7 / 8
そのときの高崎くん
前編
最初話しかけられたときは、うるさい女に絡まれた、と言うのが第一印象。
顔だけなら女ウケがいいという理由で、騙されて合コンの数合わせで連れて行かれた物の、苦手意識の方が先に立つ。
普通にしゃべると口が悪いだの、嫌味ばっかりだのと責められ鼻白まれて、黙っていると態度が悪いだのノリが悪いと結局責められる。
顔より中身だろっと思わせる為にかり出されるのは不愉快で、絶対に金ははらわねぇ、と心に決める。
適当に酒を飲みながら冷めた気分でその場を眺めていたその時だった。
「全然話にはいんないんだね?」
一番騒がしいと思いながら眺めていた女が声をかけてきた。
「入る気ないし」
「そっか。じゃあ、えーと、高崎君だっけ? 私なんかあぶれてるから話し相手になってよ」
全然あぶれているようには見えなかったが。
隅で人間観察状態になっていた俺の目には、この女は盛り上げ役に徹していて最初からずいぶんと楽しそうだった。同時に男と話すためにきた、というそういうがんばりは見えなかったのが印象に残っている。
彼女の視線をたどってみれば、気がつけば確かに、ひとまずそれぞれが盛り上がっていて、全体の盛り上げ役をしている彼女の需要はなさそうだった。
「こうなると、私あぶれるんだよね」
「うるさくなくて良いじゃないか」
「あ! 気にしてることをさらっと言ったね?!」
しまった、また余計なことを言った。
と思ったが、気にしていると言った彼女は笑っている。
「……あんた、食う暇もなかっただろ? 今の内に食っとけば?」
「そうだね~。じゃあ、高崎君が私に食べさせてくれても良いよ! はい、あーん」
馬鹿か、こいつ。口あけて待ってるとか。
「頭わいてるだろ」
「照れなくて良いのよ! せっかくの合コンなんだから!」
「お前、合コンにどんなイメージ持ってるんだ。馬鹿だろ」
「んもー、照れ屋さん☆」
あ、駄目だ、こいつ、話通じねぇ。
アタマ痛い。
この女はアホみたいににこにこ笑いながら、俺が何を言っても気にすることなく話しかけてくる。
いつの間にか、俺はいつもの「女には余計なことは言わないようにしよう」という気持ちがすっかり抜けて、普通にしゃべっていた。
男同士でも、初対面でここまで言っていたらキツイと感じられがちな俺の言葉を全く気にせず受け流したこの女は、何が気に入ったのか、最後には「付き合って下さい」とか言ってきた。
こいつ、ネタでそこまでするのか。
「無理」
普通に考えて無理だろ。なに言ってるんだ、このバカ。
「そこを何とか!」
俺は確かに、無理の一言ぐらいでこいつが傷つくとは思ってなかった。思ってなかったからそう言ったわけだが、ひるむことなくにこにこと何で更に吹っ掛けてくるんだ。
けれどなんだかんだと、彼女をおもしろいと思う気持ちはあった。こうやって気軽に話せる女も滅多にいない。女に興味がないわけでもなく。平たく言うと、それなりに、というか、結構好みだった。
うるさいはうるさいが、嫌いじゃない。
押し切られる、と言う形で、結局連絡先を交換したときは、まさかそれから一ヶ月、会う度に告白されることになるとは思わなかった。
更に言うなら、そのまま、鈴が俺の所に来るのが楽しみになったり、なに言ってもにこにこしながらくっついてくるのがかわいいと思ったりするようになるとは、欠片ほども想ってなかった。
顔だけなら女ウケがいいという理由で、騙されて合コンの数合わせで連れて行かれた物の、苦手意識の方が先に立つ。
普通にしゃべると口が悪いだの、嫌味ばっかりだのと責められ鼻白まれて、黙っていると態度が悪いだのノリが悪いと結局責められる。
顔より中身だろっと思わせる為にかり出されるのは不愉快で、絶対に金ははらわねぇ、と心に決める。
適当に酒を飲みながら冷めた気分でその場を眺めていたその時だった。
「全然話にはいんないんだね?」
一番騒がしいと思いながら眺めていた女が声をかけてきた。
「入る気ないし」
「そっか。じゃあ、えーと、高崎君だっけ? 私なんかあぶれてるから話し相手になってよ」
全然あぶれているようには見えなかったが。
隅で人間観察状態になっていた俺の目には、この女は盛り上げ役に徹していて最初からずいぶんと楽しそうだった。同時に男と話すためにきた、というそういうがんばりは見えなかったのが印象に残っている。
彼女の視線をたどってみれば、気がつけば確かに、ひとまずそれぞれが盛り上がっていて、全体の盛り上げ役をしている彼女の需要はなさそうだった。
「こうなると、私あぶれるんだよね」
「うるさくなくて良いじゃないか」
「あ! 気にしてることをさらっと言ったね?!」
しまった、また余計なことを言った。
と思ったが、気にしていると言った彼女は笑っている。
「……あんた、食う暇もなかっただろ? 今の内に食っとけば?」
「そうだね~。じゃあ、高崎君が私に食べさせてくれても良いよ! はい、あーん」
馬鹿か、こいつ。口あけて待ってるとか。
「頭わいてるだろ」
「照れなくて良いのよ! せっかくの合コンなんだから!」
「お前、合コンにどんなイメージ持ってるんだ。馬鹿だろ」
「んもー、照れ屋さん☆」
あ、駄目だ、こいつ、話通じねぇ。
アタマ痛い。
この女はアホみたいににこにこ笑いながら、俺が何を言っても気にすることなく話しかけてくる。
いつの間にか、俺はいつもの「女には余計なことは言わないようにしよう」という気持ちがすっかり抜けて、普通にしゃべっていた。
男同士でも、初対面でここまで言っていたらキツイと感じられがちな俺の言葉を全く気にせず受け流したこの女は、何が気に入ったのか、最後には「付き合って下さい」とか言ってきた。
こいつ、ネタでそこまでするのか。
「無理」
普通に考えて無理だろ。なに言ってるんだ、このバカ。
「そこを何とか!」
俺は確かに、無理の一言ぐらいでこいつが傷つくとは思ってなかった。思ってなかったからそう言ったわけだが、ひるむことなくにこにこと何で更に吹っ掛けてくるんだ。
けれどなんだかんだと、彼女をおもしろいと思う気持ちはあった。こうやって気軽に話せる女も滅多にいない。女に興味がないわけでもなく。平たく言うと、それなりに、というか、結構好みだった。
うるさいはうるさいが、嫌いじゃない。
押し切られる、と言う形で、結局連絡先を交換したときは、まさかそれから一ヶ月、会う度に告白されることになるとは思わなかった。
更に言うなら、そのまま、鈴が俺の所に来るのが楽しみになったり、なに言ってもにこにこしながらくっついてくるのがかわいいと思ったりするようになるとは、欠片ほども想ってなかった。
あなたにおすすめの小説
私は恋をしている。
はるきりょう
恋愛
私は、旦那様に恋をしている。
あれから5年が経過して、彼が20歳を超したとき、私たちは結婚した。公爵家の令嬢である私は、15歳の時に婚約者を決めるにあたり父にお願いしたのだ。彼と婚約し、いずれは結婚したいと。私に甘い父はその話を彼の家に持って行ってくれた。そして彼は了承した。
私の家が公爵家で、彼の家が男爵家だからだ。
私の旦那様はつまらない男
おきょう
恋愛
私の旦那様であるロバート伯爵は、無口で無愛想な仕事バカ。
家庭を返り見ず仕事に精を出すのみのつまらない男である。
それでも私は伯爵家の妻として今日も面倒な社交の場に出なければならないのだ。
伯爵家の名を落とさないために。あぁ面倒くさい。
※他サイトで投稿したものの改稿版になります。
私と貴方の報われない恋
梨丸
恋愛
田舎の男爵家の少女、アーシャには好きな人がいた。
家族同然の幼馴染を好きになってしまったアーシャの恋は報われない……。
主な登場人物
アーシャ 本作の主人公
フェルナン アーシャの初恋
※アーシャ編とフェルナン編の二編を投稿します。
※完結後も番外編を追加するかもしれないです。
11/3 完結いたしました。
11/4HOTランキング入りしました。ありがとうございます。
好きな人
はるきりょう
恋愛
好きな人がいます。
「好き」だと言ったら、その人は、「俺も」と応えてくれました。
けれど、私の「好き」と彼の「好き」には、大きな差があるようで。
きっと、ほんの少しの差なんです。
私と彼は同じ人ではない。ただそれだけの差なんです。
けれど、私は彼が好きだから、その差がひどく大きく見えて、時々、無性に泣きたくなるんです。
※小説家になろうサイト様に掲載してあるものを一部修正しました。季節も今に合わせてあります。
あなたの1番になりたかった
トモ
恋愛
姉の幼馴染のサムが大好きな、ルナは、小さい頃から、いつも後を着いて行った。
姉とサムは、ルナの5歳年上。
姉のメイジェーンは相手にはしてくれなかったけど、サムはいつも優しく頭を撫でてくれた。
その手がとても心地よくて、大好きだった。
15歳になったルナは、まだサムが好き。
気持ちを伝えると気合いを入れ、いざ告白しにいくとそこには…