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#2 前途多難な学園生活(2)
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視界一面を青白い光に包み込まれた次の瞬間、目的の学園に到着した。レンガ作りの大きな門が左右にそびえ、ところどころ意匠を施した黒格子のフェンスが敷地を取り囲んでいる。この境界を基準に学園の結界が張られているらしい。
門から続く道の向こうに時計塔が見えた。四階建てくらいの高さで白を基調としており、赤茶色のレンガと屋根瓦が彩りを添えている。時計の文字盤は大きく、ところどころステンドガラスで装飾されていた。時計塔の手前には芝生が大きく広がり、その中央を横切るようにX字で白い道を作ってある。人間界にある大学を参考に造ったと聞く。
白い道、芝生の緑、美しい時計塔に、広がる空の青。魔界でこれだけ空が青い場所というのも珍しかった。
「綺麗だね。ちゃんとエリックと一緒に入学できてよかった……ありがとう」
「いえいえどうも?」
出来損ないのライラのために、エリックは魔術を教えてくれていた。魔力の揺らぎが一定まで落ち着いていれば入学を要請されるわけだが、ライラは魔力がすっからかんであるので不安だったのだ。資格を得られたときはエリックも喜んでくれた。出来の悪い妹のように思ってくれているのだろう。
「エリックと同じクラスになることは、たぶんないんだろうなぁ」
学生には学籍番号があらかじめ振り分けられており、種族や家柄が偏らないように配慮されている。授業は主に選択科目だが、必修科目やイベントごとはクラス単位で行うのだ。
エリックのバーナード家は侯爵位であり、ライラのトゥーリエント伯爵家よりも上位の爵位にある。それに見合う魔力と技量を彼は備えている。
ライラは、家柄だけは良家だった。
「何かあったら遠慮なく頼ってきてよ」
「エリックも心配性だなぁ……私がそうさせてるんだけど」
「弱気になるなよ。確かに魔力はないけど、その《怪力》でねじ伏せれるだろ」
「たぶん。でも加減が難しい」
「お前にしかない武器なんだから誇っていい」
エリックがライラの頭をぽんぽんと撫でた。
「エリックって、お兄ちゃんみたいだよね。兄様たちよりよっぽど真面な」
エリックの顔が引きつる。「お前の兄貴になるつもりは一切無い」
エリックに笑い返し、ライラは拳をぎゅっと握った。これまで自分が甘やかされ育ってきたことは自覚している。でもいずれ、エリックや兄たちのような魔力や技量がなくても、この身一つで立ち回らなければならないのだ。トゥーリエントの家名を背負って。
ライラにとって、学園がその一歩である。どれだけ欠陥があろうとも、半魔であり淫魔であることは変えられない。ただただ努力するしかないのだ。
「頑張る。ありがとうエリック、感謝してる」
「大事な大事な……幼馴染だからな」
「昔はあんなに意地悪してきたのにね」
「……」
エリックはだんまりをきめこんだ。
入学生と思われる生徒たちと道なりに沿って歩き、着いた講堂の前には様々な種族の魔族がいた。全員人型をとっているが、獣耳や尻尾が出ている者もいる。ライラは淫魔族以外と交流をもっていなかったため新鮮だった。
あの獣耳に、尻尾に、触ってみたい。
目を輝かせるライラをちらりと見て、エリックが言う。「おい、触るなよ」
ライラの思考は読まれていた。
「獣型をもつ奴らは大概好戦的だ。ちょっとしたことで喧嘩とか売られたら面倒だしな。純粋な攻撃力が強い奴も多い。あと戦闘力で言うと竜族かな。普段は理知的だと聞くが、怒ると手が付けられない」
今の魔王も竜族である。入学式で挨拶される予定だ。
講堂はとても広く、普段は大規模な摸擬戦を行う時に使われる。ドーム状になっており、闘技場を見物できるよう、二階席と三階席がある。一階の闘技場が本日は入学式場になっていた。高い天井や柱、二階と三階の座席は木調で作られている。肌色の床は弾力がありそうな不思議な素材でできていた。おそらく魔法がかかっている。
「じゃあ俺はあっちの座席に行くけど……帰りはどうする?」
「さすがに家へは一人で《転移》出来るから大丈夫」
「気を付けろよ。お前かなり世間知らずなんだから」
「分かってる。エリックも過保護だなぁ」
それともライラがあまりにも世間知らずで、学園が予想以上に恐ろしいところなのだろうか。
指定されている席に座る。周囲の椅子もどんどん埋まり、入学式が始まった。限られた世界でしか過ごしてこなかったライラは、周りに色んな魔族がいてそわそわした。感覚で分かるのだが、淫魔族は少ない。
(急に不安になってきた……)
歓迎のファンファーレが大音量で響き渡る。学園長の挨拶を終え、続いて司会の教師が魔王様の登壇を知らせる。会場内の全員に緊張が走った。
壇上に突然眩い光が現れ、その場所に背の高い男性が現れた。光に反射する不思議な光沢をもった黒髪、遠目でも分かる鋭い眼光。服装は黒づくめで、羽織っている裾の長いマントには金糸の刺繍と金のボタンが飾られている。彫りが深く、全ての顔のパーツが完璧に整っていて彫刻のようであり、生気がみなぎり荒々しい。ものすごく美形だ。
(あの人が魔王様)
「新入生の諸君、入学おめでとう。俺が魔王だ」
声は低く、体にずしりと響いてくる。滲み出る魔力のせいだろう。
「魔界は知っての通り弱肉強食、実力主義だ。でも上に上がっていくには腕っぷしだけじゃない。魔力が少なくても色んな方法があることをここで学ぶように。それと」
魔王は一旦言葉を止め、にやりと笑った。怪しい笑みに気付いた教師たちが慌てて立ち上がるが遅い。突如、巨大な力の奔流が体と意識を押し流した。目が眩むような圧倒的な力だ――ライラの体にぶわりと汗がわき、頭がくらくらになって立っていられず、気付けば椅子に座ってへたりこんでいた。周囲を見渡せば、生徒の半数は意識を失ったのか倒れている。極々少数の生徒は立ったまま持ちこたえているようだ。
「魔王陛下!」
教師の一人が諫める様に叫んだ。魔王は笑い、教師に向かってすまないといった意味の手振りを示した。
「今年の新入生はなかなかいいな。半分は持ちこたえたか。結構結構」
(さっきの衝撃波は、魔王様の魔力だったんだ)
エリックはどうしているだろうと見ると、流石秀才、よろめかず真っ直ぐ立っていた。ライラの視線に気付いたのかエリックが振り向く。すごいね、とライラが笑ってみせると驚いた顔をした。ライラは勿論倒れていると思っていたのだろう。
「じゃ、まぁ、頑張れ。あとヨロシク」
魔王は教師たちにそう言い残して消えた。生徒の半数は意識を失っており、状況は入学式どころではない。
「あっ、あの魔王はっ、毎年毎年ィィィィィィイ!」
教師の悲鳴が響いた。入学式は強制終了である。
生徒たちの治療を要するため自由時間となり、長い昼休みの後、クラス毎にオリエンテーションを行うことになった。
既に回復状態にあるライラは治療の必要がない。エリックの方を見たが、知り合いらしき魔族に囲まれている。割って入る勇気はない。ライラは一人でそっと講堂を出た。
広大な学園の敷地を当てもなく歩く。いくつも建てられている校舎はどれも外観が統一されていた。壁面の白色と、レンガと屋根の赤茶色のコントラストが落ち着く心地にさせてくれる。芝生を踏みながら歩いていると、森に面した場所に出た。木は鬱蒼と生い茂り、見通す限り森が続いている。近くの木の根っこに腰かけ、昼食をとることにした。
弁当箱の中は彩り綺麗に詰められていた。ヨハンの愛情を感じる。炊き込みご飯に甘酢あんの肉団子、卵にブロッコリーの胡麻和え、ひじきと豆の和え物。自然と頬をゆるませながら食べていると、森の向こうからガサリと音がした。びくりと警戒してその暗がりを見る。
小さな金色のものが二つ光っている。サクサクと足音を立てて近づいてくる。
――狼だ、それも大きな狼。思慮深げにライラを見つめている。
ライラは内心冷や汗をかきながら狼を見つめ返した。魔獣だろう。その眼光と佇まいで推測するに、強い魔獣に違いない。
(上位魔獣かな? もしかして、食べられてしまう?)
門から続く道の向こうに時計塔が見えた。四階建てくらいの高さで白を基調としており、赤茶色のレンガと屋根瓦が彩りを添えている。時計の文字盤は大きく、ところどころステンドガラスで装飾されていた。時計塔の手前には芝生が大きく広がり、その中央を横切るようにX字で白い道を作ってある。人間界にある大学を参考に造ったと聞く。
白い道、芝生の緑、美しい時計塔に、広がる空の青。魔界でこれだけ空が青い場所というのも珍しかった。
「綺麗だね。ちゃんとエリックと一緒に入学できてよかった……ありがとう」
「いえいえどうも?」
出来損ないのライラのために、エリックは魔術を教えてくれていた。魔力の揺らぎが一定まで落ち着いていれば入学を要請されるわけだが、ライラは魔力がすっからかんであるので不安だったのだ。資格を得られたときはエリックも喜んでくれた。出来の悪い妹のように思ってくれているのだろう。
「エリックと同じクラスになることは、たぶんないんだろうなぁ」
学生には学籍番号があらかじめ振り分けられており、種族や家柄が偏らないように配慮されている。授業は主に選択科目だが、必修科目やイベントごとはクラス単位で行うのだ。
エリックのバーナード家は侯爵位であり、ライラのトゥーリエント伯爵家よりも上位の爵位にある。それに見合う魔力と技量を彼は備えている。
ライラは、家柄だけは良家だった。
「何かあったら遠慮なく頼ってきてよ」
「エリックも心配性だなぁ……私がそうさせてるんだけど」
「弱気になるなよ。確かに魔力はないけど、その《怪力》でねじ伏せれるだろ」
「たぶん。でも加減が難しい」
「お前にしかない武器なんだから誇っていい」
エリックがライラの頭をぽんぽんと撫でた。
「エリックって、お兄ちゃんみたいだよね。兄様たちよりよっぽど真面な」
エリックの顔が引きつる。「お前の兄貴になるつもりは一切無い」
エリックに笑い返し、ライラは拳をぎゅっと握った。これまで自分が甘やかされ育ってきたことは自覚している。でもいずれ、エリックや兄たちのような魔力や技量がなくても、この身一つで立ち回らなければならないのだ。トゥーリエントの家名を背負って。
ライラにとって、学園がその一歩である。どれだけ欠陥があろうとも、半魔であり淫魔であることは変えられない。ただただ努力するしかないのだ。
「頑張る。ありがとうエリック、感謝してる」
「大事な大事な……幼馴染だからな」
「昔はあんなに意地悪してきたのにね」
「……」
エリックはだんまりをきめこんだ。
入学生と思われる生徒たちと道なりに沿って歩き、着いた講堂の前には様々な種族の魔族がいた。全員人型をとっているが、獣耳や尻尾が出ている者もいる。ライラは淫魔族以外と交流をもっていなかったため新鮮だった。
あの獣耳に、尻尾に、触ってみたい。
目を輝かせるライラをちらりと見て、エリックが言う。「おい、触るなよ」
ライラの思考は読まれていた。
「獣型をもつ奴らは大概好戦的だ。ちょっとしたことで喧嘩とか売られたら面倒だしな。純粋な攻撃力が強い奴も多い。あと戦闘力で言うと竜族かな。普段は理知的だと聞くが、怒ると手が付けられない」
今の魔王も竜族である。入学式で挨拶される予定だ。
講堂はとても広く、普段は大規模な摸擬戦を行う時に使われる。ドーム状になっており、闘技場を見物できるよう、二階席と三階席がある。一階の闘技場が本日は入学式場になっていた。高い天井や柱、二階と三階の座席は木調で作られている。肌色の床は弾力がありそうな不思議な素材でできていた。おそらく魔法がかかっている。
「じゃあ俺はあっちの座席に行くけど……帰りはどうする?」
「さすがに家へは一人で《転移》出来るから大丈夫」
「気を付けろよ。お前かなり世間知らずなんだから」
「分かってる。エリックも過保護だなぁ」
それともライラがあまりにも世間知らずで、学園が予想以上に恐ろしいところなのだろうか。
指定されている席に座る。周囲の椅子もどんどん埋まり、入学式が始まった。限られた世界でしか過ごしてこなかったライラは、周りに色んな魔族がいてそわそわした。感覚で分かるのだが、淫魔族は少ない。
(急に不安になってきた……)
歓迎のファンファーレが大音量で響き渡る。学園長の挨拶を終え、続いて司会の教師が魔王様の登壇を知らせる。会場内の全員に緊張が走った。
壇上に突然眩い光が現れ、その場所に背の高い男性が現れた。光に反射する不思議な光沢をもった黒髪、遠目でも分かる鋭い眼光。服装は黒づくめで、羽織っている裾の長いマントには金糸の刺繍と金のボタンが飾られている。彫りが深く、全ての顔のパーツが完璧に整っていて彫刻のようであり、生気がみなぎり荒々しい。ものすごく美形だ。
(あの人が魔王様)
「新入生の諸君、入学おめでとう。俺が魔王だ」
声は低く、体にずしりと響いてくる。滲み出る魔力のせいだろう。
「魔界は知っての通り弱肉強食、実力主義だ。でも上に上がっていくには腕っぷしだけじゃない。魔力が少なくても色んな方法があることをここで学ぶように。それと」
魔王は一旦言葉を止め、にやりと笑った。怪しい笑みに気付いた教師たちが慌てて立ち上がるが遅い。突如、巨大な力の奔流が体と意識を押し流した。目が眩むような圧倒的な力だ――ライラの体にぶわりと汗がわき、頭がくらくらになって立っていられず、気付けば椅子に座ってへたりこんでいた。周囲を見渡せば、生徒の半数は意識を失ったのか倒れている。極々少数の生徒は立ったまま持ちこたえているようだ。
「魔王陛下!」
教師の一人が諫める様に叫んだ。魔王は笑い、教師に向かってすまないといった意味の手振りを示した。
「今年の新入生はなかなかいいな。半分は持ちこたえたか。結構結構」
(さっきの衝撃波は、魔王様の魔力だったんだ)
エリックはどうしているだろうと見ると、流石秀才、よろめかず真っ直ぐ立っていた。ライラの視線に気付いたのかエリックが振り向く。すごいね、とライラが笑ってみせると驚いた顔をした。ライラは勿論倒れていると思っていたのだろう。
「じゃ、まぁ、頑張れ。あとヨロシク」
魔王は教師たちにそう言い残して消えた。生徒の半数は意識を失っており、状況は入学式どころではない。
「あっ、あの魔王はっ、毎年毎年ィィィィィィイ!」
教師の悲鳴が響いた。入学式は強制終了である。
生徒たちの治療を要するため自由時間となり、長い昼休みの後、クラス毎にオリエンテーションを行うことになった。
既に回復状態にあるライラは治療の必要がない。エリックの方を見たが、知り合いらしき魔族に囲まれている。割って入る勇気はない。ライラは一人でそっと講堂を出た。
広大な学園の敷地を当てもなく歩く。いくつも建てられている校舎はどれも外観が統一されていた。壁面の白色と、レンガと屋根の赤茶色のコントラストが落ち着く心地にさせてくれる。芝生を踏みながら歩いていると、森に面した場所に出た。木は鬱蒼と生い茂り、見通す限り森が続いている。近くの木の根っこに腰かけ、昼食をとることにした。
弁当箱の中は彩り綺麗に詰められていた。ヨハンの愛情を感じる。炊き込みご飯に甘酢あんの肉団子、卵にブロッコリーの胡麻和え、ひじきと豆の和え物。自然と頬をゆるませながら食べていると、森の向こうからガサリと音がした。びくりと警戒してその暗がりを見る。
小さな金色のものが二つ光っている。サクサクと足音を立てて近づいてくる。
――狼だ、それも大きな狼。思慮深げにライラを見つめている。
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