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【6】婚約者の前の婚約者に目を付けられてしまいました。
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ちまちまとお茶をすすっていると、タッタッタッタッタッと軽快に走ってくる足音が聞こえてきた。それが止まることなく、バーンッと扉が開け放たれ、元気にヴィルへミナ殿下が入ってくる。
「待たせたわ!」
え、まださほど待っておりませんが? お茶も飲みきっていませんよ?
ファーストダンスの後は、お祝いの言葉を述べに来る人々のお相手をしなければならないはず。どう考えても、すぐに退場してきたとしか思えない。いいのかしら?
笑顔で勢いよく入ってきた殿下は、けれどなぜか笑顔のまま固まり、急停止した。
「ねえ、ヴィー、落ち着いて、こんなことが兄上に知れたら……」
後ろから諫めようとついてきたらしいフレドリック様が、突然立ち止まった殿下にぶつかる。殿下がつんのめって、フレドリック様はあわてて抱き留めた。
「すみません、ヴィー! 大丈夫ですか!?」
「い、いいのよ、大丈夫」
「どうして中に入らないのですか? セリナ嬢は……」
「いるわ」
そこまで答えた殿下は、扉の外を振り返って、キッと近衛を睨みつけた。
「どうしてシュリオスまで連れてきたの!? 私はセリナ・レンフィールドを連れていらっしゃいと、」
「眼鏡をしていないからね。その騎士を責めたらかわいそうだよ」
おおお、冷ややかなお声、その二!! しかも殿下の言葉をさえぎってとは! さっきのは冷たいだけだったけれど、今回のはあくまでにこやかなのに、声音がぜんぜんにこやかではないとか、その上、嘲弄する気配まであって、なんだか、悪役の風格がありますよ!? でも、殿下相手に、そんな態度をとっていいのかしら?
シュリオス様が払う仕草で軽く手を振る。中に居た方たちが出て行き、シュリオス様と私、殿下とフレドリック様だけが残された。パタンと扉が閉まる。
かわいそうに、フレドリック様は息を呑んで青ざめている。しかし殿下はたじろいだ様子を見せながらも、言い返した。
「どうして眼鏡をはずしているの!? 許されていないでしょう!?」
「どうして、ではないだろう? 私の婚約者に何をするつもりだ?」
「お礼とお祝いを言いたかったのよ! 私たちを救ってくれた聖女だもの!」
「黙れ」
ビクッとヴィルへミナ殿下の肩が跳ねた。フレドリック様もそう。二人は見るからに怯えて、数歩下がった。
「なななななんで怒るの、本当に感謝しているのに」
「彼女とのことは、君とは関わりのないことだ。それに、私は承諾していない。君も自分の責務を投げ出すな」
「その話とは別よ! 単に、あなたを引き受けてくれたお礼を言おうと思っただけ! だって、急に話して、ほら、ねえ?」
意味ありげに笑って、言葉を濁す。何やら切り札をちらつかせている感じがする。どうやら、私に知られたらシュリオス様の不利になるような何かがあるらしい。
「そっちがその気なら、こちらにも考えがある」
シュリオス様はあっさりと蹴散らした。殿下がムウッと顔を顰め、不満を爆発させた。
「そんなこと言ったって、無理だもの! 人の好すぎるフレドリックにも無理! 無理無理無理! 無理なのわかっているでしょう!? 国が乱れれば、公爵家だって安泰ではいられないんですからね!」
「私はどこでもやっていける。もっといい待遇など、いくらでも作りだせるからな」
「この、魔王!」
ヴィルへミナ殿下が地団駄踏んで、シュリオス様を罵った。
「ヴィー!」
フレドリック様があわてて殿下の口を押さえて、頭を下げた。
「申しわけありません、兄上。彼女の分も私が謝罪いたします」
彼は殿下から手を離して、膝をつく。心なしか震えているよう。
……私ですら、目下の者に迂闊に謝ることは許されていない。身分ってそういうものだから。だから、シュリオス様やラーニア様が、何かというとすぐに謝ってくれるのはとても驚いたし、その誠意に報いたいとも思った。
言うまでもなく、王族は謝らない。何があっても、それは臣下の非。その王族の分も謝ると言うなんて、明らかにフレドリック様は失言を犯している。
なのに、ヴィルへミナ殿下も失言してしまったという顔で、小さくなっていた。
さっきのシュリオス様の「黙れ」も、そう。臣下が王族に言える言葉ではない。力関係がおかしい。王女である殿下より、シュリオス様のほうが上みたい。
「……いい。気にしていない。いずれ王配になる者が、膝をつくな。立ちなさい」
フレドリック様はゆっくりと立ち上がって姿勢を正した。
「君たちが力を尽くすなら、足りない分は私も力を貸そうと言ったはずだ。それ以上のものを求めるなら、次はない。……勇者の子孫が、魔王の力になど頼ろうとするな。なんのために、これまで何人もの魔王が自ら封じられてきたのか、よく考えてくれ」
シュリオス様が立ち上がって、私に手を差し伸べた。
「行きましょう、セリナ嬢」
その手を取って立ち上がりつつ聞いてみる。
「あの、少しいいですか? 殿下とお話ししたいのです」
「……あなたがそう望むのなら」
躊躇った後にシュリオス様は頷いてくれ、私は殿下に向き直った。
私から話しかけてもいいわよね? さっき彼女から声を掛けられたし、そもそも呼び出したのは彼女だし。……それに、どうも、私に目を付けていびってやろうとか、そういうのではなかったみたいだから。
「ご婚約おめでとうございます」
「ありがとう」
そう言ってフレドリック様と目を見交わしたご様子が、まさに両思いな感じで、お幸せそう。
「今日は驚かせてしまって、いけなかったわね。私、ただ、お礼を言いたかっただけなの。あなたのおかげで、私達救われたから。感謝しているの。
懲りないでまた会ってくれるかしら? これから顔を合わす機会も増えるはずだし、どうせならお友達になりたいの。お茶会に呼んでもいい?」
一応、シュリオス様に目をやると、苦笑している。これはいいということね!
「はい、私でよければ喜んで」
「そう! 絶対よ! 絶対招くから、来てちょうだいね!」
シュリオス様がポケットから眼鏡を取り出し、掛けた。
「さあ、まだ今日の仕事は終わっていないはずだ。二人とも今すぐ大広間に戻って、挨拶回りをしてきなさい」
「はーい」
「はい」
殿下は間延びした返事をし、フレドリック様はキビキビと殿下の手を取った。
「またね、セリナ!」
殿下は陽気に手を振って、フレドリック様の先に立って、元気に出て行った。
「待たせたわ!」
え、まださほど待っておりませんが? お茶も飲みきっていませんよ?
ファーストダンスの後は、お祝いの言葉を述べに来る人々のお相手をしなければならないはず。どう考えても、すぐに退場してきたとしか思えない。いいのかしら?
笑顔で勢いよく入ってきた殿下は、けれどなぜか笑顔のまま固まり、急停止した。
「ねえ、ヴィー、落ち着いて、こんなことが兄上に知れたら……」
後ろから諫めようとついてきたらしいフレドリック様が、突然立ち止まった殿下にぶつかる。殿下がつんのめって、フレドリック様はあわてて抱き留めた。
「すみません、ヴィー! 大丈夫ですか!?」
「い、いいのよ、大丈夫」
「どうして中に入らないのですか? セリナ嬢は……」
「いるわ」
そこまで答えた殿下は、扉の外を振り返って、キッと近衛を睨みつけた。
「どうしてシュリオスまで連れてきたの!? 私はセリナ・レンフィールドを連れていらっしゃいと、」
「眼鏡をしていないからね。その騎士を責めたらかわいそうだよ」
おおお、冷ややかなお声、その二!! しかも殿下の言葉をさえぎってとは! さっきのは冷たいだけだったけれど、今回のはあくまでにこやかなのに、声音がぜんぜんにこやかではないとか、その上、嘲弄する気配まであって、なんだか、悪役の風格がありますよ!? でも、殿下相手に、そんな態度をとっていいのかしら?
シュリオス様が払う仕草で軽く手を振る。中に居た方たちが出て行き、シュリオス様と私、殿下とフレドリック様だけが残された。パタンと扉が閉まる。
かわいそうに、フレドリック様は息を呑んで青ざめている。しかし殿下はたじろいだ様子を見せながらも、言い返した。
「どうして眼鏡をはずしているの!? 許されていないでしょう!?」
「どうして、ではないだろう? 私の婚約者に何をするつもりだ?」
「お礼とお祝いを言いたかったのよ! 私たちを救ってくれた聖女だもの!」
「黙れ」
ビクッとヴィルへミナ殿下の肩が跳ねた。フレドリック様もそう。二人は見るからに怯えて、数歩下がった。
「なななななんで怒るの、本当に感謝しているのに」
「彼女とのことは、君とは関わりのないことだ。それに、私は承諾していない。君も自分の責務を投げ出すな」
「その話とは別よ! 単に、あなたを引き受けてくれたお礼を言おうと思っただけ! だって、急に話して、ほら、ねえ?」
意味ありげに笑って、言葉を濁す。何やら切り札をちらつかせている感じがする。どうやら、私に知られたらシュリオス様の不利になるような何かがあるらしい。
「そっちがその気なら、こちらにも考えがある」
シュリオス様はあっさりと蹴散らした。殿下がムウッと顔を顰め、不満を爆発させた。
「そんなこと言ったって、無理だもの! 人の好すぎるフレドリックにも無理! 無理無理無理! 無理なのわかっているでしょう!? 国が乱れれば、公爵家だって安泰ではいられないんですからね!」
「私はどこでもやっていける。もっといい待遇など、いくらでも作りだせるからな」
「この、魔王!」
ヴィルへミナ殿下が地団駄踏んで、シュリオス様を罵った。
「ヴィー!」
フレドリック様があわてて殿下の口を押さえて、頭を下げた。
「申しわけありません、兄上。彼女の分も私が謝罪いたします」
彼は殿下から手を離して、膝をつく。心なしか震えているよう。
……私ですら、目下の者に迂闊に謝ることは許されていない。身分ってそういうものだから。だから、シュリオス様やラーニア様が、何かというとすぐに謝ってくれるのはとても驚いたし、その誠意に報いたいとも思った。
言うまでもなく、王族は謝らない。何があっても、それは臣下の非。その王族の分も謝ると言うなんて、明らかにフレドリック様は失言を犯している。
なのに、ヴィルへミナ殿下も失言してしまったという顔で、小さくなっていた。
さっきのシュリオス様の「黙れ」も、そう。臣下が王族に言える言葉ではない。力関係がおかしい。王女である殿下より、シュリオス様のほうが上みたい。
「……いい。気にしていない。いずれ王配になる者が、膝をつくな。立ちなさい」
フレドリック様はゆっくりと立ち上がって姿勢を正した。
「君たちが力を尽くすなら、足りない分は私も力を貸そうと言ったはずだ。それ以上のものを求めるなら、次はない。……勇者の子孫が、魔王の力になど頼ろうとするな。なんのために、これまで何人もの魔王が自ら封じられてきたのか、よく考えてくれ」
シュリオス様が立ち上がって、私に手を差し伸べた。
「行きましょう、セリナ嬢」
その手を取って立ち上がりつつ聞いてみる。
「あの、少しいいですか? 殿下とお話ししたいのです」
「……あなたがそう望むのなら」
躊躇った後にシュリオス様は頷いてくれ、私は殿下に向き直った。
私から話しかけてもいいわよね? さっき彼女から声を掛けられたし、そもそも呼び出したのは彼女だし。……それに、どうも、私に目を付けていびってやろうとか、そういうのではなかったみたいだから。
「ご婚約おめでとうございます」
「ありがとう」
そう言ってフレドリック様と目を見交わしたご様子が、まさに両思いな感じで、お幸せそう。
「今日は驚かせてしまって、いけなかったわね。私、ただ、お礼を言いたかっただけなの。あなたのおかげで、私達救われたから。感謝しているの。
懲りないでまた会ってくれるかしら? これから顔を合わす機会も増えるはずだし、どうせならお友達になりたいの。お茶会に呼んでもいい?」
一応、シュリオス様に目をやると、苦笑している。これはいいということね!
「はい、私でよければ喜んで」
「そう! 絶対よ! 絶対招くから、来てちょうだいね!」
シュリオス様がポケットから眼鏡を取り出し、掛けた。
「さあ、まだ今日の仕事は終わっていないはずだ。二人とも今すぐ大広間に戻って、挨拶回りをしてきなさい」
「はーい」
「はい」
殿下は間延びした返事をし、フレドリック様はキビキビと殿下の手を取った。
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