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第3章 俺たちの楽園
4 温泉女子トーク
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湯煙が立ち上る露天風呂──。
ひんやりとした外気と、熱い湯気が心地よくて、サーシャはすっかり満足していた。
引き締まった裸身を肩まで湯船につける。
「ふう、気持ちいい」
「えへへ、村に来て露天風呂に入れるなんて思わなかった。嬉しいな」
隣でノエルが同じように湯船に遣っていた。。
着やせするタイプなのか、意外なほど豊かな胸や、すらりとした四肢。
年ごろの少女らしい清らかさと、大人の女になろうとしている色香が、絶妙のバランスで混じり合った肢体だった。
「ノエル様、お美しい……」
サーシャは思わず姫の裸身に見とれた。
まるで芸術品だ。
「や、やだな、サーシャちゃん」
ノエルが照れたように頬を染める。
「サーシャも綺麗。引き締まってる」
と、逆隣りにマキナがやって来た。
こちらは小柄な体つきに、ささやかな胸。
折れそうな腰や手足など、繊細な人形じみた美しさがある。
「えへへ、鍛えてるからねー」
「ぜひ、修業の相手を」
単に勧誘したかっただけらしい。
「みんな、若いな。肌がぴちぴちしているぞ」
最後にやって来たのは、クラウディアだった。
肉感的な裸体から漂う大人の艶気に、サーシャも少しドキッとしてしまう。
「クラウディアさん、ぴちぴちは死語ですよ」
ノエルが微笑んだ。
「な、何、そうなのか!? 王都ではそういう言葉が流行ってると聞いたが」
「確か五年くらい前の流行言葉」
と、マキナ。
「カイル様と一緒に入れないのが残念です」
ノエルがふふっと小さく笑った。
「ノ、ノエル様っ!? 何をおっしゃるのですかっ!」
サーシャは思わず立ち上がった。
豊かな胸がぷるんと揺れる。
「え? あ、その、別に変な意味じゃないよっ!?」
たちまちノエルが顔を赤くする。
「ただ、温泉だと一緒に楽しく過ごせないから……」
「ノエル様はあの男にご執心なのでしょうか……?」
サーシャは彼女に歩み寄り、そっと耳元でささやいた。
「ご執心っていうか、一緒にいて楽しいっていうか、気持ちがなんだか安らぐっていうか」
ノエルがはにかんだ笑みを浮かべる。
その頬がほんのり赤く見えるのは、温泉で火照っているせいだろうか。
あるいは──。
サーシャの胸に複雑な思いが去来した。
ノエルが、そんなふうに思える相手がいること自体は嬉しい。
大恩ある彼女にはぜひ幸せになってほしい。
だが、その一方で彼女が遠くに行ってしまうような気がして寂しいのも事実だった。
「……ありがとう、サーシャちゃん」
「えっ」
「いつも、あたしを気遣ってくれて。王家からここに来たときも、ほとんど誰にも知られないようにしてたから……探してくれてたんだよね?」
「はい、心配で……」
「ごめんね」
ノエルがすまなさそうに頭を下げた。
サーシャは慌てて両手を振る。
「な、何をおっしゃいますか! 私は、あなたに再会できて本当に嬉しいです。ご無事でいてくれたことを竜神に感謝しています」
「カイル様にも、ね。あの方は何度もこの村を救ってくださったし、村を豊かにしてくださったし」
「……ノエル様の、あの者への感情はあくまでも感謝である、と?」
「えっ? そ、そうだよ。別に、ちょっといいなーとか憧れるなーとか一緒にいると胸がやけにドキドキするなーとか、そういうのは、その、別に……別に……」
ノエルの顔がさらに赤くなった。
(……わ、分かりやすい)
サーシャもさすがに彼女の気持ちを悟り、内心で苦笑した。
王族と市井の者という身分の差は懸念事項だが、ノエルは王族での継承順位も低い。
そもそも王家のスタンスとしては『ノエルはジュデッカ村に住まい、邪神の封印の一助になってくれれば、後はどうでもいい』だろう。
プライベートには干渉してこない気がする。
むしろ、彼女の機嫌を損ねて、ジュデッカ村から出ていくようなことになれば、彼らとしてはそちらの方が面倒事である。
(身分差はそこまでハードルにならないかもしれないね。だとすれば、後は彼がノエル様にふさわしい男かどうか……)
サーシャはあらためてカイルのことを思う。
性格は善良だ。
また強敵を前に臆せず立ち向かった胆力も、なかなか見事だった。
おまけに万物創生などという、とんでもないスキル持ちだし、ジュデッカ村を日々豊かにしていく手腕を見ても、生活面での心配はなさそうに見える。
(いいかもしれないね……)
一人納得した。
「ん? どしたの、サーシャちゃん?」
ノエルがキョトンを首をかしげた。
「あ、いえ、えっと……私は、姫の恋路を応援いたしますっ」
「????」
ますますキョトンとする彼女に、サーシャはにっこり微笑んだのだった。
ひんやりとした外気と、熱い湯気が心地よくて、サーシャはすっかり満足していた。
引き締まった裸身を肩まで湯船につける。
「ふう、気持ちいい」
「えへへ、村に来て露天風呂に入れるなんて思わなかった。嬉しいな」
隣でノエルが同じように湯船に遣っていた。。
着やせするタイプなのか、意外なほど豊かな胸や、すらりとした四肢。
年ごろの少女らしい清らかさと、大人の女になろうとしている色香が、絶妙のバランスで混じり合った肢体だった。
「ノエル様、お美しい……」
サーシャは思わず姫の裸身に見とれた。
まるで芸術品だ。
「や、やだな、サーシャちゃん」
ノエルが照れたように頬を染める。
「サーシャも綺麗。引き締まってる」
と、逆隣りにマキナがやって来た。
こちらは小柄な体つきに、ささやかな胸。
折れそうな腰や手足など、繊細な人形じみた美しさがある。
「えへへ、鍛えてるからねー」
「ぜひ、修業の相手を」
単に勧誘したかっただけらしい。
「みんな、若いな。肌がぴちぴちしているぞ」
最後にやって来たのは、クラウディアだった。
肉感的な裸体から漂う大人の艶気に、サーシャも少しドキッとしてしまう。
「クラウディアさん、ぴちぴちは死語ですよ」
ノエルが微笑んだ。
「な、何、そうなのか!? 王都ではそういう言葉が流行ってると聞いたが」
「確か五年くらい前の流行言葉」
と、マキナ。
「カイル様と一緒に入れないのが残念です」
ノエルがふふっと小さく笑った。
「ノ、ノエル様っ!? 何をおっしゃるのですかっ!」
サーシャは思わず立ち上がった。
豊かな胸がぷるんと揺れる。
「え? あ、その、別に変な意味じゃないよっ!?」
たちまちノエルが顔を赤くする。
「ただ、温泉だと一緒に楽しく過ごせないから……」
「ノエル様はあの男にご執心なのでしょうか……?」
サーシャは彼女に歩み寄り、そっと耳元でささやいた。
「ご執心っていうか、一緒にいて楽しいっていうか、気持ちがなんだか安らぐっていうか」
ノエルがはにかんだ笑みを浮かべる。
その頬がほんのり赤く見えるのは、温泉で火照っているせいだろうか。
あるいは──。
サーシャの胸に複雑な思いが去来した。
ノエルが、そんなふうに思える相手がいること自体は嬉しい。
大恩ある彼女にはぜひ幸せになってほしい。
だが、その一方で彼女が遠くに行ってしまうような気がして寂しいのも事実だった。
「……ありがとう、サーシャちゃん」
「えっ」
「いつも、あたしを気遣ってくれて。王家からここに来たときも、ほとんど誰にも知られないようにしてたから……探してくれてたんだよね?」
「はい、心配で……」
「ごめんね」
ノエルがすまなさそうに頭を下げた。
サーシャは慌てて両手を振る。
「な、何をおっしゃいますか! 私は、あなたに再会できて本当に嬉しいです。ご無事でいてくれたことを竜神に感謝しています」
「カイル様にも、ね。あの方は何度もこの村を救ってくださったし、村を豊かにしてくださったし」
「……ノエル様の、あの者への感情はあくまでも感謝である、と?」
「えっ? そ、そうだよ。別に、ちょっといいなーとか憧れるなーとか一緒にいると胸がやけにドキドキするなーとか、そういうのは、その、別に……別に……」
ノエルの顔がさらに赤くなった。
(……わ、分かりやすい)
サーシャもさすがに彼女の気持ちを悟り、内心で苦笑した。
王族と市井の者という身分の差は懸念事項だが、ノエルは王族での継承順位も低い。
そもそも王家のスタンスとしては『ノエルはジュデッカ村に住まい、邪神の封印の一助になってくれれば、後はどうでもいい』だろう。
プライベートには干渉してこない気がする。
むしろ、彼女の機嫌を損ねて、ジュデッカ村から出ていくようなことになれば、彼らとしてはそちらの方が面倒事である。
(身分差はそこまでハードルにならないかもしれないね。だとすれば、後は彼がノエル様にふさわしい男かどうか……)
サーシャはあらためてカイルのことを思う。
性格は善良だ。
また強敵を前に臆せず立ち向かった胆力も、なかなか見事だった。
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「ん? どしたの、サーシャちゃん?」
ノエルがキョトンを首をかしげた。
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