2 / 7
2
しおりを挟む
「まぁ!婚約者ってイライジャくんだったの!それなら照れてなかなか連れて来れないわけだわ!」
いつも以上にお洒落をして出迎えた母に少し恥ずかしくなる。机の上にはいつもは無い花瓶や名前の分からないようなお花まで置いてある。昔からうちで遊んでいたイライジャにはいつもと違うことがバレているのだからより恥ずかしい。本当の婚約者でもないし。
ちらりと隣を伺うと柔和な笑みを浮かべて綺麗な花ですね、などと言っているイライジャにゾワッとする。まるで本物の婚約者であるかのように気を使っている。
「結婚はいつするの?」
「おかああああさん!」
何も知らない母は機嫌よくお茶を準備しながらとんでもない一言を放つ。
「年内には」
同じようにとんでもない一言を放つイライジャに聞き間違いかな?と自分の耳を引っ張る。
「まああああ!そうなの!それならもっと早く行って欲しかったわ!」
ドレスは決まったの?教会には連絡した?と食い気味な母にやっぱり聞き間違いじゃないと確信する。
「イラ、」
「実はエレノアが恥ずかしがってて…。ずっと幼馴染として一緒にいたから今更周りに言いづらいと」
「エレノア!イライジャくんにそんなこと言ったの!ダメじゃない!」
理不尽に怒られる。いや、だから違くて!そもそも本当のカップルじゃなくて!
喜んでいる母親に嘘でしたとも言いづらい。イライジャは何が目的なのか…。
3ヶ月後にはすることになっている結婚にイライジャはどう対応するのだろう。きっと彼のことだから上手くやってくれる…よね?
いつも以上にお洒落をして出迎えた母に少し恥ずかしくなる。机の上にはいつもは無い花瓶や名前の分からないようなお花まで置いてある。昔からうちで遊んでいたイライジャにはいつもと違うことがバレているのだからより恥ずかしい。本当の婚約者でもないし。
ちらりと隣を伺うと柔和な笑みを浮かべて綺麗な花ですね、などと言っているイライジャにゾワッとする。まるで本物の婚約者であるかのように気を使っている。
「結婚はいつするの?」
「おかああああさん!」
何も知らない母は機嫌よくお茶を準備しながらとんでもない一言を放つ。
「年内には」
同じようにとんでもない一言を放つイライジャに聞き間違いかな?と自分の耳を引っ張る。
「まああああ!そうなの!それならもっと早く行って欲しかったわ!」
ドレスは決まったの?教会には連絡した?と食い気味な母にやっぱり聞き間違いじゃないと確信する。
「イラ、」
「実はエレノアが恥ずかしがってて…。ずっと幼馴染として一緒にいたから今更周りに言いづらいと」
「エレノア!イライジャくんにそんなこと言ったの!ダメじゃない!」
理不尽に怒られる。いや、だから違くて!そもそも本当のカップルじゃなくて!
喜んでいる母親に嘘でしたとも言いづらい。イライジャは何が目的なのか…。
3ヶ月後にはすることになっている結婚にイライジャはどう対応するのだろう。きっと彼のことだから上手くやってくれる…よね?
0
あなたにおすすめの小説
【書籍化】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化決定しました。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。
しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。
よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう!
誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は?
全十話。一日2回更新 完結済
コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更しています。
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!
翠月るるな
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。
侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。
そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。
私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。
この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。
それでは次の結婚は望めない。
その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
他小説サイトにも投稿しています。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる