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176.とある騎士のぼやき
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相変わらずのチャコが鼻血を出しながら力説する。白いマントが赤く染まる前にと私はそれを取り上げバサリと羽織った。差し色で使われている若草色と白の組み合わせは、設立当初の自警団カラーだ。
「状況の合図と指示は関所遊園地からこの銅鑼の音で知らせる予定。各部隊のリーダーには合図表を後で渡すから今夜中に覚えてね」
さっきライムが打ち鳴らしてみせた通り、音の大きさは折り紙つきだ。メンバーをそれぞれに振り分けたところでダナエから質問が出た。
「アキラはどこに居るつもりだ? 合図を出すってことはやっぱり関所で控えてるのか?」
私はそこで改めて広間の中を見回した。一人ひとりの顔を見ながらずっと考えていたことを言う。
「……私は、やっぱり正面から正々堂々と行くべきだと思う。だから中央突破部隊と行動を共にするわ。その方が注意を引きつけられるし、勇者と魔王が並んで説得するっていうことに意味があると思うの」
心配そうな声が上がるものの、私は心の内を気取られまいと明るい笑顔を浮かべた。
「だーいじょうぶっ、きっとうまく行くから! ねぇっ、全部片付いたら、みんなでパーッとお祝いしよう! たくさんご馳走を用意して、今度こそ私の戴冠式をやって、それでみんなで朝までお祭り騒ぎをするの」
胸に手をあて目を閉じ、未来のことを思い描く。幸せだったあの豊穣祭の日を思い出せるように。
「お酒もお肉もいっぱい倉庫から出して、音楽も鳴らして、みんなで歌って踊って。また劇場で演劇をやっても面白いかも、花火もいっぱい打ち上げて、たくさん笑って…… だから」
一度溜めた私はスッと目を開ける。全ての目がこちらに向いていた。私は両の手のひらを広げ、張り詰めた空気を一突きする言葉の針を放った。
「取り戻しに行こう、ぜんぶ」
最高潮に高まったボルテージが爆ぜた。会場の誰もが沸き立つ中、私は一人本心を押し込めて穏やかに微笑みを浮かべていた。
***
集会が解散した後は銘々が明日に備えて別れていった。早めに就寝する者、景気づけに一杯ひっかけに行く者、落ち着かない心を鎮めるため祈りを捧げる者、恋人と愛を囁き確かめ合う者……。
私は自室の窓辺に腰かけて、そんな街の様子を見下ろしていた。明日の今頃、私はどうなっているだろう、この部屋は変わらずここにあるのだろうか? それとも跡形もなく――
嫌な想像が堂々巡りを始めそうになった時、部屋のドアをノックする音が響いた。タイミングの良さに感謝しつつ私は来訪者を引き入れる。
「忙しいのにごめんね。あなたを呼んだのはお願いしたいことがあったからなの」
怪訝そうな顔をして入ってきたその人は、私の頼みを聞いて心底驚いたような表情を浮かべた。いくつか質問をしてきたので端的に答えていく。
「あなたにしか頼めないことなの、お願い」
真剣な顔をして相手の手をぎゅっと握りこむ。何か言いたげな顔をしていたその人は、ふっと笑みを浮かべたかと思うとようやく承諾してくれた。そのまま私の手を掴むと引き寄せる。頭に手をぽんと置かれ、耳元で囁く――
……。
…………。
ふと目が覚めると、いつの間にか夜は明けていた。私ははだけた寝間着を整えながら窓辺による。朝日が、決戦の日が東の果てからやってきた。もう後戻りはできない、本当に最終局面だ。
身支度を整え、部屋を出ようとしたところで視界の端にある物が映り動きを止める。
「……」
それをしばらく見つめていた私は、無言で手に取り懐に押し込んだ。
最後に一度振り返る。半年間、寝起きをした私の部屋は、何も変わらずそこにあった。ベッドを、鏡台を、浴室に続く扉を、隅々まで目に焼き付ける。
キュッと唇を噛みしめた私は、今度こそ勢いよくドアを開け放った。そして、こみ上げてくる感情を置き去りにする勢いで飛び出したのだった。
***
十月十六日。メルスランド建国記念日であるその日は、例年ならば首都カイベルクを中心として華やかな祭典が行われる日であった。
しかし、賢君リヒター王が急逝したばかりなのもあって今年は見送られる事となっていた。その代わりに後を託されたボリス王が戴冠式を行う段取りになっており、公式には発表されていないが、おそらくは正午ちょうどに魔族領に向けて騎士団が進軍するだろうとの噂が流れていた。
「とはいえ、ヤツらが黙って大人しくしていますかねぇ」
国境でもあるレーテ川を挟み、かの国ハーツイーズを対岸に見据えながら騎士の一人がぼやく。手をひさしに目を凝らすと、橋の行くである跳ね橋は降りていて、関所の入り口がぶきみにぽっかりと開いていた。かつて勇者殺しが発生する前は子供たちでにぎわっていた観覧車が、虚しく風に揺れている。
「仕掛けてくるなら、もうそろそろ頃合いですかね。ホントにこっちから攻め入るって指示は出てないんすか?」
その問いかけに、横にいた部隊長はわずかに眉間にしわを寄せた。
「あぁ、『決して向こうの国には踏み入らず、その場で待機すること』と、言われている」
「で、向こうから来るものは徹底的に押し返せっていうんでしょう? 派手な大砲でもぶち込むんですかね」
その場で待機命令を出されたときから、この現場にいる騎士たちの間ではそんな予想が立てられていた。しかしさすがにこの場の全指揮を任されている部隊長は慎重だった。地に垂直に立てた剣の柄に両手を乗せ、重苦しくいさめる。
「根拠のない憶測はよせ。我らは下された命をただ遂行するのみだ」
今のところ、魔族側に動きはない。もし、魔王が投降してきたのなら速やかに拘束しメルス城まで送り、攻めて来たのなら徹底的に交戦すべし。そう下された命を反芻する。
今日は秋らしい爽やかな陽気だ。わずかな西風が駐屯地に建てられた国旗をひるがえす。頭の中で様々なシミュレーションをしていた部隊長は、隣でぽつりとこぼされた呟きに意識を引き戻された。
「……どうして、こんなことになっちまったんですかね」
「……」
「俺、橋向こうの門番だったスライムと仲良くなってたんですよ。エリック隊長がやられる前までは楽しくやってて、魔族のやつらも結構好きになってたんだけど」
「言うな、上層部からの命令に背くなど騎士の名折れだ」
気持ちは分からないでもない、しかし自分たちは国を守る剣そのものなのだ。一時の感情でその剣を鈍らせることだけは絶対に許されない。心を鬼にした部隊長は朗々とした声でその場にいる全員に聞こえるよう声を響かせた。
「いいか、絶対に手を抜くな。それこそ騎士道精神に背くことだ。来たのなら迎え撃つ! そして正々堂々と打ち破り、我らが王に裁いて貰うのが定め。騎士の位を叙勲するときに誓ったことを忘れるなよ!」
「……その王も、今となっちゃ居るんだか居ないんだかわからないボリス王ですけどね」
「貴様!」
声を荒げようとするが、その場にただよう空気に部隊長は二の句を次げなくなった。ほぼ全員が同じ気持ちなのが伝わって来たからだ。
「後を継いだって言うものの、俺らの前に一度も姿を現さないし、継承の儀すら執り行わない王サマに伝令で命を下されても納得できないっすよ……俺らが忠誠を誓ったのはリヒター王なのに」
部隊長はギリと歯を噛みしめる。すぐに口の中で血の味が広がった。分かってはいる、むしろこの場にいる誰よりもそう感じているのは他ならぬ彼自身だったのだから。
それでも責任を負う者として、部隊長は心を鎮めた。ふぅーっと鼻から様々な事に対する憤りの感情を逃がしていく。はたしてそれが成功したのかは分からない。だが次に彼の口から出て来た声はどこまでも冷静なものだった。
「それでも、我らは従うのみだ」
誇りの代名詞とも言える聖剣を腰のベルトに戻し、彼は再び橋の方へと見回りに戻る。残された騎士は空を仰いだ。誰に言うとでもなく独り言を風に流す。
「本当に、これでいいのかな……」
その時、空気がざわりと沸き立った。緊張が走る中、全員がそちらに注目する。
関所の暗がりから白いローブを身にまとった一団が姿を表したところだった。先頭を歩く華奢なシルエットが橋の真ん中まで進み出て足を止める。
彼女がフードを引き下ろし、中から艶やかな長い黒髪が流れ出た時、騎士団側からはどよめきの声が上がった。
もはやこの国では誰も知らない者は居ないであろうその人物は、凛とした声を大河に響き渡らせる。
「まずは話し合いを! 責任者はどなたですか」
魔王アキラその人は、正面から堂々とやってきたのだ。
「状況の合図と指示は関所遊園地からこの銅鑼の音で知らせる予定。各部隊のリーダーには合図表を後で渡すから今夜中に覚えてね」
さっきライムが打ち鳴らしてみせた通り、音の大きさは折り紙つきだ。メンバーをそれぞれに振り分けたところでダナエから質問が出た。
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「……私は、やっぱり正面から正々堂々と行くべきだと思う。だから中央突破部隊と行動を共にするわ。その方が注意を引きつけられるし、勇者と魔王が並んで説得するっていうことに意味があると思うの」
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「お酒もお肉もいっぱい倉庫から出して、音楽も鳴らして、みんなで歌って踊って。また劇場で演劇をやっても面白いかも、花火もいっぱい打ち上げて、たくさん笑って…… だから」
一度溜めた私はスッと目を開ける。全ての目がこちらに向いていた。私は両の手のひらを広げ、張り詰めた空気を一突きする言葉の針を放った。
「取り戻しに行こう、ぜんぶ」
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集会が解散した後は銘々が明日に備えて別れていった。早めに就寝する者、景気づけに一杯ひっかけに行く者、落ち着かない心を鎮めるため祈りを捧げる者、恋人と愛を囁き確かめ合う者……。
私は自室の窓辺に腰かけて、そんな街の様子を見下ろしていた。明日の今頃、私はどうなっているだろう、この部屋は変わらずここにあるのだろうか? それとも跡形もなく――
嫌な想像が堂々巡りを始めそうになった時、部屋のドアをノックする音が響いた。タイミングの良さに感謝しつつ私は来訪者を引き入れる。
「忙しいのにごめんね。あなたを呼んだのはお願いしたいことがあったからなの」
怪訝そうな顔をして入ってきたその人は、私の頼みを聞いて心底驚いたような表情を浮かべた。いくつか質問をしてきたので端的に答えていく。
「あなたにしか頼めないことなの、お願い」
真剣な顔をして相手の手をぎゅっと握りこむ。何か言いたげな顔をしていたその人は、ふっと笑みを浮かべたかと思うとようやく承諾してくれた。そのまま私の手を掴むと引き寄せる。頭に手をぽんと置かれ、耳元で囁く――
……。
…………。
ふと目が覚めると、いつの間にか夜は明けていた。私ははだけた寝間着を整えながら窓辺による。朝日が、決戦の日が東の果てからやってきた。もう後戻りはできない、本当に最終局面だ。
身支度を整え、部屋を出ようとしたところで視界の端にある物が映り動きを止める。
「……」
それをしばらく見つめていた私は、無言で手に取り懐に押し込んだ。
最後に一度振り返る。半年間、寝起きをした私の部屋は、何も変わらずそこにあった。ベッドを、鏡台を、浴室に続く扉を、隅々まで目に焼き付ける。
キュッと唇を噛みしめた私は、今度こそ勢いよくドアを開け放った。そして、こみ上げてくる感情を置き去りにする勢いで飛び出したのだった。
***
十月十六日。メルスランド建国記念日であるその日は、例年ならば首都カイベルクを中心として華やかな祭典が行われる日であった。
しかし、賢君リヒター王が急逝したばかりなのもあって今年は見送られる事となっていた。その代わりに後を託されたボリス王が戴冠式を行う段取りになっており、公式には発表されていないが、おそらくは正午ちょうどに魔族領に向けて騎士団が進軍するだろうとの噂が流れていた。
「とはいえ、ヤツらが黙って大人しくしていますかねぇ」
国境でもあるレーテ川を挟み、かの国ハーツイーズを対岸に見据えながら騎士の一人がぼやく。手をひさしに目を凝らすと、橋の行くである跳ね橋は降りていて、関所の入り口がぶきみにぽっかりと開いていた。かつて勇者殺しが発生する前は子供たちでにぎわっていた観覧車が、虚しく風に揺れている。
「仕掛けてくるなら、もうそろそろ頃合いですかね。ホントにこっちから攻め入るって指示は出てないんすか?」
その問いかけに、横にいた部隊長はわずかに眉間にしわを寄せた。
「あぁ、『決して向こうの国には踏み入らず、その場で待機すること』と、言われている」
「で、向こうから来るものは徹底的に押し返せっていうんでしょう? 派手な大砲でもぶち込むんですかね」
その場で待機命令を出されたときから、この現場にいる騎士たちの間ではそんな予想が立てられていた。しかしさすがにこの場の全指揮を任されている部隊長は慎重だった。地に垂直に立てた剣の柄に両手を乗せ、重苦しくいさめる。
「根拠のない憶測はよせ。我らは下された命をただ遂行するのみだ」
今のところ、魔族側に動きはない。もし、魔王が投降してきたのなら速やかに拘束しメルス城まで送り、攻めて来たのなら徹底的に交戦すべし。そう下された命を反芻する。
今日は秋らしい爽やかな陽気だ。わずかな西風が駐屯地に建てられた国旗をひるがえす。頭の中で様々なシミュレーションをしていた部隊長は、隣でぽつりとこぼされた呟きに意識を引き戻された。
「……どうして、こんなことになっちまったんですかね」
「……」
「俺、橋向こうの門番だったスライムと仲良くなってたんですよ。エリック隊長がやられる前までは楽しくやってて、魔族のやつらも結構好きになってたんだけど」
「言うな、上層部からの命令に背くなど騎士の名折れだ」
気持ちは分からないでもない、しかし自分たちは国を守る剣そのものなのだ。一時の感情でその剣を鈍らせることだけは絶対に許されない。心を鬼にした部隊長は朗々とした声でその場にいる全員に聞こえるよう声を響かせた。
「いいか、絶対に手を抜くな。それこそ騎士道精神に背くことだ。来たのなら迎え撃つ! そして正々堂々と打ち破り、我らが王に裁いて貰うのが定め。騎士の位を叙勲するときに誓ったことを忘れるなよ!」
「……その王も、今となっちゃ居るんだか居ないんだかわからないボリス王ですけどね」
「貴様!」
声を荒げようとするが、その場にただよう空気に部隊長は二の句を次げなくなった。ほぼ全員が同じ気持ちなのが伝わって来たからだ。
「後を継いだって言うものの、俺らの前に一度も姿を現さないし、継承の儀すら執り行わない王サマに伝令で命を下されても納得できないっすよ……俺らが忠誠を誓ったのはリヒター王なのに」
部隊長はギリと歯を噛みしめる。すぐに口の中で血の味が広がった。分かってはいる、むしろこの場にいる誰よりもそう感じているのは他ならぬ彼自身だったのだから。
それでも責任を負う者として、部隊長は心を鎮めた。ふぅーっと鼻から様々な事に対する憤りの感情を逃がしていく。はたしてそれが成功したのかは分からない。だが次に彼の口から出て来た声はどこまでも冷静なものだった。
「それでも、我らは従うのみだ」
誇りの代名詞とも言える聖剣を腰のベルトに戻し、彼は再び橋の方へと見回りに戻る。残された騎士は空を仰いだ。誰に言うとでもなく独り言を風に流す。
「本当に、これでいいのかな……」
その時、空気がざわりと沸き立った。緊張が走る中、全員がそちらに注目する。
関所の暗がりから白いローブを身にまとった一団が姿を表したところだった。先頭を歩く華奢なシルエットが橋の真ん中まで進み出て足を止める。
彼女がフードを引き下ろし、中から艶やかな長い黒髪が流れ出た時、騎士団側からはどよめきの声が上がった。
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