【完結】モブの筈の僕がヒロインになった訳

第二章

22:１０歳になりました

早いもので僕も１０歳になりました。来週から王立学園に入学です。そしてBLゲーム「ローズガーデンで君と」が始まってしまうタイミングでもある。

第２王子殿下含めた攻略対象者は全員第２王子と同じ年齢なので２年前に既に学園に入学しているが、ヒロインである主人公の少年が僕と同じ歳なので今年入学なのだ。僕は主人公の名前は知らないけど、子爵家でピンク色の髪の毛の美少年と言う事だけはわかっているから、極力その条件に当てはまる子には近寄らなければ何とかなるんじゃないかと思うし、どうせ僕はモブの一人だから近寄る近寄らない以前にストーリーの端っこにも出ない可能性だってあるよね。

そう言えば僕の容姿って銀髪碧眼だったから驚いたよ！だって家族全員金髪なのに、どうして僕だけ銀髪なのかって。お父様とお母様に泣きながら尋ねたらお父様のおばあ様が銀髪碧眼だったらしくて、そのおばあ様の色が濃く出たんだろうって。おばあ様は隣国から嫁いでこられた侯爵家の次女だったんだって。凄く優しい人で家族や親族からも凄く慕われた人格者だったらしい。勿論お父様もお母様も慕っていたそう。だから僕の色がおばあ様の色だとわかった時は凄く嬉しかったんだって！お顔はどちらかと言えばお母様に似てるみたいなので可愛い系だってお兄様とお姉様には言われた。身長もまだまだ小さいし.....僕、大きくなれるのかなぁ？

王弟殿下のカーディナル様とは定期的に僕がカーディナル様のお屋敷に遊びに行かせて貰っている。お父様から聞いたんだけど、カーディナル様はお父様に僕が１５歳になってもカーディナル様の事が好きなままなら自分の婚約者に、って申し入れてくれたみたい！ふふふ。

初めてカーディナル様のお屋敷に行った翌日に王城でお父様にそう打診してくれたみたい。お父様からカーディナル様と結婚したいのかい？と聞かれたので恥ずかしかったけど、はい！って答えたら少しだけ悲しそうな表情をしてた。多分あれは子供をお嫁さんに出すのを想像して悲しくなっただけだと思う。でも僕よりもお姉様の方が先にお嫁さんになるだろうから、その時のお父様は大変だろうなって思う。

２回目にカーディナル様のお屋敷に行った時にどうしてお父様にそんな事を伝えたのか聞いたら、僕が１５歳になるまでに勝手に婚約者を決めない為の予防策なんだって！カーディナル様が予め事前にそう伝えておけばカーディナル様を無視して勝手に婚約者を決める事は出来ないんだって。必ず僕の意思を確認してくれるから政略結婚をする必要はなくなるよ、って！ふふふ。僕、カーディナル様に愛されてるよね！？

日本なら５歳の子供相手に１８歳の男が～ってなるかもしれないけど、ここは異世界だし、この国の貴族社会では子供の頃から婚約者のいる子もいるし、親子程歳の離れた相手と結婚する場合もあるからあまり年齢は気にならないのだ。

それに当人同士が同意してるから問題ないよね！うん、ここ大事！