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第3話「取り敢えず飯と宿と冒険者ギルド」

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街に着いた、この街の名前はザーツドルシュと言うらしい。そして街に着いたからにはまずやる事は3つある、寝床の確保と腹ごしらえと冒険者ギルドに行くことだ。依頼をこなして行かねば金は入らない、これがこの世の常識って言うか冒険者の常識である。
先程、林檎を買った商人から色々聞いていたことが役に立つ。金と情報は何より大切だ、とまぁここだな。目の前の木で出来た重厚な扉を開けるとそこにはこれこそギルドと言う風景が広がっていた。
だが人は少なかった。取り敢えず受付に、とあそこの3列ある内の左側の受付の女の人が手を振っている取り敢えず行ってみるか。
「こんにちは、冒険者ギルドは初めてですか?」
「いや、この街の冒険者ギルドが初めてだったわけだ。済まないが説明してもらえるとありがたい。」
「色々と周囲を見回していたので初めての方かと、すみませんがカードを確認させてもよろしいですか?」
「Cランクのエズワルド様ですね、確認が取れましたので、こちらはお返ししますね。それでは、御説明させていただきます、この受付ではあちらにある依頼ボードから依頼書を取り、それをこちらに提出していただき手続きを行ってから依頼が始まる訳です、勿論 依頼の終了手続きもこちらでします、そして倒したモンスターの素材買い取りは右側に、簡単なアイテムなとは左側に取り扱っているのでそれぞれご活用を。まぁ、街にも冒険者用の店はありますけどね。名がうれてくると時折指名依頼が入る時があります、その時はギルドから使いの者を出します。できることならご宿泊の場所を教えて頂けるとありがたいです。とまぁ、説明は以上ですが何かご質問は?」
「すまないが、取り敢えず手頃な宿を教えてくれないか?」
「宿でしたらこの通りをまっすぐ行った清風亭というところがありますのでそこをご利用されるのが良いかと。」
「わかった、ありがとな。」
「いえ、これが仕事ですから。今から依頼を受けますか?」
「いや、まずは体を休めたい。ここまで歩きっぱなしで流石に疲れた。」
「分かりました、ではまた。」



取り敢えずは教えられた通りに宿に向かうとしようか。いやしかし、この街はとても活気が良い。道を走り回る子供の声、客を引き寄せようとする店主の声 楽しそうに歩いていく家族など、治安が良い証拠なのだろう、と歩いていたら目当ての宿に着いた。清風亭と木の看板が下がっている。そして中からも料理のいい匂いもしてくる、腹が減ってたまらない。さっさと入ってしまおう。
「いらっしゃい、ご飯かい?それとも宿泊かい?」
ザ、宿屋の女将って感じの人だな。
「宿泊と飯と両方頼む。」
「あいよ、何泊するんだい?」
「取り敢えず5泊分頼む。」
「小銀貨4枚と大銅貨8枚だね、あとご飯はどうする?」
「取り敢えずこの日替わりをくれないか?」
「あいよ、そこに座って待っててくれ、すぐに持ってくるから」
「わかった。」
何とも落ち着く雰囲気だ、全ての机と椅子が木で作られている。
「はいよ、日替わりお待ち、大銅貨4枚ね」
さっきの会計と合わせて小銀貨5枚と大銅貨1枚を払う。すると女将が懐から
「これが部屋の鍵だよ、場所は3階の右側2番目の部屋だ。あんた冒険者みたいだから冒険に行く時はここで働いている誰かに鍵を渡して何日で戻るか伝えてくれ、それまで部屋をそのままにしておくから勿論その間の宿泊費はしっかりと貰うからね。あとチェックアウトする時は働いている誰かに鍵を渡してチェックアウトする事を言ってくれ、それだけで大丈夫だから」
それじゃあと女将は全て言い終えて他の客の所に行った。そして目の前にはパンが2つとクリームシチューと鶏肉のソテーがあるどれも美味そうだ。パンを手に取ると少し暖かくまだ焼いて間もない事が分かる、味も素晴らしい シチューも色々な具材が入っていて美味しく 鶏肉のソテーも 鶏肉のもも肉を使っていてとてもジューシーで美味しい。とまぁ一気に食べてしまった。食った食った満腹だ、ごちそうさま。このまま部屋に上がってしまおう、3階の右側2番目の部屋だったな、鍵を開け部屋に入る 部屋には机と椅子 クローゼットとベッドがある。普通だがこれで充分だ、取り敢えずは寝て体を休めよう。あとは明日になってから考えよう 取り敢えずおやす...
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