偽の婚約者を頼んだらいつの間にか結婚していました

みぃ

文字の大きさ
6 / 7

6

しおりを挟む
「ねぇ、イライ。策って何?失敗してない?」

いくらイライジャが信頼できるとはいえ何も聞かずにいられるはずがなかった。
式が終わったかと思えばそれはもう綺麗に身を清められて、寝室にぶち込まれた時には思わず本当の婚約者じゃないんです!と叫んでしまいそうになった。

「成功だよ」

イライジャはベットに腰かけてぽんぽんと自分の隣を叩いた。
イライジャだし…と思って隣に座って機嫌よく笑う彼をみつめる。

「俺にとってはエレノアと結婚するための策だからね」
「…え!?」
「いやー、エレノアがあんなのと婚約した時にはどうなるかと思ったけど」

冗談を言っているのかと聞きたかったけれどイライジャの顔は真剣で、あ、これは本気のやつだ…と察する。

「婚約者のフリって…!」
「別れるとは言ってないよ」
「でも…」

文句は言わない約束だよね?と圧をかけられる。

「い、イライには私じゃなくてももっと良い人がいると思うの!」
「俺はエレノアが好きなんだけど」
「それにいつかは好きな人だって…え?」
「だから俺はエレノアが好きだよ」

幼い時からずっと一緒だったのに全く気付かなかった。それどころか婚約者の惚気話さえしてしまっていた。

エレノアはうわあ、と声を上げた。
すごく最低なことしてたじゃん私…。

「エレノアに好きな人がいるわけじゃないし離婚する理由はないでしょ?」
「そう…だけど…」
「今まで俺に助けてもらった代償とでも思いなよ」
「代償…」

悪魔の召喚でもしたかのような言葉だな…。


代償だと割り切ることはできない。私は好きになった人と結婚したいと思っていたから。

だけど結婚した後に好きなったら?好きになった人と結婚したことと変わらない…多分。

「…私頑張ってイライの事好きになる。だからイライも頑張って好きにさせて」

どこまでも上からな言葉だったけれどこれがエレノアの言える一番イライジャの気持ちを尊重しつつ自分の気持ちも殺さない方法だった。

「任せて。3ヶ月後には僕なしじゃ生きられないから」

イライジャは薄く笑ってエレノアの頭を撫でる。本当にそうしてしまいそうな彼に恐ろしさを感じると同時にこれからの結婚生活が楽しみだった。

「幸せになろうね。エレノア」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

あなたが決めたことよ

アーエル
恋愛
その日は私の誕生日パーティーの三日前のことでした。 前触れもなく「婚約の話は無かったことにしよう」と言われたのです。 ‪✰他社でも公開

〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?

ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」 その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。 「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」

巻き戻される運命 ~私は王太子妃になり誰かに突き落とされ死んだ、そうしたら何故か三歳の子どもに戻っていた~

アキナヌカ
恋愛
私(わたくし)レティ・アマンド・アルメニアはこの国の第一王子と結婚した、でも彼は私のことを愛さずに仕事だけを押しつけた。そうして私は形だけの王太子妃になり、やがて側室の誰かにバルコニーから突き落とされて死んだ。でも、気がついたら私は三歳の子どもに戻っていた。

お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ

Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。 理由は決まって『従妹ライラ様との用事』 誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。 「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」 二人の想いは、重なり合えるのだろうか …… ※他のサイトにも公開しています。

裏切られた令嬢は婚約者を捨てる

恋愛
婚約者の裏切りを知り周りの力を借りて婚約者と婚約破棄をする。 令嬢は幸せを掴む事が出来るのだろうか。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

処理中です...