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前日譚
思いを遂げる
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ゆっくりと抜き差しし、無理なく飲み込むところまで指を進めて、だんだん深く埋めていく。けれど、異物感にまだ慣れない彼女は、息を詰めて身を強ばらせ、口付けにも上手く応えられなくなった。
そう。彼女は、隘路に男を受け入れるのは、まだ二度目なのだ。前回とは違って、まったく物慣れない様子に、ラウルは頬からこめかみへといくつも口づけていって、耳の後ろに唇を押し当てながら囁いた。
「痛くはありませんか、レオノーラ?」
「あ、んんっ」
声を掛けられた瞬間、ビクッと彼女は震えて、中がやわらかくうねり、指がずずっと入り込んでいく。
「痛かったら、すぐに仰ってください。嫌な思いはけっしてさせたくないのです」
「ん、ええ、大丈夫……」
彼は首や耳のあたりに口付けを繰り返しながら、下はくすぐるくらいの力で、すこしずつ角度と場所を変えて、彼女のいいところを探していった。
「あぁんっ」
彼女の体がビクンとはねる。ラウルがもう一度同じ場所をこすると、我を忘れたように、もっと甘く啼いた。――とうとう見つけたのだ。
「ラ、ラウルゥ」
彼女はあえいで、彼の背にまわした手で、彼のシャツをくしゃくしゃにつかんだ。肌は汗ばみ、目元を赤く染めて、こらえがたい快楽に眉をひそめている。
初心で妖艶な姿に、ラウルはすぐさまにも、彼女の中に押し入りたかった。だが、今日は媚薬の力ではなく、彼の愛撫で彼女を蕩けさなければならない。――彼がどのくらい彼女を愛しているのか、教えるためにも。
ラウルは彼女を抱き寄せて、その背を押さえ、顔を自分の肩に押しつけさせた。
「我慢できなかったら、噛みついていいですよ」
そうして彼女が快楽から逃げ出せないようにして、丁寧に執拗にそこを責めたてた。彼女は頭を左右に振って、悲鳴みたいな声をあげるが、彼のシャツに吸い込まれて、くぐもる。彼が大きく抜き差しするたびに、あふれた愛液がしたたって、くちゅくちゅと音をたてた。
「んんっ、んうっ、んんーーっ!!」
彼女がしがみついて、体をこわばらせた。大きく体を震わせ、ぎゅぎゅーっと強く彼の指を締めつける。その後も、何度かやわらかくうねるのを、彼は手を止め、そのまま待った。やがて彼女の体が弛緩したのを見計らって、そっと指を引き抜いた。
「レオノーラ」
呼べば、とろんと彼を見上げる。
「足を座席の上に上げてもらえますか?」
ええ、とぼんやり答えた彼女の膝裏に手を差し入れて、右の足を折りたたむようにして座席に上げさせた。その膝に引っ掛かるようにスカートをめくりあげ、それから手早く自分のベルトをはずして、ズボンを下げて怒張を取り出す。
彼女の左足も腕にのせて持ち上げつつ、両足を左右に開かせる。ラウルはその間に腰を入れて、彼女にのしかかった。彼の指の形に開いていたそこは、くぷりと簡単に彼自身の侵入を許した。
「ふ、あっ、あっ、あっ、あっ、……あーっ」
とろけきった場所を、ズズズズズと、指より太く長いものに押し広げながらこすりあげられ、声が止まらない。最後にズンと深く突き上げられて、それだけで彼女はまた軽くイッた。
「ラウル、ラウル……」
感じすぎてどうしたらいいかわからない。彼女はすすり泣くように彼を呼んですがりつく。
ラウルは彼女の唇にチュッと口づけて、言い聞かせた。
「レオノーラ、しっかりつかまっていてくださいね」
「はい……」
こんな時にも――こんな時だからこそ、育ちの良さが出る。乱れぬ言葉で答えて、素直に背中のシャツをつかんでいた手を離して、彼の首に巻き付ける。
彼はそれまでずっと彼女の背中を支えていた手を、背もたれにつけた。そして、片腕で彼女の腰をつかんで、揺すり上げた。
「ひっ、あっ」
悶える彼女から大きく腰を引き、今度は隘路を半ばまで何度も往復させる。
それも気持ちいいけれど、物足りなくて、奥まで欲しくて、彼女は彼の首筋に額をすりつけて、腰を揺らした。
「あ、あぅ、ん、ラウルゥ……」
応えて、ラウルは奥の奥まで勢いよく打ち付ける。ぱん、と肌が音をたて、馬車がギシリと軋んで揺れる。
「ああああんっ」
彼女はあられもなく叫んでのけぞった。
そこから先は、彼は遠慮なく激しく突き上げた。彼女を愛撫していた間も、彼のものはかたく立ちあがっていたし、今潜り込んでいる彼女の中は、とろとろにやわらかくなってまとわりつき、不規則にうねって締めつけるのだ。もう長くは保ちそうになかった。
ラウルは愛しさで、心も体もあふれて、どうにかなってしまいそうだった。心のままに腰を振ると、背筋が震えるような快感と、感じているとわかる啼き声を上げて彼女がしがみついてくる。
頭の片隅で、さっき見つけた彼女のいいところをと考えていたのも消し飛び、本能のままに突き入れずにはいられなかった。
レオノーラも同じだった。会いたくて会いたくてたまらなかった男に抱かれているのだ。彼のこと以外、もう何もわからなかった。
甘く啼き続けていた彼女が、喉を詰まらせた。ラウルを受け入れている場所から、強烈な快感がふくれあがり、せりあがってきたのだ。それがぷつんと弾け飛び、快楽が頭の中を真っ白に焼く。彼女は足の指を引き攣らせて、背を反らせた。
「あああああっ」
「くっ」
ひときわ強い締めつけに、ラウルも我慢できずに欲望を放った。……これまで会えなかった分まで注ぐように、何度も、何度も。
彼女がぐったりともたれかかってくる。彼は背もたれからも彼女の腰からも手を離すと、両腕でしっかりと彼女を抱きしめたのだった。
そう。彼女は、隘路に男を受け入れるのは、まだ二度目なのだ。前回とは違って、まったく物慣れない様子に、ラウルは頬からこめかみへといくつも口づけていって、耳の後ろに唇を押し当てながら囁いた。
「痛くはありませんか、レオノーラ?」
「あ、んんっ」
声を掛けられた瞬間、ビクッと彼女は震えて、中がやわらかくうねり、指がずずっと入り込んでいく。
「痛かったら、すぐに仰ってください。嫌な思いはけっしてさせたくないのです」
「ん、ええ、大丈夫……」
彼は首や耳のあたりに口付けを繰り返しながら、下はくすぐるくらいの力で、すこしずつ角度と場所を変えて、彼女のいいところを探していった。
「あぁんっ」
彼女の体がビクンとはねる。ラウルがもう一度同じ場所をこすると、我を忘れたように、もっと甘く啼いた。――とうとう見つけたのだ。
「ラ、ラウルゥ」
彼女はあえいで、彼の背にまわした手で、彼のシャツをくしゃくしゃにつかんだ。肌は汗ばみ、目元を赤く染めて、こらえがたい快楽に眉をひそめている。
初心で妖艶な姿に、ラウルはすぐさまにも、彼女の中に押し入りたかった。だが、今日は媚薬の力ではなく、彼の愛撫で彼女を蕩けさなければならない。――彼がどのくらい彼女を愛しているのか、教えるためにも。
ラウルは彼女を抱き寄せて、その背を押さえ、顔を自分の肩に押しつけさせた。
「我慢できなかったら、噛みついていいですよ」
そうして彼女が快楽から逃げ出せないようにして、丁寧に執拗にそこを責めたてた。彼女は頭を左右に振って、悲鳴みたいな声をあげるが、彼のシャツに吸い込まれて、くぐもる。彼が大きく抜き差しするたびに、あふれた愛液がしたたって、くちゅくちゅと音をたてた。
「んんっ、んうっ、んんーーっ!!」
彼女がしがみついて、体をこわばらせた。大きく体を震わせ、ぎゅぎゅーっと強く彼の指を締めつける。その後も、何度かやわらかくうねるのを、彼は手を止め、そのまま待った。やがて彼女の体が弛緩したのを見計らって、そっと指を引き抜いた。
「レオノーラ」
呼べば、とろんと彼を見上げる。
「足を座席の上に上げてもらえますか?」
ええ、とぼんやり答えた彼女の膝裏に手を差し入れて、右の足を折りたたむようにして座席に上げさせた。その膝に引っ掛かるようにスカートをめくりあげ、それから手早く自分のベルトをはずして、ズボンを下げて怒張を取り出す。
彼女の左足も腕にのせて持ち上げつつ、両足を左右に開かせる。ラウルはその間に腰を入れて、彼女にのしかかった。彼の指の形に開いていたそこは、くぷりと簡単に彼自身の侵入を許した。
「ふ、あっ、あっ、あっ、あっ、……あーっ」
とろけきった場所を、ズズズズズと、指より太く長いものに押し広げながらこすりあげられ、声が止まらない。最後にズンと深く突き上げられて、それだけで彼女はまた軽くイッた。
「ラウル、ラウル……」
感じすぎてどうしたらいいかわからない。彼女はすすり泣くように彼を呼んですがりつく。
ラウルは彼女の唇にチュッと口づけて、言い聞かせた。
「レオノーラ、しっかりつかまっていてくださいね」
「はい……」
こんな時にも――こんな時だからこそ、育ちの良さが出る。乱れぬ言葉で答えて、素直に背中のシャツをつかんでいた手を離して、彼の首に巻き付ける。
彼はそれまでずっと彼女の背中を支えていた手を、背もたれにつけた。そして、片腕で彼女の腰をつかんで、揺すり上げた。
「ひっ、あっ」
悶える彼女から大きく腰を引き、今度は隘路を半ばまで何度も往復させる。
それも気持ちいいけれど、物足りなくて、奥まで欲しくて、彼女は彼の首筋に額をすりつけて、腰を揺らした。
「あ、あぅ、ん、ラウルゥ……」
応えて、ラウルは奥の奥まで勢いよく打ち付ける。ぱん、と肌が音をたて、馬車がギシリと軋んで揺れる。
「ああああんっ」
彼女はあられもなく叫んでのけぞった。
そこから先は、彼は遠慮なく激しく突き上げた。彼女を愛撫していた間も、彼のものはかたく立ちあがっていたし、今潜り込んでいる彼女の中は、とろとろにやわらかくなってまとわりつき、不規則にうねって締めつけるのだ。もう長くは保ちそうになかった。
ラウルは愛しさで、心も体もあふれて、どうにかなってしまいそうだった。心のままに腰を振ると、背筋が震えるような快感と、感じているとわかる啼き声を上げて彼女がしがみついてくる。
頭の片隅で、さっき見つけた彼女のいいところをと考えていたのも消し飛び、本能のままに突き入れずにはいられなかった。
レオノーラも同じだった。会いたくて会いたくてたまらなかった男に抱かれているのだ。彼のこと以外、もう何もわからなかった。
甘く啼き続けていた彼女が、喉を詰まらせた。ラウルを受け入れている場所から、強烈な快感がふくれあがり、せりあがってきたのだ。それがぷつんと弾け飛び、快楽が頭の中を真っ白に焼く。彼女は足の指を引き攣らせて、背を反らせた。
「あああああっ」
「くっ」
ひときわ強い締めつけに、ラウルも我慢できずに欲望を放った。……これまで会えなかった分まで注ぐように、何度も、何度も。
彼女がぐったりともたれかかってくる。彼は背もたれからも彼女の腰からも手を離すと、両腕でしっかりと彼女を抱きしめたのだった。
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