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どこ? ……ここ?

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 胸元の布地が引き下げられ、胸があらわになる。敏感な中心を口に含まれ、舌でこねられた。

「ああっ」

 甘美な痺れが体に刻まれるようにはしって、声をあげて体をひねり、突然与えられた大きな快楽を逃そうとした。なのに、体をしっかり押さえ込まれて、もう片方の胸も摘ままれ、逃れられないようにして両方に愛撫を加えられる。

「ん、あ、あっ、ああ、あっ」

 気持ちよさと、愛しさに、胸元で揺れるユースタスの頭を抱きしめた。なめらかな彼の髪を、何度も何度も梳く。幼い頃に、頭を撫でられて嬉しそうにしていた彼を思い出していた。……少しでも、彼にも気持ちよさを与えたかった。

 胸への愛撫が唇だけになり、彼の大きな手で腰から足を撫でられる。スカートがたくしあげられていき、やがてじかに足に触れられた。

「ああ、ユースタス」

 ここに触れられたかったのだ、と強く思い知らされた。さっきから、触られているわけでもないのに腰の奥が疼いて、勝手に揺れていたのは、そういうことだったのだ。
 彼が奥へと手を進めるにつれ、足を開いて、もっと触れてほしい方へといざなう。
 そして、彼の手が足の付け根に辿り着き、数回入り口を確かめるようにぬるぬると滑った後、ぬう、と中に入り込んできた。

「は、ぁ……ぁ……」

 細い声をもらすと、ユースタスが唇にキスしてくれた。

「アンジェリカ、痛くない?」
「ん、ん、だい、じょう、ぶ……」
「痛いときは、教えて」
「ん」

 何度も中を往復されて、その感触を追い、自然とキュッと締め付けてしまう。そうすると彼の指の節がごつごつとこすれていき、じんわりとした快楽が生まれる。

「気持ちいいの?」
「う、ん、気持ちいい、もっとして……」

 いつのまにか、横に向き合うようにしてしっかり抱え込まれて、片足を曲げて開いて立てていた。腰から下をすっかりさらして、彼の指を受け入れている。
 一度すべて指を抜かれてしまったと思ったら、今度は質量を増して入り込んできた。いっぱいになった分、指の動きに合わせて締め付けると強くこすれて、快感が増す。
 どんどん中がやわらかくなって、彼の指に吸い付くみたいになっていく。時々、ぴちゃぴちゃ水音がするようになり、彼の指がただまっすぐ入ってくるだけじゃなくて、中を不規則にかきまぜるようになった。

「あっ」

 はっきりした快感に襲われて、背中が反射的にのけぞった。

「アンジェリカ、どこ? ……ここ?」

 さらした首に口づけられつつ、また同じ所をつつかれる。
 ……そこから先は、わからなくなった。とにかく気持ちよくて、体が熱くなって、体が快楽ではねるたびに頭の中がふわふわしていって、どんどん腰に熱がたまっていく。

「あっ、あっ、あっ、ああっ、ああっ、あ……っ」

 声の限り叫んでいたのに、熱がはじける瞬間、声が止まって、ただただのけぞっていた。びくんびくんと中だけが何度も締まって、腰がはずむ。
 嵐のような何かが通り過ぎると、急に体から力が抜けていった。
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