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キャラブキ王国

無一文

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タヌキのポロリと別れて半日、とにかくこの無一文をなんとかせねばならない。

ベンチに腰掛け、マニュアルを読み返した。

「手っ取り早いのはクエストか」

取り敢えずクエスト案内所に行ってみることにした。
案内所は下民が溢れていた。悪臭漂う案内所、早くこの暮らしから脱出しなければ。

「ドラゴン狩りか。。」
MMOの定番でやはりドラゴンの牙、鱗などは高値で取引されているようだ。問題なのはドラゴンがでかい場合、倒したとしても運ぶ手段がない。
無一文なので人も雇えない、負のスパイラルだ。

エントは燃えちまうし、とにかく食料にもなり
素材として使えるやつだな。

「これ良さそうだな」

海岸の方に行くとカニ型のMOBがいるようだ。
何やら周囲の村を泡まみれし農作物に被害が及んでいるようだ。

城壁の堀の水は川を伝い海まで広がっているから
船さえあれば、王都まで運べそうだ。

「これだ、腹が減ったし海までいくぜ」

次の繁栄祭まで30日あるし、このプランなら行けそうだ。

案内所でのPT依頼は、問題が発生した時に保険が付いているようだが、かなりの金額が設定されていた、まるで自動車保険のようだった。

必要あらば現地で組めばいい、とにかく腹がへったので海岸へと向かうのであった。




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