25 / 39
25話:入学式・1
しおりを挟む
もっとずっと小さな頃から言い続ける私の気持ちを聞いてお父様達は頷く。
「勿論わかっているよ、ルナ。心配しなくても大丈夫だよ、私達はルナの嫌がる縁談はしないし、する必要もないからね」
「そうよルナ、私達はルナに幸せになって欲しいと思ってるのよ。勿論アルスもね。だから好きな方が出来たら二人とも遠慮なく私達に話して欲しいわ」
お母様......お父様......
「......はい。あ、でも私はまだまだ先になると思いますよ?まだ十歳だし......」
「あらあら、年齢は関係なくってよ?ルナちゃん」
「まだまだ先で構わない!」
「そうですよ母上!ルナは僕達のルナです!!」
サロンに笑い声が広がる。これまでの私が欲しくて欲しくて、願って、それでも得られなかった人生。
今生はこのまま平穏に暮らしていけたらと願わずにはいられない。いや、ただ願うだけではいつそれが覆されるかわからない。
ただただ、こうして家族と仲良く生きていけるように頑張るわ、私!!
『.....お前は良いとしてもアルスは難しそうだな、お前が基準だと.....』
ポツリと呟いたカリトの意見はスルーした。
それから学園の入学式までには制服が届き、試着して皆に見せると喜ばれたり、学園生活に必要な必需品等を確認したりしてと意外とバタバタした日々を過ごしているとあっという間に入学式の日がやってきた。
「お父様お母様、行ってきます」
「私達は後から行くから気をつけて行くんだよ」
「はい!」
「父上母上、僕が会場まで案内するから大丈夫ですよ」
お兄様と一緒に馬車に乗り込むとゆっくりと走りだし学園へと向かう。馬車の中ではこれからのスケジュールをお兄様が案内してくれる。
「学園に着いたら入学式が行われるホールへと向かうよ。ホールの入り口近くに入学時前の試験の成績順にクラスが決められて貼り出されている。そのクラス毎に席も配置されてるからわかりやすいと思うよ」
「そうなのですね。お兄様はずっとAクラスでしたよね....私はどうなるかしら?」
試験はまずまずの出来だったと思うが、私よりも成績優秀な人が多ければAクラスに入れない可能性もある。
お兄様の評判を妹の私が傷つける訳にはいかないから出来ればAクラスになれると良いけど......。
「ルナなら大丈夫だよ。家庭教師からも優秀だと聞いてるよ?」
「私に出来る範囲で頑張ったつもりですが、たくさんの新入生がいるんですもの、わかりませんわ」
そんな会話をしながら、ドキドキと逸る気持ちを押さえつつ馬車は学園へと近づいていた。
「勿論わかっているよ、ルナ。心配しなくても大丈夫だよ、私達はルナの嫌がる縁談はしないし、する必要もないからね」
「そうよルナ、私達はルナに幸せになって欲しいと思ってるのよ。勿論アルスもね。だから好きな方が出来たら二人とも遠慮なく私達に話して欲しいわ」
お母様......お父様......
「......はい。あ、でも私はまだまだ先になると思いますよ?まだ十歳だし......」
「あらあら、年齢は関係なくってよ?ルナちゃん」
「まだまだ先で構わない!」
「そうですよ母上!ルナは僕達のルナです!!」
サロンに笑い声が広がる。これまでの私が欲しくて欲しくて、願って、それでも得られなかった人生。
今生はこのまま平穏に暮らしていけたらと願わずにはいられない。いや、ただ願うだけではいつそれが覆されるかわからない。
ただただ、こうして家族と仲良く生きていけるように頑張るわ、私!!
『.....お前は良いとしてもアルスは難しそうだな、お前が基準だと.....』
ポツリと呟いたカリトの意見はスルーした。
それから学園の入学式までには制服が届き、試着して皆に見せると喜ばれたり、学園生活に必要な必需品等を確認したりしてと意外とバタバタした日々を過ごしているとあっという間に入学式の日がやってきた。
「お父様お母様、行ってきます」
「私達は後から行くから気をつけて行くんだよ」
「はい!」
「父上母上、僕が会場まで案内するから大丈夫ですよ」
お兄様と一緒に馬車に乗り込むとゆっくりと走りだし学園へと向かう。馬車の中ではこれからのスケジュールをお兄様が案内してくれる。
「学園に着いたら入学式が行われるホールへと向かうよ。ホールの入り口近くに入学時前の試験の成績順にクラスが決められて貼り出されている。そのクラス毎に席も配置されてるからわかりやすいと思うよ」
「そうなのですね。お兄様はずっとAクラスでしたよね....私はどうなるかしら?」
試験はまずまずの出来だったと思うが、私よりも成績優秀な人が多ければAクラスに入れない可能性もある。
お兄様の評判を妹の私が傷つける訳にはいかないから出来ればAクラスになれると良いけど......。
「ルナなら大丈夫だよ。家庭教師からも優秀だと聞いてるよ?」
「私に出来る範囲で頑張ったつもりですが、たくさんの新入生がいるんですもの、わかりませんわ」
そんな会話をしながら、ドキドキと逸る気持ちを押さえつつ馬車は学園へと近づいていた。
0
あなたにおすすめの小説
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す
RINFAM
ファンタジー
なんの罰ゲームだ、これ!!!!
あああああ!!!
本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!
そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!
一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!
かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。
年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。
4コマ漫画版もあります。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる