車の走る音、川の臭い、風になびくご主人の灰色の髪。どこにも支障はないようだ。
ふうともう一度息をついて、ご主人の顔を見ると、下唇をぬっと突き出している。
「私の秘密を探ろうとしましたね?」
「なんのことかな」
すっとぼけてみる。
「隙あらば人を出し抜こうとするようになりましたね。まったく誰に似たのやら」
アンタだよ、と喉まで出かかった言葉を飲み込む。
「しかし、あの程度のトラップをギリギリまで気づかないなんてまだまだですね。思念法理のスペシャリストの名が泣きますよ?」
「あれと同等以上の法理を組める理師なんて、ご主人か僕だけだろう」
「お互い、その驕りに足元を掬われないようにしなければなりませんね」
ご主人は僕を撫でながら大聖堂のほうへと歩いていく。
「それで? 引き受ける気になりましたか?」
僕はまた考え込む。仕事内容にはあまり魅力を感じない。要は鏡会の尻拭いをしろということだ。鏡会の失墜だの新世紀派の台頭だのの派閥闘争には僕は興味がない。鏡会が失墜するのは仕事に支障は出てくるだろうが、今の鏡会の腐敗っぷりを見るとそれも致し方ないとさえ思ってしまう。
それに高確率で争いごとになりそうだ。鏡会側が予言を改変しようとするのを、新世紀派閥が黙って指をくわえて見ているわけがない。必要ない争いごとには首を突っ込まないのが僕の主義だ。
ただ、日本という土地には興味がある。通り一辺倒の鏡会主導の法理や簡略化に特化した管理局目録の法理では限界がある。日本は万象法廷から隔絶された法理が山ほどあるはずだ。ヤオヨロズ信仰を基とした風土は特異な幻魔と法理で溢れていると聞く。
それを覚えられれば、あるいは――。
「リリス・サリヴァンを殺せるかもしれない」
観光客の喧騒をかき消す、ステンドグラスを砕いたような呟きが落ちてきた。一瞬身が強張る。
「――などと考えているのですよ、管理局の有象無象は。困ったものです。私の認めたいちばん弟子として、先方の敵は蹴散らして、目に物を見せてやりなさい。いいですね?」
「……わかったよ、ご主人」
僕はすっかり乾いた舌の根をごまかすようになけなしの唾を飲み込んだ。目の前のマリア像は、慈愛の眼差しを腕に抱いたキリストへと向けている。
「喉が渇きましたよね。喫茶店にでも行きましょうよ、クローイ」
ご主人は踵を返して、聖堂から外に出る。
生返事しか返せない。本当に日本に行っていいのだろうか? またご主人の術中にハマっている気がする。
……まあ、ルガールもいるなら少しは楽しめるか。僕は目を瞑って、考えることを放棄した。
僕は首元の赤いスカーフを左右に揺らしながら、サン・ピエトロ広場を歩いていた。以前は迷信のせいでイタリアでひどい扱いを受けていた黒猫も、最近は意識改革されてきているようなので、いっそバチカン市国まで入ってしまおうではないか、と勇み足で来てみたのだ。
あとはまあ、正直な話、迷信じゃなくてその昔僕が暴れていたせいで不吉な存在と認知させてしまった部分があるので、そのお詫びに観光地にお金を落としてあげようという魂胆だ。イタリア人はぜひ僕に感謝してほしいね。
しかしやはり黒猫の姿の方はいい。人混みをするすると通り抜けられるし、この姿ならいつもの少女の姿でいるよりも幻力の消費もない。気を抜くと人々に撫でられまくるのが欠点だけれど、そのくらいは我慢しよう。
「クローイ?」
後ろから僕を呼ぶ声がする。振り返ってみると見知った顔があったので、見知らぬふりをする。
「猫違いです」
「やっぱりクローイですね! なんて偶然! 会いたかったです!」
どうせ探知法理を使用したくせに。僕はネコなりのしかめっ面で挨拶する。
「やあご主人。僕はそんなに会いたくなかったよ」
ご主人はしゃがみこんで灰色の髪をかき上げながら話す。
「そんなしかめっ面をして。可愛い顔が台無しですよ」
「ご主人がはしゃいでいるときはロクなことがないんだよ」
街行く人々は僕たちに見向きもしない。喧騒も遠のいている。ご主人が『防覚膜』を展開しているのだ。動作なしでこの簡易結界を作れるのは見事と言わざるを得ない。
ご主人は俯いてハアと一息ついてから顔を上げる。うるんだ瞳を見せながら眉根を寄せていた。辺りに甘い香りが立ち込める。
「クローイ、実は折入って頼みがあるのです」
「言っておくけど僕に『見惚れよ』は効かないよ」
ご主人は真顔に戻り、甘い香りは風に吹き飛ばされて霧散した。
「一応性別上はメスだし、そもそも今時そんな古臭い手にかかるほど僕は馬鹿じゃない」
「……そうですね、フフッ、こんな手にかかる幻魔なんて、普通いませんよね」
法理が勘破されたのに、ご主人はニヤケを隠しきれないようだ。そんなに愉快なことがあったのだろうか。
ご主人が僕を目の高さまで抱き上げる。
「とにかく一度『覚えて』もらえますか? 話はそれからしましょう」
僕はご主人の目を見る。罠ではなさそうだ。
「いいよ。とりあえず『覚える』だけなら」
僕は目を瞑った。呼吸を浅くする。一度五感を遠のかせてから、耳の瞼をこじ開けて、瞳の膜を震わせた。黄色の瞳に月の万華鏡が宿る。
自分の感覚が宙に浮いた瞬間、黒い穴に落ちていく。孤独なジェットコースターの後は極彩色のメリーゴーランドだ。ご主人の思考にダイブできた。
ご主人の頭の中は久しぶりに覗いたが、相変わらず色彩が豊かで、それでいて輪郭がぼやけている。すべての事象を愛でるように撫でながら、その個々の差異にさほど興味がない。感情が明滅を繰り返しているのも、心が動いているというよりは、心を動かしているというように見える。
ご主人の感情を堪能している間にも高速で思考が流れていく。予言を止めろとな。いい加減鏡会は情報社会を下に見ていたことを認めて、予言やら噂やらへの対処を明確に打ち出すべきだ。このままでは管理局に後れを取り続けることになる。
続いて幼児が描いたような絵が目の前に現われた。予言とされたヴェルナーの絵だ。
空に浮かんだ日本式の城を背景に、笑う赤目の少年。山は燃え、街は破壊され、城の奥には怪獣のような化け物が暴れている。倒れた家屋の看板に「二〇××年五月十……」と書かれた看板が見える。要はこれがこの絵にか描れている悲劇が起こる日付ではないか、ということだ。今年の五月十何日かに日本の城のある街でこれが起こると。もう来週じゃないか。
油絵で描かれた絵の中を歩いてみる。多少熱気は伝わってくる……が、どうにも嘘くさい。ペラッペラで迫りくるものがない。モナリザは後ろ髪までさらさらと風になびいていたし、ゲルニカは入ったことを後悔するぐらいには悲鳴と焼ける音に満ち溢れていたのに。
訝しんでいると絵から強制的に排出され、今度は地球儀の上に落とされた。この場所に行け、ということらしい。かつて妖狸がはびこっていた四国の城下街、今はその穏やかな瀬戸内の気候と同じく平穏な時間が流れる地方有数の中核都市。
この土地にいる重要そうな人物の映像が思考に流れる。薄紫髪の気だるげな雰囲気の男・「影縫特別顧問」有馬辺無名、焦茶髪の巡礼服の少女・「守護者」綴喜、七三分けの眼鏡の中年男・「大和四神刀」山岡桃九郎、銀髪の目つきの悪いチンピラ・「野良犬」ルガール、どでかい妖狸――。
待て、ルガール? 見知った顔に思考が一瞬止まってしまう。ルガールも今回の仕事に参加しているのか?
景色がにじんでいく。だんだんと引き戻される感覚が襲ってくる。情報を覚えたので現実に戻れ、と鐘が打ち鳴らされて頭が揺れ動かされる。何度経験してもこの覚醒前の居心地には慣れない。子どもが肩にぶら下げた、虫かごの中のクワガタはこんな気分なのだろう。
『サトリ』を終える間際、流れる記憶のなかに黒で塗り潰された部分があった。『閲覧拒絶』の法理だ。あれを剥がせるのは並大抵の法理師じゃ無理だし、そもそも見られたくない記憶を探るのは、人としての品性を疑われる恥ずべき行為だ。
まあ僕は並大抵じゃないし、人じゃなくて黒猫だからさ。
サトリから解除される前にどうにか法理を解こうと頭をフル回転させた。
しかし、あと一歩で解けるという場面で、警告音とともに黄色と黒の帯が張り巡らされた。即座に、衝撃光が目をくらませる。
トラップッ――!
逆行法理が僕の意識を貫く刹那、間一髪で目を覚ました。
息を整えながら、状況を確かめる。車の走る音、川の臭い、風になびくご主人の灰色の髪。どこにも支障はないようだ。
ふうともう一度息をついて、ご主人の顔を見ると、下唇をぬっと突き出している。
「私の秘密を探ろうとしましたね?」
「なんのことかな」
すっとぼけてみる。
「隙あらば人を出し抜こうとするようになりましたね。まったく誰に似たのやら」
アンタだよ、と喉まで出かかった言葉を飲み込む。
「しかし、あの程度のトラップをギリギリまで気づかないなんてまだまだですね。思念法理のスペシャリストの名が泣きますよ?」
「あれと同等以上の法理を組める理師なんて、ご主人か僕だけだろう」
「お互い、その驕りに足元を掬われないようにしなければなりませんね」
ご主人は僕を撫でながら大聖堂のほうへと歩いていく。
「それで? 引き受ける気になりましたか?」
僕はまた考え込む。仕事内容にはあまり魅力を感じない。要は鏡会の尻拭いをしろということだ。鏡会の失墜だの新世紀派の台頭だのの派閥闘争には僕は興味がない。鏡会が失墜するのは仕事に支障は出てくるだろうが、今の鏡会の腐敗っぷりを見るとそれも致し方ないとさえ思ってしまう。
それに高確率で争いごとになりそうだ。鏡会側が予言を改変しようとするのを、新世紀派閥が黙って指をくわえて見ているわけがない。必要ない争いごとには首を突っ込まないのが僕の主義だ。
ただ、日本という土地には興味がある。通り一辺倒の鏡会主導の法理や簡略化に特化した管理局目録の法理では限界がある。日本は万象法廷から隔絶された法理が山ほどあるはずだ。ヤオヨロズ信仰を基とした風土は特異な幻魔と法理で溢れていると聞く。
それを覚えられれば、あるいは――。
「リリス・サリヴァンを殺せるかもしれない」
観光客の喧騒をかき消す、ステンドグラスを砕いたような呟きが落ちてきた。一瞬身が強張る。
「――などと考えているのですよ、管理局の有象無象は。困ったものです。私の認めたいちばん弟子として、先方の敵は蹴散らして、目に物を見せてやりなさい。いいですね?」
「……わかったよ、ご主人」
僕はすっかり乾いた舌の根をごまかすようになけなしの唾を飲み込んだ。目の前のマリア像は、慈愛の眼差しを腕に抱いたキリストへと向けている。
「喉が渇きましたよね。喫茶店にでも行きましょうよ、クローイ」
ご主人は踵を返して、聖堂から外に出る。
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