たわごと。

ぜつむ

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毛布という魔布

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冷気が効いている部屋で毛布にくるまり、顔だけ出してぼんやりとする習慣。

冬場は暖房を付けずにくるまり、夏場はクーラーを付けてくるまる。
体は温かく、顔は涼しい。
包まれている安心感がまた、非常に良い。
絶妙な心地良さが集約されていると言っても過言ではない。

これをかれこれ10年以上も続けている。
初めは半信半疑だった夫も私の真似をしてみて以来、すっかり常習者だ。

フワフワな肌触りが最高なのは無論だが、個人的に一番重要なのは重さである。
厚手で重さがあるものが好ましい。

しかし、近年はどうにも、軽量のマイクロファイバー的なものばかりを見かける。
毛布どころか掛け布団も軽量タイプが多い気。

軽めを好む人の方が多いのだろうか?

タオルケット一枚や夏場の冷感素材の薄手な掛布団も苦手である。
物の薄さに比例し、掛けている感も薄くて落ち着かない。

ゆえに、実家を出た時は理想の毛布探しに苦労した。
裕福では無い為、出来るだけ値段を抑えつつ、重みがあって毛並みが良い物を…と、あれこれ探しまわったが、当然の如く、そんな都合の良い物はなかなか見つからず。

一旦妥協して、二枚重ねを試みた事もあるが…ズレが気になって駄目だった。
何より、重ねたとてそれでも軽すぎた。

親は一体、どこであの快適な毛布を購入したのか?
尋ねてみるも分からない。

かと言って実家から郵送すると、帰省時に困りうる。
(後日談:結果的に一度しか帰省せず、日帰りゆえに寝具を使用しなかった→実家移転→毛布は放棄されていた)

野暮用でホームセンターへ足を運ぶ度、必ずチェックする寝具コーナー。
いつ見ても、なかなか無茶な希望を満たす毛布は見つからない。

…ふと、シーツの棚に目がいった。

毛布ほど毛の長さは無いが、肌触りがフワフワで結構気持ちが良い。
しかも、シーツ単体にも関わらずマイクロファイバーの毛布より重さがあり、お値段もかなりのお手頃。
丁度冬場だった事もあり、試しに購入した。

帰宅後、早速寝具一式のベーシックな素材シーツを取り外し、購入したてのフワフワシーツを装着。
実は同じシリーズのマットレスカバーと枕カバーも併せて買っていた。

枕も敷布団もフワフワで快適。
偶々とはいえ、大当たりだ。

そして、肝心のくるまり心地は…まずまず。
掛布団を買う際に一番重い物を選んでいた為、フワフワが加わった事により、かなり良い具合に再現出来た。

重さに若干物足りなさを感じるが、現状ではベスト。
しかしながら、完璧に満足出来ている訳では無い。


そんな面倒くさい自分の小さな夢は、小金持ちになり、やや高級な理想の毛布を入手する事。
夢や目標だけは無駄に沢山あるのだが、この願望の順位はやや高めである。

今日も一日、頑張るとしよう。
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