偽の婚約者を頼んだらいつの間にか結婚していました

みぃ

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物心ついた頃からエレノアが隣にいた。自分は彼女と結婚するのだと思っていたし、彼女もそう思っていると信じて疑わなかった。

「実は婚約したの」

そう言われた時は意味がわからなかった。大きな家ではないけれど仮にも貴族。親に決められた婚約なのかと問えばエレノアは顔を赤くして首を振った。

知らなかった。自分がエレノアと結婚するために仕事に明け暮れていた時、彼女に虫がついていたなんて。

どうにかして別れさせようと思った。だけどその度にエレノアの幸せそうな顔がチラついて何も出来なくなった。

「どうすればいいと思う?イライ…」

もうダメかもしれないと思った。それでも諦められなかった。だから彼女が婚約を解消したと聞いた時には神の思し召しだと思った。
やっぱりエレノアは俺と一緒にいる運命なのだ。今までのことは神からの俺への試練だったのだ。

「助けてよイライ~」

自分に縋り付くエレノアを見て、馬鹿だなぁと笑う。

「俺が婚約者のフリでもしようか」

周りにエレノアは自分のものだと知らしめて、婚約者だからと領地に関する書類を見てもらう。エレノアは俺を信じきってるから全て思いどうりになるだろう。








寸分の狂いもなく計画を進めたイライジャは見事エレノアを射止めた。

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