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俺にも出来る事があるかも
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「…………冗談じゃない」
「うん、冗談じゃない」
呆然と呟いた俺に、シン殿下は冗談にも取れるような返答をする。が、その真剣な瞳と、言われた言葉の意味は看過出来るものでは無かった。
それはつまり…………
あのアーリア・コーニーのような転生者にとっては……この世界で生きている人間達が、ただの“作り物”でしかないと? そういう事か?俺や俺の周りにいる人々や…………亡くなった母さんも? 女王陛下も?
“盤上の駒”という言葉が脳裏に浮かんだ。人の指先でちょいちょいと動かされる、無力な駒。それが俺達に対する、“転生者”の考えか。
そして……そんな人間1人の為に、大勢の女性が人生を狂わせると? そんなものは……悪魔より始末の悪い、厄災じゃないか?
「て、転生者そのものは、悪い訳じゃないんだよ」
黙ってしまった俺に、焦ったようにシン殿下が手をばたつかせた。
「……中には善良な人物もいて、国の危機を阻止したり攻略対象者達が死ぬのを防ぐ為の助言をしてくれたりもするらしい。けど今回のケースはないだろうね。
僕がステラから訊いた限りだとその男の言動では、その……“エロゲー”……? とやらに対するそれだと思う。…………つまり……」
「大勢の女性とひたすらヤってヤリまくれる、と」
嫌悪感しか感じず、吐き捨てた感じになってしまった。
少し反省しよう。……と、思っていたら。
「わー! わー! わー!」
突然シン殿下が、大声をあげた。その顔は火でも噴きそうな程真っ赤で、目はどこかウルウルしている。
色々規格外な方だけど、案外純情なんだな。――とちょっと感心していたら
「ダメだよ!! レオン君はそんな言葉、使っちゃダメ!」
「…………は?」
なにゆえ??
いや俺もう、子供じゃないですよ?
「僕の中で君はまだ未来の義弟君なんだから! そんな汚れた大人みたいなこと言っちゃダメなんだよ!」
け、汚れた……?
きっと俺の目は今、点になっているに違いない。が、シン殿下は真剣そのものだ。
「あ、あの……俺はもう、学園を卒業した大人で、この通り背丈も」
おずおずと言ってみるが、
「うんすごく成長したね! 結構早い時点で僕の事見下ろしていたもんね!? ――って、ちがーう! とにかく、そんな上品な顔で汚い言葉を使っちゃダメ! 分かった!?」
「は、はぁ…………」
つい勢いに負けて、頷いてしまった。……俺ってそんなに、子供っぽい?
とにかく、シン殿下に理解して頂けたのは良かったな。
帰路につきながら俺は肩の荷を下ろした気持になっていた。気のせいか先程までより周りの景色も明るく見える。
本当は俺、何かしたかったんだよな。
あの日。平民になった俺には何も出来ないと。諦めるしかないと思っていたけど、シン殿下のおかげで日の目を見た。
『もしかしたら協力してもらうかも知れないから』
との仰せで、口外はしないとお約束いただき、連絡先としてバレンシア劇場を話しておいた。もし攻略対象とやらが市井の出だったら、俺の方が有利に動けるだろうし。
しかし…………。
『しかし君が“悪役令息”か……。
確かビート君という少年にも、絡んできたそうだし……。彼を邪魔出来たのには、そこに鍵がありそうだな』
別れ際にシン殿下が、そう呟いていた。
つまりアーリアにとってのゲームの登場人物に、俺やビートも含まれているという事だ。
俺はどうにかするとして、ビートの事は守らないと。
そして、当然……俺の大切な人達も、守って行く。
俺に……“悪役令息”に、その力があるならば。
――しかしこの数日後。
俺はバレンシア劇場で、シン殿下と再会を果たすことになるのだ。
そして……王宮で起きた“その事件”を知る事になる。
「うん、冗談じゃない」
呆然と呟いた俺に、シン殿下は冗談にも取れるような返答をする。が、その真剣な瞳と、言われた言葉の意味は看過出来るものでは無かった。
それはつまり…………
あのアーリア・コーニーのような転生者にとっては……この世界で生きている人間達が、ただの“作り物”でしかないと? そういう事か?俺や俺の周りにいる人々や…………亡くなった母さんも? 女王陛下も?
“盤上の駒”という言葉が脳裏に浮かんだ。人の指先でちょいちょいと動かされる、無力な駒。それが俺達に対する、“転生者”の考えか。
そして……そんな人間1人の為に、大勢の女性が人生を狂わせると? そんなものは……悪魔より始末の悪い、厄災じゃないか?
「て、転生者そのものは、悪い訳じゃないんだよ」
黙ってしまった俺に、焦ったようにシン殿下が手をばたつかせた。
「……中には善良な人物もいて、国の危機を阻止したり攻略対象者達が死ぬのを防ぐ為の助言をしてくれたりもするらしい。けど今回のケースはないだろうね。
僕がステラから訊いた限りだとその男の言動では、その……“エロゲー”……? とやらに対するそれだと思う。…………つまり……」
「大勢の女性とひたすらヤってヤリまくれる、と」
嫌悪感しか感じず、吐き捨てた感じになってしまった。
少し反省しよう。……と、思っていたら。
「わー! わー! わー!」
突然シン殿下が、大声をあげた。その顔は火でも噴きそうな程真っ赤で、目はどこかウルウルしている。
色々規格外な方だけど、案外純情なんだな。――とちょっと感心していたら
「ダメだよ!! レオン君はそんな言葉、使っちゃダメ!」
「…………は?」
なにゆえ??
いや俺もう、子供じゃないですよ?
「僕の中で君はまだ未来の義弟君なんだから! そんな汚れた大人みたいなこと言っちゃダメなんだよ!」
け、汚れた……?
きっと俺の目は今、点になっているに違いない。が、シン殿下は真剣そのものだ。
「あ、あの……俺はもう、学園を卒業した大人で、この通り背丈も」
おずおずと言ってみるが、
「うんすごく成長したね! 結構早い時点で僕の事見下ろしていたもんね!? ――って、ちがーう! とにかく、そんな上品な顔で汚い言葉を使っちゃダメ! 分かった!?」
「は、はぁ…………」
つい勢いに負けて、頷いてしまった。……俺ってそんなに、子供っぽい?
とにかく、シン殿下に理解して頂けたのは良かったな。
帰路につきながら俺は肩の荷を下ろした気持になっていた。気のせいか先程までより周りの景色も明るく見える。
本当は俺、何かしたかったんだよな。
あの日。平民になった俺には何も出来ないと。諦めるしかないと思っていたけど、シン殿下のおかげで日の目を見た。
『もしかしたら協力してもらうかも知れないから』
との仰せで、口外はしないとお約束いただき、連絡先としてバレンシア劇場を話しておいた。もし攻略対象とやらが市井の出だったら、俺の方が有利に動けるだろうし。
しかし…………。
『しかし君が“悪役令息”か……。
確かビート君という少年にも、絡んできたそうだし……。彼を邪魔出来たのには、そこに鍵がありそうだな』
別れ際にシン殿下が、そう呟いていた。
つまりアーリアにとってのゲームの登場人物に、俺やビートも含まれているという事だ。
俺はどうにかするとして、ビートの事は守らないと。
そして、当然……俺の大切な人達も、守って行く。
俺に……“悪役令息”に、その力があるならば。
――しかしこの数日後。
俺はバレンシア劇場で、シン殿下と再会を果たすことになるのだ。
そして……王宮で起きた“その事件”を知る事になる。
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