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第6章 勇者の戦い
1 ある日の学園生活
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今日の体育の授業はサッカーだった。
二つのクラス合同で、五人ずつのチームを作り、順番に試合をしている。
味方からパスを受けた俺は、ドリブルで一気に駆け抜ける。
「止めろ! とにかく全員で止めろぉっ!」
運動部連中が意地になって囲みに来た。
全部で、六人。
だけど──彼らの動きは、俺にとってスローモーションに等しかった。
中位魔族や災禍級魔獣との戦いで大幅にレベルが上がり、基礎ステータスが底上げされたおかげだ。
俺は残像すら生み出すほどのステップで無数のフェイントをかけた。
一瞬動きが止まった隙に、六人をごぼう抜きする。
「な、何ィ!?」
彼ら全員が驚愕の声を上げた。
それを置き去りに、俺はさらに加速。
ゴールが見えたら打て──とばかりに、右足を振り抜いた。
美しいドライブ回転のかかったボールがゴールに吸いこまれる。
我ながらファインゴールだ。
これで今日は七点目だった。
「すごーい!」
「夏瀬くん、プロになれるんじゃない!」
「かっこいい……彼方きゅん……!」
見学している女子たちから華やかな声援が飛ぶ。
正直言って面映ゆいんだけど、こういう光景にもだいぶ慣れてきた。
試合を終え、俺は見学に回った。
次のチームが出てきて、また試合が始まる。
と、
「彼方くん、かっこよかったです」
雫が俺の耳元ではにかむようにささやいた。
彼女とはクラスが違うが、今日は合同の授業なので一緒なのだった。
「ありがとう」
他の女子たちに騒がれるより、雫一人に褒めてもらえたことのほうが、何倍も嬉しい。
ついニヤけてしまった。
次の授業は数学だ。
「夏瀬、この問題を解いてみろ」
またか、と思ったけど、教師に指名されたら『嫌です』とは言えない。
俺は黒板の前に出て、難しい数式をスラスラと解いてみせた。
「うむ、よく勉強しているな、夏瀬」
褒められてしまった。
毎回、こうやってスラスラと解答するせいか、この教師のお気に入り状態になっている。
俺自身の学力ではなく、スキルを使ったので若干ばつが悪かった。
「どうも」
俺は短く答え、一礼して席に戻った。
「スポーツも勉強もなんでもできるのね……素敵」
後ろの席で、そんな声が聞こえた。
いや、聞かせたのか。
視線をやると、俺をうっとりと見つめる女子の姿。
投げキスまでされてしまった。
なんだか最近、女子たちのアプローチが前より激しくなってきてる気がするぞ。
昼休み。
「ねーねー、夏瀬くん」
自分の席で一人、購買部で買ったパンを食べていると、数人の女子が話しかけてきた。
「二組の真田さんが夏瀬くんのこと意識してるみたいよ」
「四組の小早川も夏瀬を狙ってるって」
「モテモテだねー。確か五組の伊達さんもそうよね」
全員、聞いたことのない名前なんだが。
他のクラスの女子にまで、俺の名前が知られてるのか……?
以前なら考えられないことだった。
というか、こうやって同じクラスの女子たちに囲まれること自体が、以前ではあり得ないシチュエーションなわけだが。
まあ、健全な男子高校生なら大半の奴が夢想するシチュエーションかもしれない。
勉強でもスポーツでも、ぶっちぎりでトップクラス。
おまけに女の子たちからもモテモテ。
だけど──実際にそうなってみると、思ったほどの喜びや充足感、優越感とかはなかった。
もちろん、嬉しいことは嬉しいんだけど。
それ以上に、俺は雫たちと過ごす時間が楽しい。
かつて失い、壊れてしまった『一周目』の人生が──彼女たちと過ごしていると、癒され、安らいでいくような感覚があるから。
ああ、早く放課後にならないかな……。
早くオカ研のみんなに会いたい。
二つのクラス合同で、五人ずつのチームを作り、順番に試合をしている。
味方からパスを受けた俺は、ドリブルで一気に駆け抜ける。
「止めろ! とにかく全員で止めろぉっ!」
運動部連中が意地になって囲みに来た。
全部で、六人。
だけど──彼らの動きは、俺にとってスローモーションに等しかった。
中位魔族や災禍級魔獣との戦いで大幅にレベルが上がり、基礎ステータスが底上げされたおかげだ。
俺は残像すら生み出すほどのステップで無数のフェイントをかけた。
一瞬動きが止まった隙に、六人をごぼう抜きする。
「な、何ィ!?」
彼ら全員が驚愕の声を上げた。
それを置き去りに、俺はさらに加速。
ゴールが見えたら打て──とばかりに、右足を振り抜いた。
美しいドライブ回転のかかったボールがゴールに吸いこまれる。
我ながらファインゴールだ。
これで今日は七点目だった。
「すごーい!」
「夏瀬くん、プロになれるんじゃない!」
「かっこいい……彼方きゅん……!」
見学している女子たちから華やかな声援が飛ぶ。
正直言って面映ゆいんだけど、こういう光景にもだいぶ慣れてきた。
試合を終え、俺は見学に回った。
次のチームが出てきて、また試合が始まる。
と、
「彼方くん、かっこよかったです」
雫が俺の耳元ではにかむようにささやいた。
彼女とはクラスが違うが、今日は合同の授業なので一緒なのだった。
「ありがとう」
他の女子たちに騒がれるより、雫一人に褒めてもらえたことのほうが、何倍も嬉しい。
ついニヤけてしまった。
次の授業は数学だ。
「夏瀬、この問題を解いてみろ」
またか、と思ったけど、教師に指名されたら『嫌です』とは言えない。
俺は黒板の前に出て、難しい数式をスラスラと解いてみせた。
「うむ、よく勉強しているな、夏瀬」
褒められてしまった。
毎回、こうやってスラスラと解答するせいか、この教師のお気に入り状態になっている。
俺自身の学力ではなく、スキルを使ったので若干ばつが悪かった。
「どうも」
俺は短く答え、一礼して席に戻った。
「スポーツも勉強もなんでもできるのね……素敵」
後ろの席で、そんな声が聞こえた。
いや、聞かせたのか。
視線をやると、俺をうっとりと見つめる女子の姿。
投げキスまでされてしまった。
なんだか最近、女子たちのアプローチが前より激しくなってきてる気がするぞ。
昼休み。
「ねーねー、夏瀬くん」
自分の席で一人、購買部で買ったパンを食べていると、数人の女子が話しかけてきた。
「二組の真田さんが夏瀬くんのこと意識してるみたいよ」
「四組の小早川も夏瀬を狙ってるって」
「モテモテだねー。確か五組の伊達さんもそうよね」
全員、聞いたことのない名前なんだが。
他のクラスの女子にまで、俺の名前が知られてるのか……?
以前なら考えられないことだった。
というか、こうやって同じクラスの女子たちに囲まれること自体が、以前ではあり得ないシチュエーションなわけだが。
まあ、健全な男子高校生なら大半の奴が夢想するシチュエーションかもしれない。
勉強でもスポーツでも、ぶっちぎりでトップクラス。
おまけに女の子たちからもモテモテ。
だけど──実際にそうなってみると、思ったほどの喜びや充足感、優越感とかはなかった。
もちろん、嬉しいことは嬉しいんだけど。
それ以上に、俺は雫たちと過ごす時間が楽しい。
かつて失い、壊れてしまった『一周目』の人生が──彼女たちと過ごしていると、癒され、安らいでいくような感覚があるから。
ああ、早く放課後にならないかな……。
早くオカ研のみんなに会いたい。
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