【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ

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第6部 男爵

第45話 鞭と鞭と飴

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 朝になった。
 今日は隣にルイディナさんが寝ている。
 藍色あいいろの背中まである髪がとても綺麗だ。

 俺達は起きて食堂に行った。
 オルガさんとパメラさんが先に朝食を取っていた。
「おはようございます!」
「「おはよう!!」」


 そして何事もなく1日が始まる。
 これから毎日、朝はこんなしらじらしい感じになるのか。
 何人も奥さんがいる人は、図太くないと駄目かもしれないな。


 朝食を食べた俺達は今日は防具屋へ向かう。
 毎日、どこかに行く用事がある。
 一回で済まないのかと思うが。

 防具屋に入りブラートさんを呼んでもらう。
 
「やあエリアス。待ってたよ。出来てるぜ」
 そう言って一旦、ブラートさんは奥に引っ込んだ。
 そして重たそうに防具を持ってきた。
 
「ほらよ。剣士のお姉ちゃんのプレートアーマーだ」
 オルガさんが試着を始める。

「今度はタラテクトの糸で編んだローブだ」
 次はパメラさんだ。
 さすがにローブは試着室で着替えようよ。

 最後は俺とルイディナさんのライトアーマーだ。

 みんなで細かい調整をした。
 ブラートさんにも俺が男爵になり、この街を出ていくことを話した。
「そうか寂しくなるな。また遊びに来いよな」
 そう笑って見送ってくれた。



 俺はみんなと別れ1人で冒険者ギルドに行った。
 スイングドアを開け中に入る。
 ここに来るのもあと少しかと思うと名残惜しい。

 アリッサさんのところへ行く。
 ちょっと気まずいな。

「こんにちは!」
「こんにちは、エリアス君。今日はどうしたの?」
「ギルド長に挨拶をしておこうと思いまして」
「分かったわ。ちょっと待っていてくれる?」
 アリッサさんが聞きに行ってくれた。

「どうぞ、エリアス君。上がっていいそうよ」
「ありがとうございます。アリッサさん」

 俺はお礼を言って2階に上がって行った。
 ゴルド長の部屋のドアを叩いた。

「どうぞ」
「失礼します」
「やあエリアス君、公爵様から話は聞いたよ。さあ座って」
 俺は向かいに座り話し始めた。

「男爵のお話を頂き、悩みましたが受けました」
「そうか、冒険者をやっているよりはいいだろう。それに領地経営も初めてだろうから、向こうに行けば代わりにやってくれる人がいるだろう」
「代わりにやってくれる人?」
「あぁ、そうだ。考えてみたまえ。今まで冒険者をやっていて、英才教育を受けていないものが帖領地経営が出来ると思うかね」
「無理だと思います」
「だから代わりに経営をしてくれる人が領地に居るのさ。だがその人自体の能力もそれほどでもない事が多く、小さい村くらいしか任せられないがな」
「俺が行くヴィラーの村は今、村長が代行業務をしていえると聞きました」
「村長か。村長なら村に根付いているから、人望があれば任せておけるな」

 前任者の男爵は村の若い女を我が物にしようとしたり、重税を課し着服横領で爵位剥奪となったことを説明。
 そのため、今年は税を軽くし住民の怒りを抑えていることを話した。

「そうか。その村長は管理側の考えではなく、領民の立場になって考えられる人なのだろう。そうでなければ任せられえないからな」
「では俺は何のために行くのでしょうか?」
「村長は村長であって、それ以上になれないと言う事さ。だから領主が必要なんだ」
「では俺の役割は」
「経営は当てにされていないだろう。まあ領主なんて国と村を繋ぐ橋渡しが仕事みたいなものだからな。後は冒険者上りだから、村を魔物から守るれば喜ばれるだろう」
「橋渡しと言うだけで俺は年400~400万の報酬。住民は不満に思わないのでしょうか?」
「思わないだろうな、それが貴族社会だ。よほど理不尽なことを、されない限りは納得するはずだ」

「なぜですか?」
「村人だからさ。持って生まれた身分格差はぬぐえないのさ」
「身分格差ですか」
「彼らは貴族の下に仕え耐え、耐えられなくなったら暴動が起き国は滅ぼる」

 そして一呼吸置きギルド長は言った。
「住人が耐えられる範囲の税を課して悠々自適に暮らすか、逆にいい領主になろうとするかはエリアス君次第さ」
「自分次第という事ですか」
「あぁ、領民は甘やかせば付け上がるからな」
「飴と鞭ですね」
「旨い言い方をするな。できれば鞭と鞭と飴くらいが丁度、良いかもしれんぞ。『紅の乙女』のメンバーは連れて行くのかい?」
「えぇ、そのつもりです」
「そうか彼女達も連れて行くのか。で、いつ行くんだい?」
「一通りの挨拶が終わったので、明日にでも向かおうと思います」
「そうか、気を付けろよ」
「ありがとうございます。お世話になりました」
 俺は挨拶をして、ギルド長の部屋を出た。


 受付に向かいアリッサさんにも挨拶をした。
「明日、旅立とうと思います。色々とお世話になりました」
「寂しくなるわ、エリアス君が居なくなると。元気でね」
「さようなら、また会いましょう」
 そう言って俺は手を振りギルドを後にした。

 宿屋に帰りオルガさん達に明日、旅立つことを話した。
 急いで行く必要もないので、ゆっくり観光でもしながら行こうと。

 宿屋の主人、ビルさんにも話をした。
「明日、旅立つんだね。分かったよ。また来ておくれ」
「エリアスお兄ちゃん、また来てね」
 アンナちゃんが可愛く言う。

 そして旅立ちの朝が来た。
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