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第一章
21:約束
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうのはテンプレで、薔薇の庭園でのお茶会も時間が来れば終了してしまう。
「カーディナル様」
執事の人がカーディナル様に声を掛けて来たのが合図となって立ち上がり僕をエスコートしてくれて椅子から降りる。
「もうそんな時間になっていたとは気が付かなかった。楽しい時間は早く過ぎてしまうものだな」
「ぼ、僕も同じことを思いました!」
手を繋いで屋敷に向かって歩きながらカーディナル様とお話をする。でも目の前に見えている屋敷までの距離が余りにも近くて、もう帰らないといけないのだと思うと自然と気落ちしてしまう。
段々と声が小さくなっていく僕にカーディナル様はふふふと小さく笑った。
「......?」
そんなカーディナル様を不思議に思って繋いだ手のひらの先にある顔を見上げると優しげに僕を見つめるカーディナル様のお顔があった。
そして僕は気が付く。
そうか、僕はカーディナル様が好きなんだ.....
お父様がお母様を好きなように、ずっと一緒に居たい....そんな意味で好きなのだと。だから逢いたくなったり、帰らないといけないのが淋しくなったりするんだと。
前世でもそんな経験をした事がなかったから思い付かなかった。
その想いに気がつけばストンと自分の中で納得がいった。でもその想いに気がついてしまったら余計に帰るのが淋しくなった。
.....それに僕にそんな風に想われてもカーディナル様も嬉しくないよね....?
前世でも今世でもそんな想いを交わした相手がいないから僕にはわからない。
「どうした?ルテウス」
「僕.....僕、カーディナル様が大好きです....また逢えますか?」
じっとカーディナル様に目線を外さずに見ていると自然と涙が溢れてくる。それをカーディナル様が一瞬だけハッと驚いた表情を見せたのを僕は見逃さなかった。カーディナル様を困らせていることはわかったけど好きなんだもん。
「.....ルテウスは素直だな。素直過ぎて逆に心配になるな」
「え?」
カーディナル様が困った表情をしながらも笑みを浮かべて僕を抱っこすると、目線が同じ高さになる。綺麗でまるで吸い込まれそうな紫紺の瞳をじっと見つめているとチュッと温かい何かが唇に軽く触れた。
え?
近すぎる程近くにある紫紺の瞳に僕は一瞬何が起きたのか理解できなかった。
「次にルテウスがこの屋敷に来たら今度は屋敷内を案内しよう....約束だ」
フワリと笑みを浮かべてカーディナル様は僕を見つめてそう告げた。
え?いま....カーディナル様が僕にチュッてした?
キ、キッスした!?
ブワッと一瞬で顔が真っ赤に染まったのが自分でも自覚出来てカーディナル様の顔を間近で見れなくてカーディナル様の肩口に顔を隠すようにしがみついてしまう。そんな僕を見てカーディナル様はふふふと笑う。
「....私もルテウスが好きだよ。ルテウスがもう少し大人に....そうだな....15歳なって、それでも私を好きなら.....その時は私から君の家に申し入れをしよう」
「.....本当に?」
まだ顔をあげられなくてカーディナル様にしがみついたままポツリと呟くと、僕の背中をポンポンとあやすかのように叩いてくれる。
「ああ。私とルテウスとの約束だ」
「....ぼく、ずっとカーディナル様のこと好きだもん....」
「ふふふ。そうか」
それからカーディナル様は帰りの馬車の中で僕に約束通り庭園の薔薇を贈り、屋敷まで送ってくれた。次にまたお屋敷へ遊びに行く約束をしたから今度は淋しくなかった。
「カーディナル様」
執事の人がカーディナル様に声を掛けて来たのが合図となって立ち上がり僕をエスコートしてくれて椅子から降りる。
「もうそんな時間になっていたとは気が付かなかった。楽しい時間は早く過ぎてしまうものだな」
「ぼ、僕も同じことを思いました!」
手を繋いで屋敷に向かって歩きながらカーディナル様とお話をする。でも目の前に見えている屋敷までの距離が余りにも近くて、もう帰らないといけないのだと思うと自然と気落ちしてしまう。
段々と声が小さくなっていく僕にカーディナル様はふふふと小さく笑った。
「......?」
そんなカーディナル様を不思議に思って繋いだ手のひらの先にある顔を見上げると優しげに僕を見つめるカーディナル様のお顔があった。
そして僕は気が付く。
そうか、僕はカーディナル様が好きなんだ.....
お父様がお母様を好きなように、ずっと一緒に居たい....そんな意味で好きなのだと。だから逢いたくなったり、帰らないといけないのが淋しくなったりするんだと。
前世でもそんな経験をした事がなかったから思い付かなかった。
その想いに気がつけばストンと自分の中で納得がいった。でもその想いに気がついてしまったら余計に帰るのが淋しくなった。
.....それに僕にそんな風に想われてもカーディナル様も嬉しくないよね....?
前世でも今世でもそんな想いを交わした相手がいないから僕にはわからない。
「どうした?ルテウス」
「僕.....僕、カーディナル様が大好きです....また逢えますか?」
じっとカーディナル様に目線を外さずに見ていると自然と涙が溢れてくる。それをカーディナル様が一瞬だけハッと驚いた表情を見せたのを僕は見逃さなかった。カーディナル様を困らせていることはわかったけど好きなんだもん。
「.....ルテウスは素直だな。素直過ぎて逆に心配になるな」
「え?」
カーディナル様が困った表情をしながらも笑みを浮かべて僕を抱っこすると、目線が同じ高さになる。綺麗でまるで吸い込まれそうな紫紺の瞳をじっと見つめているとチュッと温かい何かが唇に軽く触れた。
え?
近すぎる程近くにある紫紺の瞳に僕は一瞬何が起きたのか理解できなかった。
「次にルテウスがこの屋敷に来たら今度は屋敷内を案内しよう....約束だ」
フワリと笑みを浮かべてカーディナル様は僕を見つめてそう告げた。
え?いま....カーディナル様が僕にチュッてした?
キ、キッスした!?
ブワッと一瞬で顔が真っ赤に染まったのが自分でも自覚出来てカーディナル様の顔を間近で見れなくてカーディナル様の肩口に顔を隠すようにしがみついてしまう。そんな僕を見てカーディナル様はふふふと笑う。
「....私もルテウスが好きだよ。ルテウスがもう少し大人に....そうだな....15歳なって、それでも私を好きなら.....その時は私から君の家に申し入れをしよう」
「.....本当に?」
まだ顔をあげられなくてカーディナル様にしがみついたままポツリと呟くと、僕の背中をポンポンとあやすかのように叩いてくれる。
「ああ。私とルテウスとの約束だ」
「....ぼく、ずっとカーディナル様のこと好きだもん....」
「ふふふ。そうか」
それからカーディナル様は帰りの馬車の中で僕に約束通り庭園の薔薇を贈り、屋敷まで送ってくれた。次にまたお屋敷へ遊びに行く約束をしたから今度は淋しくなかった。
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