不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ

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第3章 勇者の仲間

10 そうだ道場、行こう2

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「道場へ行く前に、少しオカ研に寄っていくか」
「そだね」

 話しながら、俺たちは部室までやって来た。
 すでに雫も凪沙さんも来ていた。

「あ、彼方くん、月子ちゃん」

 雫がにっこりと笑った。

「二人で一緒に来た。らぶらぶ?」

 と、凪沙さん。

「もしくは、らぶらぶらぶ?」
「いや、ラブラブでもラブラブラブでもないですけど」
「きっぱり否定しなくてもいいじゃない、先輩」

 月子がなぜか拗ねた。

「じゃあ、雫にもまだまだチャンスがある」

 くるり、と雫のほうを振り向く凪沙さん。

「えっ、わ、わたっ、私はそのっ……」

 雫が慌てたように両手をばたつかせた。

「今日は月子の道場に行くんだ。オカ研には顔見せに来ただけで」
「えっ、もう行っちゃうんですか」

 雫が寂しげな顔をした。

「月子と道場ででえと?」

 たずねる凪沙さん。

「ねえ、でえと?」

 ……前から思ってたけど、この人って、なんでも恋バナに結びつけようとするな。

「そうそう、デートデート」

 なぜか乗っかる月子。

「デート……彼方くんが、月子ちゃんとデート……」
「恋の修羅場……わくわく」

 雫は雫でショックを受けたような顔だし、凪沙さんは目をキラキラさせてるし。
 ああ、もう何がなんだか……。
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