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後日編
はじめての長期休暇(5)
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黒いシンプルなドレスである。オフショルダーのネックライン、ウエストの切り返し部分からは生地をたっぷり使ったボリュームがある。上質なタフタ素材でできたドレスは上品な輝きがあった。黒のヒール靴は側面からヒールカップにかけて小さなダイヤモンドが散りばめられている。黒い髪はまとめあげられ、真珠とダイヤモンドで飾られていた。
「似合ってますわお嬢様!」
「ありがとうミリアン」
くるりと回るとスカート部分がフワリと広がる。今日の舞踏会用に誂えたドレスだった。
「何色にしてもきっと似合うので迷いましたけど~~~久しぶりの社交界復帰、黒、いいですね!」
「飲み物こぼしてもバレにくそうだしね」
「まずこぼさないでくださいませね」
今夜は久しぶりの夜会――復帰戦である。
「可愛いよぉライラちゃん! 俺も会場にいるからね」
「僕がエスコートしても良かったんですけどねー、ここは狼君に譲ってあげましょう」
ファルマスとアルフォードが揃って褒めてくれ、ライラは社交界用のお辞儀をした。うん、と頷いたところを見ると合格点らしい。
「今日の夜会は若手ばかりの集まりですからね、久しぶりの復帰にちょうど良いでしょう。キャロンさんやエリック君もいるし、楽しい夜になるといいですね」
「ありがとう。ファル兄はメルヴィア先輩と一緒に来るんでしょ? アル兄はどうするの?」
「今夜は行きません。僕はパートナーがいないと大変ですから。一応、ある方には誘ったんですけど断られてしまい……ふふ、強情な方です。そんなところも可愛いんですけどねぇ」
アルフォードの笑みは黒かった。何故かぞぞっとしたライラは、ファルマスにひそひそ聞いてみる。
「誘った、ってアル兄がずっと片想いしてるっていう?」
「そうそう。“ぼくのにんぎょひめ”とか蕩けた瞳で言ってる彼女。最近の兄貴、本気で口説き始めたっぽい」
「ワ~オ。にんぎょひめサンに同情するんだけど……」
「俺も」
「はいそこ二人。全部丸聞こえですけど?」
ライラとファルマスは二人してウフフと誤魔化した。
アルフォードが本気で堕とすと決めたからには時間の問題だろうと思う。なんでも力任せにするように見えて、絶対に仕留められるところまで待ってから狩りに出るタイプなのだ。無謀なことはしない。
そうこうしていると屋敷門前の鐘が鳴った。来客の知らせである。
「レオ君じゃない? 行ってらっしゃい」
「うん。行ってきます」
門の外に出ると正装したレオナルドが待っていた。黒いシャツに銀の光沢が光るネクタイとベスト、ジャケットもズボンも靴も上質の黒で固めている。前髪は半分後ろに撫でつけ、胸ポケットに白い薔薇が二輪。シンプルな装いが、すらりとした身長と獰猛さを秘めた美しい顔立ちを際立たせていた。
「かぁっこいい……」
「ありがと。ライラもすごく綺麗」
レオナルドは胸から薔薇を一輪取り、ライラの左手首に添えると指を鳴らした。滑らかな茎がくるくると手首に絡みついて固定され、茎と花弁の根元が固まってブレスレットのようになる。
「一日しか保たないけど」
「ありがとう」
ライラとレオナルド、両方の舞踏会服が黒なのは偶然ではなく、事前に相談にして合わせたからである。レオナルドが提案し、キャロンも「牽制になるからその方が良い」と賛同した。ただしライラとレオナルドが恋仲もしくは婚約していると思われるかもしれない、そう言われたけれど、ライラにとって不都合は何もない。「レオがいいのなら」と言ったときの研究室の空気は、なんというか――生暖かいというか、背中を羽毛でなぞられるような、いたたまれなくなるような風が吹いた。
「それじゃあ行こうか」
「うん。よろしくお願いします」
レオナルドが差し出してくれた手をぎゅっと掴んだ。青白い光の粒子がチカチカと舞い、転移時特有の浮遊感がくる。
「まかせろ」
視界が青白い光でいっぱいになり、次に見えたものは白い薔薇の庭園だった。道なりに沿って歩くと、本日の夜会会場であるホワイト子爵邸に続いている。本邸ではなく夜会を催すための別荘だそうで、主催の子爵は夜会を開くのが相当に好きだと聞いている。本人がまだ齢百を超えていない若手の部類であり、今夜は百歳以下のみ入場できる仕様だ。学園の生徒もいるだろう。
ホワイト子爵家は魔界の探索および調査と記録を、かなり旧くから行っている一族である。彼らが遺し保持している記録は貴重なもので、記録魔な魔族が家系的に多くいることにも起因している。探索し放浪する者が多いウォーウルフ一族とは共に仕事をすることもあり、そこそこ仲が良いらしい。
ホワイト邸別荘は大きな白亜の建物だった。柱には凝ったレリーフを彫り、室内も白色で統一しながら、ところどころ金色と赤色で装飾されている。御伽噺の絵本に出てきそうな、美しい屋敷だ。
舞踏会場にはすでに沢山の魔族で賑わっていた。各々食事を楽しんだり、踊っていたりと、新しく参加者が入ってきてもあまり注目されずに紛れられる。
ライラとレオナルドはまず主催者に挨拶に向かった。レオナルドは顔見知りであるのが有り難い。
「ああ、いたいた」
暖炉のそばでシャンパンを片手に談笑している集団のなかの、金色の髪を首元で束ねている方が子爵らしい。落ち着いて柔らかい雰囲気の魔族だった。
レオナルドが近づくと向こうも気付いてくれ、わざわざ一団から抜け出してくれた。
「珍しいね! 本当にきみが夜会に来てくれるなんて嬉しいなぁ」
「招待状、いつもありがとうございます。これまでは共に行く相手がいなかったもので」
「ふふ。この狼くんをその気にさせた、あなたは誰か訊いてもいいかな?」
「ライラ・トゥーリエントと申します、子爵様」
「……えっ。トゥーリエントって、あのトゥーリエント?」
「たぶんそうです」
「ま、まじ……? グイード伯爵たちが大切に護っている末のお姫様?」
お姫様と言われることにたじろぎ、ライラは曖昧に笑った。《羊の姫》という呼称からのお姫様、なのかもしれない。
「ええ~……、これは、想定外だな。来てくれてありがとう、ライラさん」
「久しぶりの夜会なんです。無作法もあるかもしれませんが、大目に見てくださると嬉しいです」
「それは光栄だな! 僕の夜会はそういう類のものとは違うから安心してほしい。飲んで食べて踊って交流を楽しむだけの会だから。ねぇレオくん!」
「ええまぁ、あなたが催す夜会はそうでしょうね。だから来たようなもんです」
「きみんとこは皆そうだよね~どれだけ呼ばれようが、爵位はないから義務もないと堅苦しい会には絶対出てこない」
「ははは」
レオナルドはキレイに貼り付けた笑みで笑った。
子爵とはそこで別れ、ライラたちは食べ物のコーナーへ移動する。野菜のテリーヌや、小さなバゲットの上にエビやアボカド、サーモンやリエットなどが添えられたものが数種類といった手軽の食べられるものから、大きな皿を持ってハンバーグやピラフ、パスタなどをがっつり食べることもできる。ライラはテリーヌを一切れもらい、レオナルドはリエットのバゲットを選んだ。
「美味しい」
「だな」
ライラはフルーツジュースのグラスを手に取り、近くの壁際に移動した。キャロンたちとは、食べ物がある場所付近で待ち合わせすることになっている。
きらきらしたシャンデリアの光の下、舞踏会会場はカラフルな色で溢れていた。皆、美しくめかし込んで楽しんでいる。それをぼんやり眺めているだけでも楽しいものだとライラは思った。そしてそれは、隣にレオナルドがいてくれるからである。ライラが隣を見上げると、レオナルドの視線とかちりと合う。
「大丈夫か?」
「うん、全然大丈夫。ここにいるだけで楽しいな、って思うよ。たぶん、レオが一緒にいてくれているから。安心していられるのだと思う」
「……そ」
知らない魔族からチラチラと視線を感じてもいるが、それは主にレオナルドに向けてである。男女ともに――いや、女性からの方が多いが――お近づきになりたそうな、もじもじとした熱い視線であった。レオナルドはわざと威圧的な雰囲気を出して佇んでいるので、いまのところ誰も寄ってこない。
「レオは夜会どう? あんまり好きじゃない?」
「んー……今日なんかは、来て良かったなって思う」
「ふぅん」
送られてくるこの秋波に、レオナルドは気付いているだろう。
学園内ではあまり分からなかったが、ライラが知らないだけでレオナルドはそうとうモテているのでは……?
「似合ってますわお嬢様!」
「ありがとうミリアン」
くるりと回るとスカート部分がフワリと広がる。今日の舞踏会用に誂えたドレスだった。
「何色にしてもきっと似合うので迷いましたけど~~~久しぶりの社交界復帰、黒、いいですね!」
「飲み物こぼしてもバレにくそうだしね」
「まずこぼさないでくださいませね」
今夜は久しぶりの夜会――復帰戦である。
「可愛いよぉライラちゃん! 俺も会場にいるからね」
「僕がエスコートしても良かったんですけどねー、ここは狼君に譲ってあげましょう」
ファルマスとアルフォードが揃って褒めてくれ、ライラは社交界用のお辞儀をした。うん、と頷いたところを見ると合格点らしい。
「今日の夜会は若手ばかりの集まりですからね、久しぶりの復帰にちょうど良いでしょう。キャロンさんやエリック君もいるし、楽しい夜になるといいですね」
「ありがとう。ファル兄はメルヴィア先輩と一緒に来るんでしょ? アル兄はどうするの?」
「今夜は行きません。僕はパートナーがいないと大変ですから。一応、ある方には誘ったんですけど断られてしまい……ふふ、強情な方です。そんなところも可愛いんですけどねぇ」
アルフォードの笑みは黒かった。何故かぞぞっとしたライラは、ファルマスにひそひそ聞いてみる。
「誘った、ってアル兄がずっと片想いしてるっていう?」
「そうそう。“ぼくのにんぎょひめ”とか蕩けた瞳で言ってる彼女。最近の兄貴、本気で口説き始めたっぽい」
「ワ~オ。にんぎょひめサンに同情するんだけど……」
「俺も」
「はいそこ二人。全部丸聞こえですけど?」
ライラとファルマスは二人してウフフと誤魔化した。
アルフォードが本気で堕とすと決めたからには時間の問題だろうと思う。なんでも力任せにするように見えて、絶対に仕留められるところまで待ってから狩りに出るタイプなのだ。無謀なことはしない。
そうこうしていると屋敷門前の鐘が鳴った。来客の知らせである。
「レオ君じゃない? 行ってらっしゃい」
「うん。行ってきます」
門の外に出ると正装したレオナルドが待っていた。黒いシャツに銀の光沢が光るネクタイとベスト、ジャケットもズボンも靴も上質の黒で固めている。前髪は半分後ろに撫でつけ、胸ポケットに白い薔薇が二輪。シンプルな装いが、すらりとした身長と獰猛さを秘めた美しい顔立ちを際立たせていた。
「かぁっこいい……」
「ありがと。ライラもすごく綺麗」
レオナルドは胸から薔薇を一輪取り、ライラの左手首に添えると指を鳴らした。滑らかな茎がくるくると手首に絡みついて固定され、茎と花弁の根元が固まってブレスレットのようになる。
「一日しか保たないけど」
「ありがとう」
ライラとレオナルド、両方の舞踏会服が黒なのは偶然ではなく、事前に相談にして合わせたからである。レオナルドが提案し、キャロンも「牽制になるからその方が良い」と賛同した。ただしライラとレオナルドが恋仲もしくは婚約していると思われるかもしれない、そう言われたけれど、ライラにとって不都合は何もない。「レオがいいのなら」と言ったときの研究室の空気は、なんというか――生暖かいというか、背中を羽毛でなぞられるような、いたたまれなくなるような風が吹いた。
「それじゃあ行こうか」
「うん。よろしくお願いします」
レオナルドが差し出してくれた手をぎゅっと掴んだ。青白い光の粒子がチカチカと舞い、転移時特有の浮遊感がくる。
「まかせろ」
視界が青白い光でいっぱいになり、次に見えたものは白い薔薇の庭園だった。道なりに沿って歩くと、本日の夜会会場であるホワイト子爵邸に続いている。本邸ではなく夜会を催すための別荘だそうで、主催の子爵は夜会を開くのが相当に好きだと聞いている。本人がまだ齢百を超えていない若手の部類であり、今夜は百歳以下のみ入場できる仕様だ。学園の生徒もいるだろう。
ホワイト子爵家は魔界の探索および調査と記録を、かなり旧くから行っている一族である。彼らが遺し保持している記録は貴重なもので、記録魔な魔族が家系的に多くいることにも起因している。探索し放浪する者が多いウォーウルフ一族とは共に仕事をすることもあり、そこそこ仲が良いらしい。
ホワイト邸別荘は大きな白亜の建物だった。柱には凝ったレリーフを彫り、室内も白色で統一しながら、ところどころ金色と赤色で装飾されている。御伽噺の絵本に出てきそうな、美しい屋敷だ。
舞踏会場にはすでに沢山の魔族で賑わっていた。各々食事を楽しんだり、踊っていたりと、新しく参加者が入ってきてもあまり注目されずに紛れられる。
ライラとレオナルドはまず主催者に挨拶に向かった。レオナルドは顔見知りであるのが有り難い。
「ああ、いたいた」
暖炉のそばでシャンパンを片手に談笑している集団のなかの、金色の髪を首元で束ねている方が子爵らしい。落ち着いて柔らかい雰囲気の魔族だった。
レオナルドが近づくと向こうも気付いてくれ、わざわざ一団から抜け出してくれた。
「珍しいね! 本当にきみが夜会に来てくれるなんて嬉しいなぁ」
「招待状、いつもありがとうございます。これまでは共に行く相手がいなかったもので」
「ふふ。この狼くんをその気にさせた、あなたは誰か訊いてもいいかな?」
「ライラ・トゥーリエントと申します、子爵様」
「……えっ。トゥーリエントって、あのトゥーリエント?」
「たぶんそうです」
「ま、まじ……? グイード伯爵たちが大切に護っている末のお姫様?」
お姫様と言われることにたじろぎ、ライラは曖昧に笑った。《羊の姫》という呼称からのお姫様、なのかもしれない。
「ええ~……、これは、想定外だな。来てくれてありがとう、ライラさん」
「久しぶりの夜会なんです。無作法もあるかもしれませんが、大目に見てくださると嬉しいです」
「それは光栄だな! 僕の夜会はそういう類のものとは違うから安心してほしい。飲んで食べて踊って交流を楽しむだけの会だから。ねぇレオくん!」
「ええまぁ、あなたが催す夜会はそうでしょうね。だから来たようなもんです」
「きみんとこは皆そうだよね~どれだけ呼ばれようが、爵位はないから義務もないと堅苦しい会には絶対出てこない」
「ははは」
レオナルドはキレイに貼り付けた笑みで笑った。
子爵とはそこで別れ、ライラたちは食べ物のコーナーへ移動する。野菜のテリーヌや、小さなバゲットの上にエビやアボカド、サーモンやリエットなどが添えられたものが数種類といった手軽の食べられるものから、大きな皿を持ってハンバーグやピラフ、パスタなどをがっつり食べることもできる。ライラはテリーヌを一切れもらい、レオナルドはリエットのバゲットを選んだ。
「美味しい」
「だな」
ライラはフルーツジュースのグラスを手に取り、近くの壁際に移動した。キャロンたちとは、食べ物がある場所付近で待ち合わせすることになっている。
きらきらしたシャンデリアの光の下、舞踏会会場はカラフルな色で溢れていた。皆、美しくめかし込んで楽しんでいる。それをぼんやり眺めているだけでも楽しいものだとライラは思った。そしてそれは、隣にレオナルドがいてくれるからである。ライラが隣を見上げると、レオナルドの視線とかちりと合う。
「大丈夫か?」
「うん、全然大丈夫。ここにいるだけで楽しいな、って思うよ。たぶん、レオが一緒にいてくれているから。安心していられるのだと思う」
「……そ」
知らない魔族からチラチラと視線を感じてもいるが、それは主にレオナルドに向けてである。男女ともに――いや、女性からの方が多いが――お近づきになりたそうな、もじもじとした熱い視線であった。レオナルドはわざと威圧的な雰囲気を出して佇んでいるので、いまのところ誰も寄ってこない。
「レオは夜会どう? あんまり好きじゃない?」
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