政略婚~身代わりの娘と蛮族の王の御子~

伊簑木サイ

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アニャン、ロムランの力を知る

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 スレイと並んで歩く。後ろからはスレイのお父さん一味(?)もついてきていた。
 また襲われるんじゃないかという心配はなかった。だって、彼らも私を無事にエウルの許まで届けずにはいられないはず。それには、。それが、感覚としてわかっていた。

「あ、リャノ! ウォリ!」
「耀華公主、ご無事でしたか!」
「そこにいるのはスレイか。どういうことだ」

 人々の中に見知った顔を見つけて呼べば、ザッと、リャノが踏み込んできた。私とスレイの間に――違った、スレイの横に立ち、その後ろの二人に剣を向ける。
 ウォリが私の前でしゃがんで、顔を覗きこんできた。

「お怪我はありませんか?」
「ないよ」
「エウルが探しています。こちらへ」

 ウォリが先に立って案内しようとするその間にも、どんどん松明を持った人達が集まってきていた。

「耀華公主だ!」
「耀華公主がいた!」
「耀華公主」
「耀華公主」

 誰ともわからない人々が、口々に私の名を呼んでいた。男の人ばかりではなかった。女の人も、年寄りもいる。それに、赤ん坊や子供達は火が付いたように泣いていて。
 松明に照らされた顔は、一様に苦しそうで必死だった。その気持ちはわかる。……私も同じだから。

 ふくらんでいく人々の群れの間に、一筋の道ができあがっていく。その遠い先に、エウルがたたずんでいた。小さくてもわかる。あのシルエットはエウルだ。
 でも、あんなエウルは見たことがなかった。いつも人に囲まれているはずの彼の側には誰もおらず、一人昂然と立っている。
 ――まるで夜空を従え、地を支配しているみたいだった。

 その明るさで、優しさで、人も家畜もわけへだてなく愛しんで守ってくれる、太陽のように笑うエウルはいなかった。
 今のエウルが行使するのは、夜空に宿る底知れない深さそのものだった。

 どうしてこんなことを彼ができるのかわからない。できるということも知らなかった。
 とてもすごいことだというのはわかる。こんなにたくさんの人をいっぺんに従わせられるのだから。それも、絶対に誰一人逆らえない。「死ね」と言われたら、どんなに嫌だと思っても、私達はその瞬間に自分を殺すのだろう。

 そして、まさに今、エウルは私達にそうしようとしている。一刻も早く望みを叶えようとして、手加減なく支配し、私達が壊れる寸前まで締め上げて。
 『耀華公主を無事なまま俺の前に連れてこい』。それができない者に、生きる価値はないのだと。それが、伝わってくる。

 私が知るエウルなら、絶対にこんなことしない。彼がどのくらい命あるものを愛しているか知っている。
 でも、こうしているのがエウルなのだというのも、疑いようがなく感じられた。……底の底にあるものが同じなのだ。
 広くて透き通って濁りない。
 ……ああ、だからだ。だからきっと、彼は人ならざるものと繋がれて、こんなことができる――できてしまう。
 だけど、そこには彼の意思もまたないのだろう。人知の及ばぬ偉大な力を前にして、ただの人がいったい何ができるというのだろう。

 彼へと歩む足が、どんどん速くなる。
 彼は私の姿を認めただろうに、動かない。いつもなら、走ってきて抱き上げてくれるのに。……ううん、動けないのだ。その分、急かされる。もっと早く、もっと早くと急き立てられる。
 ――辛うじて誰も壊さないで踏みとどまっている、彼の人の部分に呼ばれている。

「エウル!」

 飛びつくようにして抱きついた。
 きりきりと細い糸に絡みつかれて締め上げられ、今にも心を切り刻まれそうに感じていた圧力が、ふっと消え去った。

「耀華、公主」

 エウルは喘ぐように私を呼ぶと、片腕で深く抱き込み、利き手でズラリと剣を抜いた。鞘走る音に背筋が震えてしまう。
 スレイに助けられたこと、パタラの姿が見えないことを、急いで話さなければと思うのに、うまく言葉が出てこない。あ、とか、う、とか言っているうちに、横から重い声がかかった。

「エウル、そこまででよい」

 エウルが私を離して、ぐいっと後ろへと押しやった。背中がすぐに誰かにぶつかり、仰ぎ見ると、リャノがいた。
 エウルは剣をしまって、一人、声のした方へと膝をつき、頭を垂れる。王が重臣達を従えてそこにいた。その横から、パタラが飛び出してきた。

「耀華公主、無事だったかい!? ああ、よかったよ。本当によかった。蒼天よ感謝いたします!」
「あ、パタラ! パタラだ、よかった……、よかった……」

 私達は抱きあった。彼女の元気な様子に、ほっとして涙が出てくる。

「ああ、私は何ともないよ、泣かなくていいんだよ」

 自分だって涙を浮かべて背をさすってくれるパタラに、頬を寄せて、もっとぎゅっとしがみついた。

「耀華公主、ご無事で何よりだった」

 王からも言葉をいただき、私はパタラから離れて涙を拭き、礼を取った。何をどう言えばいいのかわからない。黙ったままでいた。パタラとエウルに、答えるのが難しいときは、沈黙していればいいと教えられている。
 王は私の背後に視線をやった。

「久しいな、ルツ」
「は。王におかれましては、益々ご清栄のこと、お喜び申し上げます」
「……ならば、なぜ、我が意に染まぬことをした」
「恐れながら、申し上げたき儀がございます」

 ルツと呼ばれたスレイの父親は、這いつくばるようにして頭を下げ、言上の許しを願った。

「言ってみよ」
「は。エウル様を後継から下ろされようとしていることは、間違いと存じます。次期王位にふさわしいのは、ロムランの力を扱えるエウル様をおいて他にはないかと。それは、このたびのことで、皆にも知れたことでしょう。どうぞ、ご再考を」
「それで、公主を拐かす真似事をしたか。パタラより、簡単に縄がとけ、すぐに助けを呼びに行けたと聞いておる」
「いいえ、それは、我が従僕が、パタラ様に無礼を働く畏れから、手元が不如意になっただけのこと。先には馬車を用意し、公主を乗せて逃げる算段でした。……ただ、それも、スレイによって邪魔されましたが。手引きしてくれていた妻が、縛られて転がされておるそうです。
 まったく、親を何だと思っているのか。心を病んでいると聞いておりましたので、ここに一人残しても不憫と思った親心が仇となりました」

 王は近くにいる者に馬車の確認をするよう命じると、また私へと視線を寄こしてきた。

「耀華公主、スレイに助けられたというのは本当か」
「はい。スレイが彼らから引き離してくれたよ」

 王は今度はスレイへと目を向ける。

「スレイ、どのような経緯で助けに入った」
「暗くなってから、母に外に連れ出され、馬車に乗せられました。……実は、これまでも肉やチーズの減りが早く、誰かを、いえ、父を匿っているのではと思っておりました。
 馬車が止まり、母が思い悩んだ様子で馬車の中に入ってきたところを捕まえて縄で縛り、外に出て、馬車と馬を切り離しました。
 遠くにアイルの明かりが見えましたので、こちらに来たところ、怪しい人影を見つけ、助けに入りました」
「スレイ、今の話だと、おまえはルツが何かしでかすと確信していたようだな。なぜだ。
 おまえ達は公主の身代わりを連れているときに賊に襲われ、そのせいでルツが行方知れずになったとしか知らなかったはずだ」

 スレイが辛そうに眉をしかめ、奥歯を噛みしめて唇を引き結んだ。すぐに言葉が出てこなかったらしく、一つ大きく息を吸って、震える息を吐き出す。そして、返事が遅れたことをわびるように頭を下げると、口を開いた。

「矢羽根が。……賊に襲われた時、私はまず左肩に矢を受け、手綱を手放してしまったところを、馬の首を射貫かれて落馬し、意識を失いました。その、馬の首に突き立った矢の羽根の細工が、父の物でした」

 獲物を仕留めたのが誰かわかるよう、それぞれが目印になるように羽を選んだり、留めつける糸の巻き方に工夫をするという。
 エウルが矢の手入れをしながら教えてくれた。エウルの矢には黒の羽と青と赤の糸が使われていて、これが俺のだと見せてくれたのだ。
 でも、それでは、スレイを襲ったのは父親だということになる。それに、「公主の身代わりを連れて」とはどういうことだろう。その上、賊に襲われていたとは。

 エウルへと視線をやったけれど、応えてはくれなかった。頑なに畏まっている。だからパタラを見上げた。パタラは困ったようにゆるく首を振って、「公主の気にすることではないんだよ」と言った。
 では、本当にそんなことがあったのだ。
 ……皇帝の娘が殺されたりしたら、もっと大変なことになる。それを避けるために、私の知らないところで、他にもたくさんの犠牲が払われているのかもしれなかった。
 ――エウルと共に、耀華公主として生きていくとは、こういうこと。
 私は口を噤んで、背筋を伸ばした。狼狽えて悲しんでばかりいれば、私の心を傷つけたとの罪が重くなる。

「ルツ。賊はおまえ自身だったか」
「賊などと人聞きの悪い。娘など父親の持ち物の一つ。親として始末をつけた、それだけのことにございます」
「父さん!」

 たまりかねたようにスレイが声をあげた。

「いいかげん、役目をわきまえよ、スレイ。たとえ追放されようと、おまえはエウル様に献げられた身。
 エウル様が王となられるには、竜血を引く耀華公主をお側に置いておくことはできない。だが、耀華公主はエウル様の定めの伴侶。蒼天が伴侶と決めた方を失ったりすれば、エウル様は正気を失ってしまわれるだろう。お側から引き離し申し上げはするが、耀華公主の身は安泰でなければならない。
 我らで耀華公主をお預かりする時、あの娘達は邪魔にしかならん。公主に仕えるには不適格だった。故に、先を見越して始末した。
 ……おまえは気性が優しい。面倒をみなければならない者が現れれば、いずれ正気を取り戻すだろうと思った。我らは耀華公主より長生きはできない。その後を託せるのは、おまえしか居ないと思っておったのだ」
「馬鹿なことを言わないでくれ。父さんこそ、目を覚ましてくれ!」
「ルツ、スレイ、そこまでにせよ」

 王が低い声でさえぎった。スレイは、はっとしたように畏まってうつむき、父親の方は落ち着き払って頭を下げた。

「ルツ、顔を上げよ。そして、よくまわりを見よ」

 言われて、こっそりと私もまわりを見た。私達は松明を持った人々に取り囲まれていた。
 異様な雰囲気だった。けっして、私が見つかって良かったなどという感じではない。誰もが不審と不安でいっぱいの表情をしていた。

「おまえもその体で感じたはずだ。エウルがロムランの力をどう使うかを。……エウルは、ロムランの力を使いこなせぬ。制御できぬのだ。今回は辛うじて誰も殺さずに済んだが、使えば使うほど力に呑まれ、正気を失っていくのだ。
 ロムランの力に呑まれたエウルは、人を人と思えぬのだそうだ。人がただの人形にしか見えなくなってしまうのだと。先ほどもそうだった。駒の一つのように扱われたのを、おまえも感じただろう。
 たしかにエウルは偉大な王となるかもしれない。帝国すら倒し、周辺の国々を併呑し、大王国を築くかもしれない。だがそれは、人を命あるものと思わず、武器を持った人形として操った先にあるものだ。
 おまえは、そんなものを望むのか?」

 王が語り終えた後、静寂があたりを支配した。ルツは考え込むようにうつむき、そのままいつまでも答えなかった。
 王はルツから視線を上げると、集う人々をみまわした。

「皆も、耀華公主がエウルを正気に戻すのを見たであろう。
 エウルは、耀華公主が己の定めの伴侶であるとの啓示を受けている。閻と帝国に生まれ、出会うはずのない二人がめあわされたは、まさに蒼天の配剤。強大なロムランの力を、竜血の力によって抑えるためであろう。
 蒼天は、エウルの代でロムランの力が使われること望んでおられぬのだ。このたびの恩寵は、蒼天の祝福が変わらず我らの上にある、それを示すために下されたものであろう。
 また、聖なる力をみだりに使えば、祝福も呪いになる、そういう警告でもあろう。
 エウルに力を使わせず、平穏に暮らさせること、それこそが蒼天の意向である。
 皆の者、心して蒼天に従え」

 王は袖に手を隠して、うやうやしく天を戴く仕草をした。
 人々が、手に手に袖を掛け、天へと掲げていく。――エウルも。
 私も、彼が見ているであろう蒼天へと、慈悲を願って手を伸ばした。

 どうかこれ以上、エウルに苦しみを与えないでください、お願いいたします。

 私は初めて、異国の神だと思っていた「蒼天」を身近に感じ、願い事をしたのだった。
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