6 / 39
6話:魔力
しおりを挟む
お兄様の誕生日パーティーから一週間。いつもと変わらず午前中はお母様からのマナー教育等々をこなし、午後からはお兄様に遊んで貰ったり、本を読んだりとそれなり充実した毎日を過ごしている。
そんな私に今一番気になっている事がある。
それは自分の魔力。
私の魔力は聖女の魔力を持って転生した魔王の魔力を更に持って産まれてきた。なので普通の貴族ではあり得ない程の魔力量の筈だ。
ちなみに聖女の時代は聖女が使える聖魔法以外に闇魔法以外の全ての属性魔法を使える事が出来た。
それに魔王時代の闇魔法までをも使えるようになっている。
聖女の魔力と魔王の魔力は本来なら相反するものであるにも関わらず、だ。
......流石にちょっとチート過ぎない?
この国で生活する全ての国民は五歳になると教会で魔力測定をし、魔力の有る者はどの属性の魔法を扱えるのかを調べ国に報告される事になっている。
私がこのまま何の対策も取らずに魔力測定なんかしたら待ったなしに監禁コースまっしぐらだ。さすがにそれは避けなければならない。
「......そもそも今現在どれぐらいの魔法が使えるんだろう?」
魔力が自分の中にあるのは把握出来ているし、前々世・前世からその魔力をある程度は操る事も出来ると思う......
「思うけど実際この身体で使った事がないもんね」
うーん。
「あ」
使った事がなければ使ってみれば良いんだよね!良いことを思い付いたとでも言うようにルナは座っていた椅子から立ち上がり部屋の中央へと移動する。
「念のために魔力をお母様達に感知されないように結界を張った方が良いよね?......や、でも逆に結界みたいな大きな魔力を使うと探知されちゃうかな......」
しばらく悩み、ルナは考えるのをやめた。
「ま、小さい魔法なら大丈夫でしょ」
そうしてルナは瞳をゆっくりと閉じながら両方の手のひらを身体の前へと持っていき重ね合わせる。深呼吸をしながら体内にある魔力に意識を向ければ、身体の奥底からゆっくりと、それは全身へと巡っていく。
......うん、やっぱり想像通りの魔力量ね.....この子供の身体でもある程度は制御は出来るみたいね......
「ウォーター」
ルナの小さな手のひらに水魔法により水が現れる。
「ファイヤー」
今度はその水を火魔法で蒸発させると、ルナは満面の笑みを浮かべる。
「よしよし。水魔法と火魔法は問題なく使えるみたいで良かったわ...後は風と土と光と聖と闇魔法だけど...流石に部屋の中では出来ないわよね」
聖女の使う聖魔法は怪我を治すのが一番手っ取り早いが何分三歳のルナの部屋に怪我をするような危険物は置かれていないので、試しに指先を切って治す等も出来ないのだ。
「誰かに試す訳にもいかないし......まぁ仕方ないか」
それぞれの属性の魔力は身体の中に感じるので水や火のように使う事には問題なさそうだ。
後は二年後に行われる魔力測定でどれだけ偽装出来るかが今後の課題になるだろう。マルシーネ家は代々風と水の属性を多く輩出してきている。現にお父様は風属性の魔力を、お母様は水属性の持ち主であり、何とお兄様はその二人の属性を受け継いで二属性の魔力持だ。なので私もその辺りを目指せば特段目立つ事はないだろう。
目指すは死ぬまでのんびり生活。これはそれに向けた第一歩なのだ。
「頑張らないと!」
そんな私に今一番気になっている事がある。
それは自分の魔力。
私の魔力は聖女の魔力を持って転生した魔王の魔力を更に持って産まれてきた。なので普通の貴族ではあり得ない程の魔力量の筈だ。
ちなみに聖女の時代は聖女が使える聖魔法以外に闇魔法以外の全ての属性魔法を使える事が出来た。
それに魔王時代の闇魔法までをも使えるようになっている。
聖女の魔力と魔王の魔力は本来なら相反するものであるにも関わらず、だ。
......流石にちょっとチート過ぎない?
この国で生活する全ての国民は五歳になると教会で魔力測定をし、魔力の有る者はどの属性の魔法を扱えるのかを調べ国に報告される事になっている。
私がこのまま何の対策も取らずに魔力測定なんかしたら待ったなしに監禁コースまっしぐらだ。さすがにそれは避けなければならない。
「......そもそも今現在どれぐらいの魔法が使えるんだろう?」
魔力が自分の中にあるのは把握出来ているし、前々世・前世からその魔力をある程度は操る事も出来ると思う......
「思うけど実際この身体で使った事がないもんね」
うーん。
「あ」
使った事がなければ使ってみれば良いんだよね!良いことを思い付いたとでも言うようにルナは座っていた椅子から立ち上がり部屋の中央へと移動する。
「念のために魔力をお母様達に感知されないように結界を張った方が良いよね?......や、でも逆に結界みたいな大きな魔力を使うと探知されちゃうかな......」
しばらく悩み、ルナは考えるのをやめた。
「ま、小さい魔法なら大丈夫でしょ」
そうしてルナは瞳をゆっくりと閉じながら両方の手のひらを身体の前へと持っていき重ね合わせる。深呼吸をしながら体内にある魔力に意識を向ければ、身体の奥底からゆっくりと、それは全身へと巡っていく。
......うん、やっぱり想像通りの魔力量ね.....この子供の身体でもある程度は制御は出来るみたいね......
「ウォーター」
ルナの小さな手のひらに水魔法により水が現れる。
「ファイヤー」
今度はその水を火魔法で蒸発させると、ルナは満面の笑みを浮かべる。
「よしよし。水魔法と火魔法は問題なく使えるみたいで良かったわ...後は風と土と光と聖と闇魔法だけど...流石に部屋の中では出来ないわよね」
聖女の使う聖魔法は怪我を治すのが一番手っ取り早いが何分三歳のルナの部屋に怪我をするような危険物は置かれていないので、試しに指先を切って治す等も出来ないのだ。
「誰かに試す訳にもいかないし......まぁ仕方ないか」
それぞれの属性の魔力は身体の中に感じるので水や火のように使う事には問題なさそうだ。
後は二年後に行われる魔力測定でどれだけ偽装出来るかが今後の課題になるだろう。マルシーネ家は代々風と水の属性を多く輩出してきている。現にお父様は風属性の魔力を、お母様は水属性の持ち主であり、何とお兄様はその二人の属性を受け継いで二属性の魔力持だ。なので私もその辺りを目指せば特段目立つ事はないだろう。
目指すは死ぬまでのんびり生活。これはそれに向けた第一歩なのだ。
「頑張らないと!」
0
あなたにおすすめの小説
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す
RINFAM
ファンタジー
なんの罰ゲームだ、これ!!!!
あああああ!!!
本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!
そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!
一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!
かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。
年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。
4コマ漫画版もあります。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる