213 / 234
陰謀編 プレイステッド領
人質、密偵とコンタクトをとる
しおりを挟む
リヒトが助けに来た!
だけど別に俺の虜囚生活は変わらなかった。部屋に居つくリヒトを誤魔化すのに苦慮したぐらいだ。トイレの中に隠すわけにはいかないしね。俺に会ったら会ったでリヒトもくつろいじゃって、俺の救出はどうしたの? 仔狼一匹じゃ無理なのはわかっているけども。
「ガルルッ」
ん? 魔法をぶっ放して屋敷を壊滅させてもいいなら、やる? いやいや、止めて。お願いだから、止めて。もうちょっと穏便にお願いします、と頭を下げたら別動隊が助けに来るまで待つことになった。
結果、リヒトは自ら囚われにきた愛玩ペットとして、この部屋で生活している。……食事を二人で分けているからダイエットには丁度いいと思うことにした。
じゃあ、俺が暴れたのは単に部屋の掃除が雑で腹が立っただけかと言うと、そうではない。この部屋にちゃんとした理由で連絡役を招待するためだ。
騒いだ翌日の朝、騎士たちが扉を開けてポンッと放り込んできたのは、背の低いそばかすが目立つ少年だった。
「……おはよう」
あれ? これは外しちゃったかな? ペタリと床に座り込んだ少年は、俺に向かって慌てて頭を下げると裏返った声で「お掃除に来ました」と言った。
「お願いします」
「はい!」
そうして、テキパキと手早く掃除がされていく。水回りも丁寧に、水滴を拭ってタオルの交換や石鹸の補充。ベッドメイキングも端までピッチリと、完璧に仕上げて部屋を去っていった。まだ子どもなのに、プロフェッショナルだ。
俺は、ベッドに敷かれたシワひとつないシーツを気持ちよさそうに撫でると、ピタリとその手を止めた。なんか、ガサリとした感触が……。ゴソゴソとシーツの下に手を突っ込むと小さな紙片が隠されていた。
「……うわっ、あの子がそうなんだ……」
下働きの少年はヴァスコが放った密偵でした。どうやって王都から密偵を手配したんだろう? 俺が誘拐されて犯人がラファエル・プレイステッドで、この屋敷に囚われているって……ただの王都屋敷の執事が……。本当に謎の人物である。そして主人が誘拐されているのにも関わらず、ヴァスコは降って湧いたトラブルに満面の笑みで対応しているんだろうなぁ。俺の誘拐がヴァスコの暇つぶしになっているのは、複雑な気分だが、これでようやく外部との連絡が取れるぜぇい!
ちなみに紙片に書かれていた内容は、ヴァスコの指示で屋敷を探っているということと、これからの連絡方法だった。俺は彼とイライアス様が手配したキッチンメイドの密偵が協力できるように、その旨を書き記した。
オールポート伯爵領、領主屋敷では隣領のハーディング侯爵とそのパートナーを交えて伯爵誘拐の対応について話し合っていた。というより、使用人ではどうしようもない事態に、伯爵の兄であるハーディング侯爵にお伺いを立てていた。
「それでは、私たちには何もするな、と?」
悲痛な面持ちでベンジャミンが声を上げると、ライラも真っ青な顔で口元を手で覆う。ノーマンは部屋の隅に立ち空気と化していた。
「そうだ。今回のことはプレイステッド辺境伯の者が関わっている可能性が高い。お前たちでは太刀打ちできない。そうだな……そちらの希望どおり、シャーロットには知られないように心を配ってくれ」
自分たちの主人とは似ても似つかない厳つい顔の侯爵にピシャリと言われてしまったら、ベンジャミンは反対することもできずに、ただ頷くだけだった。その様子をハーディング侯爵のパートナーであり、王族お気に入りのドレスメーカーであるイライアスは冷静に観察していた。
「あの、俺はぜひセシル様救出の人員に入れてください。下っ端で構いませんので」
ハイハイと右手を上げてアピールするのは、伯爵の従者であり誘拐されたときに側にいたディーンだ。
「……本気か?」
「はい。オールポート領からセシル様が連れ去られたプレイステッド辺境伯領まで、徒歩で移動するのも覚悟の上です」
ディーンはキッと凛々しい顔で宣言したが、ハーディング侯爵の眉は困ったようにちょっと下がった。ディーンは元々こちらの陣営として数えていたから、本人のやる気があるのはよろしい。だが……大事な弟の奪還にバカ正直に馬車に乗って移動するわけがない。だが、ここで話すのは憚られるので、ハーディング侯爵はむっつりと黙った。
「そう。じゃあディーンはこちらで預かる。くれぐれも貴方たちはいつも通りに過ごすこと。シャーロットに気取られないように」
代わりにイライアスがベンジャミンたちに釘を刺す。シャーロットには、父であるセシルはダドリー王子からの招待で王都へ行っていることになっている。滞在はオールポートの王都屋敷ではなく、王宮で寝泊まりしていると。シャーロットは疑いもせずにその話を信じ、いまは自分の婚約の話に夢中だった。
「何かわかったことがあったら報告する」
それだけ言い置くとハーディング侯爵とそのパートナーはディーンを連れて、あっさりと自分の領地に帰っていった。
帰っていったとみせかけて、実は本当の作戦会議場所として設けたサレルノに馬車を向けていた。サレルノには、オールポート伯爵の誘拐にブチ切れているラスキン博士やクラーク、ハーディング前侯爵がギリギリと歯ぎしりしながら役者がそろうのを待っている。
ハーディング侯爵とそのパートナーだけでなく、ここサレルノにはルーカス・ウェントブルックとダドリー王子が参加予定だ。そして、ちゃっかりサレルノにもヴァスコの密偵は潜んでいた。
「やれやれ、薬師のババアを働かせ過ぎだよ、ヴァスコの奴め」
だけど別に俺の虜囚生活は変わらなかった。部屋に居つくリヒトを誤魔化すのに苦慮したぐらいだ。トイレの中に隠すわけにはいかないしね。俺に会ったら会ったでリヒトもくつろいじゃって、俺の救出はどうしたの? 仔狼一匹じゃ無理なのはわかっているけども。
「ガルルッ」
ん? 魔法をぶっ放して屋敷を壊滅させてもいいなら、やる? いやいや、止めて。お願いだから、止めて。もうちょっと穏便にお願いします、と頭を下げたら別動隊が助けに来るまで待つことになった。
結果、リヒトは自ら囚われにきた愛玩ペットとして、この部屋で生活している。……食事を二人で分けているからダイエットには丁度いいと思うことにした。
じゃあ、俺が暴れたのは単に部屋の掃除が雑で腹が立っただけかと言うと、そうではない。この部屋にちゃんとした理由で連絡役を招待するためだ。
騒いだ翌日の朝、騎士たちが扉を開けてポンッと放り込んできたのは、背の低いそばかすが目立つ少年だった。
「……おはよう」
あれ? これは外しちゃったかな? ペタリと床に座り込んだ少年は、俺に向かって慌てて頭を下げると裏返った声で「お掃除に来ました」と言った。
「お願いします」
「はい!」
そうして、テキパキと手早く掃除がされていく。水回りも丁寧に、水滴を拭ってタオルの交換や石鹸の補充。ベッドメイキングも端までピッチリと、完璧に仕上げて部屋を去っていった。まだ子どもなのに、プロフェッショナルだ。
俺は、ベッドに敷かれたシワひとつないシーツを気持ちよさそうに撫でると、ピタリとその手を止めた。なんか、ガサリとした感触が……。ゴソゴソとシーツの下に手を突っ込むと小さな紙片が隠されていた。
「……うわっ、あの子がそうなんだ……」
下働きの少年はヴァスコが放った密偵でした。どうやって王都から密偵を手配したんだろう? 俺が誘拐されて犯人がラファエル・プレイステッドで、この屋敷に囚われているって……ただの王都屋敷の執事が……。本当に謎の人物である。そして主人が誘拐されているのにも関わらず、ヴァスコは降って湧いたトラブルに満面の笑みで対応しているんだろうなぁ。俺の誘拐がヴァスコの暇つぶしになっているのは、複雑な気分だが、これでようやく外部との連絡が取れるぜぇい!
ちなみに紙片に書かれていた内容は、ヴァスコの指示で屋敷を探っているということと、これからの連絡方法だった。俺は彼とイライアス様が手配したキッチンメイドの密偵が協力できるように、その旨を書き記した。
オールポート伯爵領、領主屋敷では隣領のハーディング侯爵とそのパートナーを交えて伯爵誘拐の対応について話し合っていた。というより、使用人ではどうしようもない事態に、伯爵の兄であるハーディング侯爵にお伺いを立てていた。
「それでは、私たちには何もするな、と?」
悲痛な面持ちでベンジャミンが声を上げると、ライラも真っ青な顔で口元を手で覆う。ノーマンは部屋の隅に立ち空気と化していた。
「そうだ。今回のことはプレイステッド辺境伯の者が関わっている可能性が高い。お前たちでは太刀打ちできない。そうだな……そちらの希望どおり、シャーロットには知られないように心を配ってくれ」
自分たちの主人とは似ても似つかない厳つい顔の侯爵にピシャリと言われてしまったら、ベンジャミンは反対することもできずに、ただ頷くだけだった。その様子をハーディング侯爵のパートナーであり、王族お気に入りのドレスメーカーであるイライアスは冷静に観察していた。
「あの、俺はぜひセシル様救出の人員に入れてください。下っ端で構いませんので」
ハイハイと右手を上げてアピールするのは、伯爵の従者であり誘拐されたときに側にいたディーンだ。
「……本気か?」
「はい。オールポート領からセシル様が連れ去られたプレイステッド辺境伯領まで、徒歩で移動するのも覚悟の上です」
ディーンはキッと凛々しい顔で宣言したが、ハーディング侯爵の眉は困ったようにちょっと下がった。ディーンは元々こちらの陣営として数えていたから、本人のやる気があるのはよろしい。だが……大事な弟の奪還にバカ正直に馬車に乗って移動するわけがない。だが、ここで話すのは憚られるので、ハーディング侯爵はむっつりと黙った。
「そう。じゃあディーンはこちらで預かる。くれぐれも貴方たちはいつも通りに過ごすこと。シャーロットに気取られないように」
代わりにイライアスがベンジャミンたちに釘を刺す。シャーロットには、父であるセシルはダドリー王子からの招待で王都へ行っていることになっている。滞在はオールポートの王都屋敷ではなく、王宮で寝泊まりしていると。シャーロットは疑いもせずにその話を信じ、いまは自分の婚約の話に夢中だった。
「何かわかったことがあったら報告する」
それだけ言い置くとハーディング侯爵とそのパートナーはディーンを連れて、あっさりと自分の領地に帰っていった。
帰っていったとみせかけて、実は本当の作戦会議場所として設けたサレルノに馬車を向けていた。サレルノには、オールポート伯爵の誘拐にブチ切れているラスキン博士やクラーク、ハーディング前侯爵がギリギリと歯ぎしりしながら役者がそろうのを待っている。
ハーディング侯爵とそのパートナーだけでなく、ここサレルノにはルーカス・ウェントブルックとダドリー王子が参加予定だ。そして、ちゃっかりサレルノにもヴァスコの密偵は潜んでいた。
「やれやれ、薬師のババアを働かせ過ぎだよ、ヴァスコの奴め」
340
あなたにおすすめの小説
【土壌改良】スキルで追放された俺、辺境で奇跡の野菜を作ってたら、聖剣の呪いに苦しむ伝説の英雄がやってきて胃袋と心を掴んでしまった
水凪しおん
BL
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。
そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。
ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。
フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。
ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!?
無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
森で助けた記憶喪失の青年は、実は敵国の王子様だった!? 身分に引き裂かれた運命の番が、王宮の陰謀を乗り越え再会するまで
水凪しおん
BL
記憶を失った王子×森の奥で暮らす薬師。
身分違いの二人が織りなす、切なくも温かい再会と愛の物語。
人里離れた深い森の奥、ひっそりと暮らす薬師のフィンは、ある嵐の夜、傷つき倒れていた赤髪の青年を助ける。
記憶を失っていた彼に「アッシュ」と名付け、共に暮らすうちに、二人は互いになくてはならない存在となり、心を通わせていく。
しかし、幸せな日々は突如として終わりを告げた。
彼は隣国ヴァレンティスの第一王子、アシュレイだったのだ。
記憶を取り戻し、王宮へと連れ戻されるアッシュ。残されたフィン。
身分という巨大な壁と、王宮に渦巻く陰謀が二人を引き裂く。
それでも、運命の番(つがい)の魂は、呼び合うことをやめなかった――。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる